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アラサーの私が"結婚"をしたくない理由

週末にFacebookを開けばタイムラインが結婚報告で溢れかえっているアラサー女子の私ですが、今のところ結婚はしたくないなあと思っています。

正確に言うと"現行制度上で婚姻届を提出する"ということに大きな抵抗があります。

その理由はたったひとつ。

名字を変えることを強要されるからです。

今の日本では、名字を変えることのコストが正しく認識されていない

名字を変えることに抵抗がある私は、選択的夫婦別姓が早く導入されることを切に願っています。

でも実現までに果たしてあとどれくらいの時間がかかるのか…。

なかなか選択的夫婦別姓が実現しない理由は、名字を変えるコストが正しく認識されていないからだと思います。

特にまだ男性社会の日本の議会において、名字を変える苦労をしたことがある人なんてほとんどいないのではないでしょうか。

先日公開されたサイボウズの青野さんのnoteに、名字を変えることで支払わなければならないコストがわかりやすく解説してあるのでぜひ男性にこそ読んでいただきたい。

"青野さん"はビジネスネームで、ご結婚の際に奥様の名字に変更されたので戸籍上の"本名"は別の名前。

改姓したことでかかるコストと精神的苦痛について下記のとおりまとめていらっしゃいますが、結婚した女性はほぼすべてこれと同じコストを強制されているのが現状です。

私は結婚して姓を変更したので、銀行口座・クレジットカード・免許証・健康保険証・パスポート・マイレージカード(変えないとポイントが付かない)・病院の診察券・図書館の会員カードのなどの名前変更コストを払いました。財布とカード入れに入っているカードほぼすべてが対象です。そして、新姓の印鑑の作成、株式の名義変更(場合によっては多額の費用が発生)、病院などで「西端さーん」と呼ばれて反応できるようになる訓練、出張するとき先方に「飛行機やホテルの予約は青野じゃなくて西端でお願いします」と伝える手間、子供に「お父さんは会社では青野だけど保育園では西端なんだよ」と説明するコスト、「どうして苗字を変えたの? 養子?」という質問に答えるコストを払い、精神的苦痛を感じながら生きてます。

改姓のコストは結婚した時に公的証明書をまるっと変更することだけだと思われがちですが、女性も働くことが当たり前になった現在では仕事上の名前と戸籍上の名前が異なる人も多く、死ぬまでずっと面倒な思いをし続けなければなりません。

改姓のコストは一時金ではなく、ずっと支払い続けなければならない利息のようなものなのです。

例えばほとんどの会社はメールアドレスに名字が入っていると思いますが、もし結婚に伴って仕事上の名前も旦那様の姓に変えてしまうと、署名の名字とメールアドレスの名字が異なる状態になってしまいます。

逆に旧姓をビジネスネームで使うとしても、公的書類はすべて戸籍上の本名で行う必要があるので、総務側で同一人物だと認識する手間もかかるし、別人だと思われて必要書類が手元に届かない、なんてトラブルも発生しがちです。

さらにこれから女性管理職を増やしていこうという動きの中で、社長はもちろん役員クラスの戸籍上の名字が変わるとなると、その手続きのために多額の費用がかかることもあります。
(最近知りましたが、代表取締役は住所変更だけでも諸々手続きが必要で手続きのために別途費用がかかるんですよね。)

ちなみにアメリカでは結婚の際に、なんと5つものタイプの中から名字のつけ方について選べるそうです。
参考:意外に保守的、アメリカの「選択的夫婦別姓」事情

実際には半分以上が旦那様の名字に変えるそうですが、徐々に別姓の割合が高まっており、特に所得や学歴が高いほど別姓を選ぶ傾向が強いとのこと。

特に所得や学歴が高くなるほど別姓を選ぶ傾向が強く、年収15万ドル(1,800万円)以上になると40%、2万5千ドル(300万円)以下では13%の女性が別姓を選んでいます。

女性の社会進出が進むほど選択的夫婦別姓の必要性が高まるのは、どの国も同じなのではないでしょうか。

私たちには、"自分の名前"を守る権利がある

私が名字を変えることに抵抗があるのは、そうしたコスト面だけが理由ではありません。

名字を変えるということ、それはすなわち旧姓の自分が戸籍というデータベースから消えて無くなるということです。

私は名字が珍しいので余計にその想いが強いのかもしれませんが、30年弱慣れ親しんできた自分のフルネームを変えることには強い抵抗があります。

自分がコツコツ積み上げてきたことがリセットされるような、自分のこれまでをなかったことにされるような、まるで結婚と同時に過去の自分が死んでしまうような。そんななんとも言えないもやもやした気持ちになります。

大好きな人と家族になれる。
そんな喜ばしい瞬間に、改姓の強制によって水を差されたくはありません。

実際私の周りの友人にも、名字を変えることへのこのなんとも言えない抵抗感から、憂鬱になったという人もたくさんいます。

マリッジブルーと言ってしまえばそれまでですが、例えばこれが改姓するか旧姓のままにするかを自分で選んだ上で変えるのであれば納得感もあるのではないでしょうか。

好きな人と結婚したいのに、名字を変えることへの抵抗感がぬぐえない。
相手を困らせたくはないのに、気持ちに整理がつかない。

そんな複雑な気持ちで婚姻届を提出しなければならない人が、未来の自分も含めていなくなってほしいと切に願っています。

もちろん自ら相手の名字に変えたいという人もたくさんいますし、それはなんら否定されることではないと思います。

ただ私たちには"自分の名前を守る権利"もあるはず。

アイデンティティのひとつでもある自分のフルネームをどうするかを自分の手で選びとれる、そんな世の中に早くなってほしいと思います。

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こういうこと書くとただでさえ「嫁の貰い手がない」と両親に嘆かれているのに、ますます貰い手がなくなりそう。笑

お母さんに怒られるのだけは怖いので両親の耳に入らないことを祈るばかり。。。

でもねお母さん。
嫁の貰い手があろうとなかろうと、娘は今日も清く正しくたくましく、大都会TOKYOの中で生き抜いていております!

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