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ドレスコードは、誰のため?

高級ホテルやレストランなどで時折耳にする「ドレスコード」。

世界的に見てもカジュアル化が進み、オフィスにTシャツ短パンで出勤する人の割合も増えてきたとはいうものの、いまだに根強く「ジャケット着用」 「ネクタイ必須」といったドレスコードを守らなければいけない場所は多々あります。

多様性が叫ばれる中で、なぜそれぞれが思い思いの格好で、自由に過ごしてはいけないのか?と長らく疑問に思ってきましたが、実際に自分がドレスコードのある場所に行くようになってみて、見た目の雰囲気をあわせることにも大きな意味があるのだと感じるようになりました。

その意味とは、「みんなでひとつの空間をつくる」ということ。

たとえば、ドレスコードがあるような場所は、ほとんどが歴史ある建物だったり、内装にこだわってラグジュアリーな空間を演出したりしています。

そして、そこに集まる人々の場所への期待が大きければ大きいほど、集まっている人たち自身の雰囲気が場に与える影響も大きくなるのです。

特にラグジュアリーなホテルやレストランは記念日やプロポーズなど人生の大切な瞬間に使う人も多いため、期待通りの雰囲気を完成させるためにも、そこに集う人たち自身の装いも空間の構成要素になります。

それはある種、舞台と俳優の関係に近いのかもしれません。

舞台に出演するのに、稽古着で登場する俳優はいないように、みんなが期待して参加している場では、1人の俳優としての振る舞いが求められるのだと思います。

そうした「遊び」がバカバカしいと思う人はドレスコードがあるような場所には近づかなければいいだけの話です。

ディズニーランドが嫌いだとしても、わざわざディズニーランドまで出向いて耳をつけるなんておかしいだの、おソロコーデが痛いだの言って回る必要がないのと同じで、その場所を一緒に完成させる意思がないのならば、そもそも足を運ばないのが全員幸せになる方法なのではないでしょうか。

人は誰でも、何歳になっても、夢を見る権利があります。

仕事や子育て、恋愛、家族の介護など大変なことも多い現実を忘れさせて、明日の活力を養う夢の場所は誰にでも必要なものです。

だからこそ、ドレスコードに限らず、その場のルールやマナーを正しく学び、夢の空間を一緒に作り上げていく意識が必要なのではないかと思います。

ドレスコードは、単にホテルやレストランが利用客を選ぶための居丈高なルールではありません。

大人の夢の国に参加するための魔法の鍵。

それが「ドレスコード」の意味なのではないでしょうか。

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