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「自分にできること」が、あってよかった。

9年前、私はただの無力な大学生でした。
大きな揺れが起きたときは、自宅で最終面接に向けた準備をしていました。

幸いにも思ったより早く私の身の回りは日常が戻り、就活生でもあった私の頭の中を占めていたのは「来年から無事に働けるのだろうか?」ということでした。

あの頃は、ボランティアや今自分に何ができるかを考える余裕なんてなかった。
自分ひとりの力で、なんとか生きていく術を考えることが最優先だったから。

当時は内定切りのニュースも増え、明日は我が身と恐々としていたけれどなんとか無事に新年度を迎えることができ、その後10年近くいろんなところで社会人としての経験を積ませてもらって、今の私があります。

私たちは今、10年前と同じかそれ以上に大きな危機に直面しています。

あの頃は今日を生きることに精一杯で、人のため、社会のためなんて考える余裕も何か行動を起こす能力もなかった私ですが、10年経ってやっと「この危機に自分ができることはなんだろう」と考えられるようになりました。

その背景には、これまで私を根気強く支え育ててくれた人たちに加えて、noteというプラットフォームの存在があったように思います。

昨日、noteはちょうど6周年を迎えました。

加藤さんと深津さんも書かれている通り、世の中が停滞する中で私たちに今できること、すべきことは山積みです。

店舗やイベントを中心に、世の中に貢献したくてもできない人が増えている中で、果たすべき役割があるのはとてもありがたいことだと日々実感しています。

特に私が専門にしている小売領域は今どこも大ダメージを受けており、発信を中心としたデジタル施策の支援は急務です。

私もnoteプロデューサーとして、またリテールフューチャリストとして、日々大小さまざまな企画とアドバイス、情報発信を行っています。

こうして私が今変わらず発信を行い、ブランドやお店の支援ができているのは、4年前に何気なくnoteを書き始めたことがきっかけでした。

もしあのとき何もせず漫然と過ごしていたら、この状況で私にできることなど皆無だったかもしれません。

安心して発信できる場があったこと、そしてnoteというサービスに大切に育ててもらってきたこと。

そうやって得た今の力と役割を、私も少しでも世の中に還元していけたらと思っています。

10年前の私は、きっと知らず知らずのうちに多くの人たちの想いによって創られたたモノやサービスに支えられて、日常を早く取り戻すことができたのだと今になって思います。

当時は何もできなかったけれど、今はできることがたくさんある。

そしてもし私が何もできなくなるようなトラブルに巻き込まれたら、きっと誰かが手を差し伸べようとがんばってくれる。

社会に参加する意味は、そうやって支え合うことにあるのだと私は思います。

できることが制限されている世の中ですが、1人でも多くの人が自分の「できること」を発見し、存在意義を感じ、文化の大きなうねりとなっていくように。

せっかく与えてもらった場所を無駄にしないように、私もしっかり自分の役割をまっとうしていきたいと思います。

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