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ジェネレーションZ世代が「リアルビジネス」に回帰する理由

ほんの数年前まで、期待の若手が手がける事業といえばITが中心でした。

SNSやスマホゲーム、キュレーションメディア、動画配信など、在庫も初期投資もなくはじめられるIT系事業は原資も信用もない若者にもはじめやすく、未来のマーク・ザッカーバーグやスティーブ・ジョブズを目指して起業した人の事例は枚挙にいとまがありません。

そんな世代の象徴が「TOKYO FOUNDERS FUND」で、メンバーは日本における「憧れの起業家」として名前が挙がる人ばかり。
起業への憧れを牽引してきた世代と言えると思います。

しかし一方で、最近自分より下の世代と話していて感じるのが、ミレニアル世代以下がどんどんリアルビジネスへ回帰しているということです。

先日SHE Likesのレッスンでお話を伺った、ソーシャルホテル「HOTEL SHE, OSAKA」を運営する龍崎翔子さんや、細身の女の子向けのランジェリーブランド「feast」を展開するハヤカワ五味さん、ジーンズブランド「EVERY DENIM」の山脇さん島田さん兄弟など、1990年代半ば以降に生まれた「ジェネレーションZ」と呼ばれる若者世代は、場作りやものづくりなどのリアルビジネスを展開する人が増えてきています。

他にもゲストハウスを運営したり、移動販売型の食系ビジネスを興したりと、これまでの「起業家」のイメージとは異なる事業に挑戦いしている、もしくは挑戦しようと準備している若者の話を聞く機会が増えました。

この動きについて私は単なる時代の反動だと思っていたのですが、実際に話を聞いてみて最近気づいたのは、「事業」そのものに対する価値観が少しずつ変わってきているということです。

融資か、投資か。ミレニアル世代とは異なるジェネレーションZのファイナンス感覚

私自身、スタートアップにいたときに感じたのは、「起業=VCからの資金調達」という固定観念の危うさです。

Facebookを開けば毎週誰かが資金調達の報告をしているような世界にいると、「調達してやっとスタートラインなんだ」と思い込んでしまう節があります。
特にネット系のビジネスは過去の実績がない分、融資を受けづらいという問題もあり、ほとんどのスタートアップがVCからの調達を検討することになります。

その点、リアルビジネスは貸す側である銀行にとっても「ホテル」「小売」というジャンルで過去の蓄積があるため、業績予想がしやすく融資がおりやすいというメリットがあります。(特に今はマイナス金利なので、銀行側は貸したがる)

ジェネレーションZ世代の若手起業家たちと話しているとみんな自己資本と融資で賄っていて、投資を受けるつもりはないと話す人がほとんど。
それぞれの業界が積み上げてきた過去のフォーマットに現代的な感覚をかけあわせることで、新しい価値を生み出しているのです。

もちろん投資を受けるメリットも多々ありますし、スケールさせたいタイミングでは数十億円のキャッシュが入ってくるのは大きな魅力です。
しかし、一方で「株式を譲渡する」ことによるデメリットもきちんと理解し、納得した上で資金調達することも重要なこと。
お金に色はなくても、誰が株をもっているかは会社の経営を大きく左右するからです。

ジェネレーションZ世代の若者と事業について話していて感じるのは、規模の拡大よりも自分が決定権をもつことを重要視する人が多いということ。
彼らが目指しているのは店舗数を増やすことでもなく、売上を数億規模にすることでもなく、価値観を共にする人と出会い、その輪を広げていくことなのです。

つまり、儲けを大きくしたり名声を得ることよりも、自分の世界や価値観を体現することの方が重要だからこそ、投資によってレバレッジをかけて拡大しようという発想にいたらないのだと思います。

ミレニアル世代が開拓してきたITの技術を使って、ジェネレーションZがリアルビジネスをアップデートする。
自分より下の世代と話すたび、そんな未来の訪れを感じて勝手にワクワクしているここ最近。
私も彼ら・彼女らに負けないように、自分が叶えたい未来をひとつひとつかたちにしていきたいと改めて思いました。

参考記事:「泊まることが、自分の意思表示になる」21歳、ミレニアル世代がつくるソーシャルホテル「HOTEL SHE, OSAKA」龍崎翔子さん

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(Photo by ikepon

ラブグラフの応援も込めて、表紙写真にラブグラファーさんの写真を使用させていただくことになりました!写真使ってもいいよーという方はご連絡ください:)

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Retail Futurist / curator。「知性ある消費を作る」をミッションに掲げています。 将来は世界一の店舗メディアを作る予定。noteの有料マガジン「余談的小売文化論」とコミュニティマガジン「消費文化総研」もよろしくどうぞ!