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利休百首その8 何にても道具扱ふ度ごとに


何にても道具扱ふ度ごとに
取る手は軽く置く手重かれ

利休百首

道具を運び出すときは、たとえ重くても軽く持ち上げるようにすること。また、道具を置いて手を離すときは、ゆっくりと離すこと。


茶の湯というのはシンプルで、お茶を出す人、つまり亭主と、そのお茶を飲む人、つまり客から成り立ちます。
亭主は客の目の前でお茶を入れるのですが、お茶が美味しいと思ってもらうためには、そのお茶を入れるふるまいだって気持ちの良いほうがよかろう、ということでこのような歌は生まれたのだと思います。

茶道の決まり事はガッチガチで、特に今の私のように知識が頭の中で整理できていない状態の身には時に不合理とさえ感じることがあります。

しかしこうしてこの教えの背景を考えると、なるほどもとは相手のことを考えた結果なのだという結論に気付き、膝打ちすることがあります。
(もしくは、途方に暮れます)

そうだ、お茶をたてることは、演じることだ。
この瞬間を演じるアーティストなんだ。

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