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【読書記録】ぼくのボールが君に届けば

ぼくのボールが君に届けば
伊集院静 著

とても好きな作品。

伊集院静さんの本も
もともと父が好んで読んでいたのがキッカケで読み始めた。

今まで何冊も読んできたけれど、どれも綺麗。
綺麗、という乏しい表現しかできないのが悔しい。


"ぼくのボールが君に届けば"

本屋さんでなんとなくタイトルに惹かれて
社会人なりたての頃、初めて自分で買った本だったかな。

短編集が9つ入っていて、すべて野球をとおして
人と人とが関わり合う物語になっている。

正直、野球にはあまり興味がないけど、
これを読んでキャッチボールをしたくなった。


短編それぞれの主人公は
男性、女性、子供と色々。

どの作品も深くて綺麗。
とりわけ、同じ女性の物語に引き込まれた気がする。

1つ目の短編、
"ぼくのボールが君に届けば"では
夫と死別した女性がある父と子に出会って
あたたかい幸せを見つけていくお話。
物語の始まりがとても爽やか。

7つ目の短編、
"雨が好き"では
祖母、母、孫娘の3世代。
祖母の悔いを孫娘が受け止めるお話。
読みながら雨の音が聞こえてくる。


そして
短編ではないけれど
最後の最後、角田光代さんの解説が好き。

とても的確で、この短編集の最後にぴったりだと思った。解説までがこの本かな、なんて。


これからも日々ふり返えるたびに何度も読んでいきたい一冊。


きっとまたキャッチボールしたくなる。

おしまい。


読んでいただきありがとうございます∞この広いネット世界で出会えた縁に感謝*