ロードバイク乗り向けベーストレーニング。あるいは、いつも低負荷だとダメだよという話

オフシーズンの鉄板メニューは低負荷・長時間ライド

オフシーズンということでベーストレーニングシーズン真っ盛り。
オフシーズン中の伝統的な持久系トレーニングの定番は、低負荷で距離を踏み、有酸素能力を高めること。
この古典的なトレーニングは本当に有効なのか気になったので、調べてみた。

様々な負荷を与えることが大事

ウェブの情報を色々あさると、切り口や一番大切なポイントという点では細かな違いがあるけれども、全体的な総意としては、以下の様な感じ

・時間がたっぷりあるフルタイムアスリートなら、ボリュームありきの低負荷トレーニングも選択肢の一つとして有力
・時間が限られたアマチュアには不向き。
・毎回快適な低負荷で運動しても、競技能力は向上しない。逆に低下する。
・複数種類のワークアウトで狙った負荷をかけるのが大事
・例として、週2の高強度(HIIT)、週4の回復走
・レース特化型のトレーニングはレース前に実施(ベース期は不要)

コーチの声

Joe Friel
Thoughts on Training During the Pandemic - Joe Friel

みんな大好き、Joe Friel は、レース開催の見通しが立たない現在はベースフィットネスの向上に取り組むべきであり、
・週2の高強度
・週5の低強度
・筋トレ
をすすめている。

Training Peaks

The Myth of Winter Base Training For Cyclists | TrainingPeaks
プロや長距離レース参加者向けのトレーニングとして、低負荷でボリュームを積むことが一部有用であることは認めつつも、強めのトーンで低負荷ばかりで運動する古典的なトレーニングをぶった切っている。

Training PeaksはCTS(Carmichael Trainng System)ともつながりがあるので、論調は Time Crunched Cyclist にあるような高負荷トレーニングに主眼をおいたトレーニングを勧めている。

・HIITのような高強度トレーニングはあらゆる負荷レベルのパフォーマンス向上につながる
・TSSを活用すると疲労を定量評価しやすい

といった点は大事

CTCコーチのDylan Johnson

How to Do Base Training the RIGHT Way - YouTube

一見、低負荷トレーニングを礼賛しているようでいて、着地点は同じ。

・同じ刺激を与え続けることの危険性
・オーバーリーチングの重要性
・レースに向けた負荷の調整

などは参考になる。

Global Cycling Network

Base Training - Fact Or Fiction? - YouTube という動画の中では、Base Training(いつも同じ低負荷でたくさん乗ること)のメリットは科学的な裏付けはない(fiction)とし

・様々な刺激を与えること(variability)が大事
・高負荷ワークアウトをこなすにはメンタル(集中力)も求められて大変だけど頑張れ
・競技としてではなく、ソーシャライズ目的でバイクに乗っているのなら、みんなでワイワイまったり乗るのはご自由に

と説いている。

まとめ

Matt Fitzgeraldの著書「80/20 Running: Run Stronger and Race Faster By Training Slower」では、トレーニングの20%のみ高負荷のトレーニングをし、80%は疲労の残らないトレーニングを勧めている。特に、ジョギングを嫌がり、中・高強度のトレーニングを詰め込みたがるアスリートに警鐘を鳴らしている。
ランニングとサイクリングの違いこそあれ、主張していることは同じ。

低強度ばかりはダメだけど、高強度ばかりもダメ。刺激を入れるべきところではしっかり入れつつ、休むべき時はしっかり休むというバランスが大事。

主張していることは、様々な人がベーストレーニングについて語っていることと同じ。

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