カーブを曲がりたくなかった

ROSSOってサブスクにもiTune storeにもないんだよな。

今年2月に引っ越したのだが、現在、我が家にはCDプレーヤーがない。数年前にも引っ越したのだが、その頃からない。CD-DVDドライブというPCに音楽をデータとして取り込むための道具はあるが、ミニコンポや、ラジカセの類はない。基本的に全てYoutube musicで聴いており、ないものは iTune storeで探す。
これでも元オーディオオタクだったりする。

CDプレーヤーなんてものは、CDを再生する用途にしか使えない。
今から考えると、音楽を聴くためだけのものが大抵のご家庭には一台以上あったというのは、文化レベルが高いと言えるのではないだろうか。
もちろん英会話教材や落語を聞くためだったり、ラジカセだったらラジオメインの使い方をする人もいただろうが、括りを「音」に拡げたとしても、そんなものをほぼ全員持っていて、思春期になると携帯プレーヤーを持ち歩いていた。なんて10代が聞いたらどう思うのだろうか。非常に興味がある。

iPodの登場と前後し、MDというイマイチ流行りきらなかった次世代カセットテープのようなものと一緒に徐々に、音楽はPCで聴くものに変わっていった。
音質の良さは圧縮率やファイルサイズで定量化して評価され、聴感に一番影響があるプレーヤーやスピーカーは軽視されていたように感じる。

楽器を個人練習し、合わせ練習し、やっと形になる、ある意味めんどくさいロックから、microphone1本あればできるヒップホップに主流が変わったのと並行して、聴き方も非常に便利になった。ネットを駆使し、誰でも簡単に発表できるようにもなった。
しかしありがたみは確実に減った。ヒップホップの価値が低いという意味ではない。音楽への参入障壁が下がり、価値が下がったのだ。
手軽に手に入るものほど簡単に手放せるとはよく言ったもので、1ヶ月聴き放題が当たり前になった今、1曲に対する価値なんか、もはやないのかもしれない。

それに抗いたい。というアーティストも少なくないだろうな。
ホルモンの亮君やヒロトとマーシーとか。
絶対その方がありがたみあるもん。
ある意味時代に逆向しているとすら感じる。
正直、めんどくさいという気持ちがないわけではない。
一々マックにドライブつけて、取り込んで、それをスマホに・・・

でも、実時間かけてMDにダビングしていた頃を思い出し…CDが飛ばないようにそろりそろり、気をつけてるのに、弟の歩くドカドカで音が飛び、大喧嘩、みたいなことを思い出し、1曲1曲大切に聴いていこうと思う。



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