見出し画像

利休百首その11 濃茶には点前をすてて一筋に

「利休百首」は茶の湯の作法や礼儀を100の和歌の形式でまとめられており、茶の湯の実践者だけでなく、初心者にも参考になるものです。

この利休百首を今、ひとつひとつ読み返していて、このnoteには感想や、この歌にまつわるエピソードを残しています。よかったらお付き合いください。


濃茶を学びはじめ覚えることでいっぱいいっぱい、そんなひたむきな社中さんに届けたい、一首です。

濃茶には点前をすてて一筋に
服の加減と息をもらすな

利休百首

濃茶は見事な点前よりも服加減が大切だ。丹田に力を込めて、息を整えて練ること。

薄茶の点前を一通り学ぶと、今度は濃茶のお点前に入ります。
薄茶だけで精いっぱいなのに、濃茶は複雑な動作がさらに増えると、頭が混乱しそう。

この歌はそんな状態の茶道初心者に向けた歌なのだと思います。

先生はお茶についてひと通りを学び、茶の湯の全体像が多少なりとも見えていると思うけれど、
初心者ともなると目の前のことで精いっぱい。

そうなるとお茶の湯加減や練り加減なんてそっちのけで、お点前をしっかりこなすことに意識が向きがちです。

でも大事なのは何より、お客様が口にするお茶のほう。

点前なんてどうでもよいから、良いお茶を練ろう。
そのためにはまず、しっかり呼吸をするんだ。

なんだかやさしい歌です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?