相談相手に選ぶべきは「拡散」よりも「収束」させてくれる人
フリーランスとして様々なプロジェクトに関わっていて感じるのは、ビジョンを語る人口に対して、それを具体的な戦略や計画に落とし込む力がある人の少なさです。
「これをやりたい」からはじまる大きな物語を描くのは実はそんなに難しいことではなく、ある程度やりたいことがあれば思考はどんどん先に進みますし、話せば話すほど「こういうこともできるんじゃない?」という提案してくれる人も増えていきます。
こうして思考を広げてくれる人のことを私は「拡散型アドバイザー」と読んでいるのですが、異なる分野やスキルを持つもの同士であれば掛け算するだけでどんどん思考が拡散していくので、大半の人が相談を受けるとこのタイプに属することになります。
しかし、拡散型アドバイザーと「あれもこれもやりたいね、やれるね!」と盛り上がって実現することはかなり稀。
なぜなら、何かを実現するには「拡散」ではなく「収束」が必要だからです。
どんな大きな夢を描いていても、はじめの一歩を踏み出さなければ何もはじまりません。
世の中に数え切れないくらいたくさんゴロゴロ転がっている「絵に描いた餅」を、ちゃんと「食べられる餅」になるように手順を示してあげる人が必要なのです。
もちろん、最終的に骨子や計画を作るのは自分自身しかできませんが、話すことで散らばったピースを自然と収束させてくれる人というのが確実に存在しています。
断片をひとつひとつ拾い集めて、線になるように引き伸ばして、束ねて、「つまり」という言葉でまとめてくれる人。
定期的に会うべき相談相手というのは、そういう思考を収束させる手伝いをしてくれる人なのではないかと思います。
もちろん、煮詰まった時は時々異分野の人たちとあれこれブレストすることで道が開けることもあります。
しかし、判断軸なしに多様な意見を聞きすぎると、ただ惑わされて終わることもあります。
私たちは自分が思うほど「考える」という作業を自分ひとりでやりきることができません。
だからこそ伴走者としての相談相手が必要で、その際は会話の中で自分の思考のまとまりを感じる相手かどうかで選ぶのがよいのではないかと思うのです。
今の自分に必要なのは、発想を広げることなのか、思考を収束することなのか。
その時々によって自分の思考に足りないものを補うのが、よい相談相手を見つけるコツなのかもしれません。
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(Photo by Kazuna.H)
ラブグラフの応援も込めて、表紙写真にラブグラファーさんの写真を使用させていただくことになりました!写真使ってもいいよーという方はご連絡ください:)
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