ロードバイク乗りに筋トレは必要?
ロードバイク乗りにとって筋トレは必要なのか?
・サイクリングは有酸素運動
・バルクアップした体型が有利なわけではなく、体重は軽いほうが有利
といったことから、筋トレに否定的な人も多い。
CTSでコーチを務める Dylan Johnson さんが筋トレの効果について語っていたので、簡単にまとめてみた。
筋トレは競技力向上に有効
先に結論から
・筋トレは競技力の向上につながる
・オフシーズから始め、シーズンが進につれ減らす
・回数は2-3回/週。日をあける
・怪我のリスクをへらすため、低負荷、高REPからはじめ、高負荷、低REPへ移行する
・コア・自重トレを最後にやる
以下では、これらを裏付ける研究・理論を順に紹介。
研究1:上級者にとっても効果的
本格的なサイクリストを対象に実験
・work efficiency
・power
・最大酸素摂取量の70%負荷の耐久時間
いずれも向上。
重要なこととして、体重は増えていない
研究2:有酸素能力そのものは向上しない
・VO2 向上せず
・time to exhaustion は伸びる
筋トレの効果は、筋肉量の向上というより、筋肉をよりうまく扱えるようになること
デメリットはない
研究3:ロードレースを模した実験プロトコルでも効果あり
ロードレースを真似て、185分のサイクリング後のラスト5分(=ゴールスプリント)のパワーアウトプットを比較
・大いに効果あり
研究4:女性でも効果あり
女性のタイムトライアルでも同じ
研究5:マスター世代では効果がより顕著
マスター世代では筋トレの効果はより顕著
研究6 : スプリントトレーニングと筋トレの比較
これまで紹介した研究は、通常のトレーニングにプラスして筋トレを追加
トレーニングの一部を筋トレに置き換えているわけではない
4週間の筋トレのあと、スプリント・トレーニング(short sprint training;SST)を追加するグループとを筋トレ(heavy strength training;HST)を追加するグループに分けて実験
・スプリント系はスプリント能力が高まり、筋トレ系はより重いものを扱えるようになった
・5分のバイクのオールアウトテストでは、この2群に違いはなかった
・ただし、LT能力はスプリント系の方が高まった。特異性の原理
筋トレはどのフェーズで導入すべきか?
特異性の原理が大事
筋トレはオフシーズンからはじめ、レースシーズンが近づくにつれて、フェードアウトさせる
どんなメニューをこなす?
サイクリングは持久系スポーツなので、軽い負荷で高REPが良さそうに思える。
だけど、研究結果は逆
自重トレーニングでは十分は負荷を与えられない
筋トレの効果に否定的な論文はレア
様々な研究結果に目を通しても、否定的な研究結果には出くわしていない
必ずしも筋トレをしなくても良い
筋トレに効果があることはわかった。だけども、多くの研究は普段のトレーニングにプラスして、筋トレもこなしている。
一方で、多くのアマチュアサイクリストは時間が潤沢にあるわけではない。
GCN のナビゲーターも務め、サイクリングのコーチでもある Oliver Bridgewood 氏は、あらゆるトレーニングには high responder と low responder がいて、自身には筋トレには向いていなかったことや、サイクリングはあくまで趣味であり、楽しめるけど、筋トレはあまり楽しめなかったことなどから、筋トレをやめています。
Some people respond to certain types of training, others don’t.” Perhaps I am simply a non-responder. Either way, my gym days are over; I’m sticking to my bike.
最後に
アマチュアサイクリストは、結局の所、自分でどうやるべきか決められます。
自分の生活スタイル、サイクリングをやる目的、自分の適性など多角的な視点から、筋トレをやるべきか、最終的に判断すれば良いと思います。
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