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利休百首その2 ならひつつ見てこそ習へ

こちらはいろんな解釈のできそうな歌です。

ならひつつ見てこそ習へ習はずに
よしあしいふは愚なりけり

利休百首

真似をしながら、とりあえずやってみること。やってみもせず、見ただけや頭の中だけであれこれ決めつけるのは「食わず嫌い」であり、良いことではない。

大茶道家の井口海仙先生は、批判する人の視点にたった解釈をしています。
また、私のお茶の先生は、ある入門者がお稽古中にメモを取ろうとした時、上の句の「見てこそならえ」を引用し、メモをすることを禁止されました。

他にも全体で、また一部を切り取っていろんな捉え方ができると思いますが、私はお茶を習う時の姿勢を表しているのではないかと思います。
お稽古でお客さんの立場の時は、他の方のお点前をしっかりみる。お点前の番が回ってきたら、しっかりやる。どんな時だって頭を使えば学びの時。単にこれがよい、よくないと決めつけるのは考えが足りない。

また、この歌も茶の湯に限らず、現代を生きる私たちに良いヒントを与えてくれているのではないでしょうか。
情報社会の今、情報をとりにいくのはいとも簡単です。しかし実際、行動に出ていますか。やる前から判断していませんか。そんなことを私たちに問うてくれているような気がします。


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