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怪獣大戦争(1474字)

昭和ゴジラ、続きます。

はじめて自分の意思で見たゴジラはゴジラvsビオランテでした。
あれからもう35年たつですよ。
世間では怪獣プロレスと揶揄されてましたけど、今見ても間違ってはいないと思うし、当時はもっと思ってて、大人が見るべきものではない、くらいに思ってました。
でも今見るとどれもおもしろいじゃん。
怪獣プロレスって、あながち悪意ばかりじゃなかったのかと思うようになりました。
昨今モンスターバースシリーズも小バカにする人たちもいるとかいないとか。
そういう外野の声は一切無視して、ゴジラシリーズを見直そうと思ってます。

やっと本題。
とうとう出会ってしまったX星人。
「ワレワレハウチュウジンダ」って言ってくれなかった。
もちろん、喉をチョップしたりしない。セリフを棒読みにする程度。
けれど水野久美の波川女史は普通に日本人。
あれは"X星人の芝居"なのかな、水野久美の芝居なのかな。

この手の作品はストーリーを素直に見ると素直に楽しめる。
時間軸とか権限以上に勝手なことをするなんてところを見ると、「アホか」って思えてしまう。
物語は筋道が通るよう順番に進んて行くだけで、時間の経過がとんでもなく無茶苦茶。
X星人へのレディガード(なんかかっこいいと思ってしまった。警報器)の効果が判明した時点で「あと3時間しかない」のに、次のシーンでは大きな機械をトレーラの荷台に積み込んで山道の非舗装路を走っている。
緊張感を持たせるためとは言え、3時間って言わなきゃいいんじゃないの?
庵野秀明もこの映画を見てそう思ったに違いない。
エヴァの身長は不明だから(笑)
いや、見てないよな。

不満点は、怪獣の戦闘シーンが少ないこと。
もう少し戦ってほしいよなぁ。
ただ殴り合ってるだけでおもしろくない。
いっときはどちらかが優位にたつけど…みたいな展開が少しでもいいからほしかったよね。
そこがまぁ不満でした。

最後にストーリーとは直接関係がないことをいくつか。

1
記者会見場で、桜井博士が言う。
「木製の衛星は14個」と。
そんなに少なかったけー?と調べてると、この映画が作られた1965年には12個だったらしいが、現在ではなんと95個。
「今」にいると気づかないけれど、科学の進歩はすごいんだなー。

2
P-1ロケットの速度は1000km/s。
時速3600万km。
思い切った速度設定だなーと感じたが、光は時速10億8000万kmだった。
光速の1/30ではU.C.C.1701(宇宙戦艦エンタープライズ)にも追いつけないかな。

3
宇宙パイロットの富士一郎の妹役の沢井桂子がとてもキュートだ。
時々見せる下から目線が、男心をくすぐる。
おそらくかわいらしく見せるための演出だろうと思う。
2024年現在79歳で、今でも舞台に出てるとか。

4
宇宙パイロットグレン役のニックアダムスが同期のジェームス・ディーンやエルヴィス・プレスリーと親友なんですって。これにはちょっとびっくり。
そして、日本語を話す日本人の役者さんとごく普通にやり取りしているが、彼はどう見ても日本語を話してはいない。
なのに表情は周りと完全に馴染んでるってのはすごいなーと思う。
彼が例えば英語のセリフを話したとしても、相手は日本語を聞いたつもりで芝居をしている。
彼がいることで、日本人なら浮いてしまうなジョークもきちんとはまっている。
この辺りの感覚は素晴らしい!

5
主演は宝田明。
先日、2022年の「世の中にたえて桜のなかりせば」を見たばかり。
この作品と並べると、まるで宝田明の人生を俯瞰したような気がしてしまった。
年相応にいい役者さんだよなぁって。

1965年東宝

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