QuintupleOneDay

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JFA U-18 女子サッカーファイナルズ 藤枝順心高等学校対日テレ・東京ヴェルディメニーナ

2024年9月16日 藤枝順心高等学校 0-2 日テレ・東京ヴェルディメニーナ 一昨年より日本サッカー協会が「全国高等学校体育連盟の所属チームと、日本クラブユースサッカー連盟の所属チームが対戦する、U-18年代女子チームの真の日本一を決定する大会として実施する(大会実施要項より)」という目的で始まったU-18女子サッカーファイナルズは2年連続で高校王者 藤枝順心とクラブ王者メニーナの対戦となった。 メニーナはこの年代の主力である松永未夢が今季ベレーザに昇格しまた同時期に飛

    • United England サウスゲート監督がイングランドに遺したもの 後編

      (前編はこちら) アシュワースが作るEngland DNA選手として芽が出なかったダン・アシュワースは体育教師をしながら育成に関わる仕事に就いていた。 ピーターボロユナイテッド、ケンブリッジ・ユナイテッドでアカデミーの責任者をしていたアシュワースに転機が訪れたのは2007年。 2004年からユースチームのアシスタントとして所属していたウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンに実力を評価され、チーム全体のテクニカルディレクターに就任したのであった。ウェストブロムは2007−8シ

      • United England サウスゲート監督がイングランドに遺したもの 前編

        中盤の人数を増やすために最終ラインは3枚。右CBには攻撃に定評のある若手ライトバックを起用し積極的に前に上がることで、後ろから攻撃を組み立てる。 この記述を読んで、何時の時代の、何処の国の指導者を思い浮かべるだろうか? 2010年代か2020年代の話か?指導者はスペイン人?イタリア人?様々な候補が思い浮かぶであろう。 実際は現在から約30年前の1996年のEUROでのテリー・ヴェナブルズ監督率いるイングランド代表の話である。 当時のイングランドは、国内リーグでは一般的

        • '23-'24 日テレ・東京ヴェルディベレーザ シーズンレビュー

          一時は4位以下でのフィニッシュも危ぶまれた中、終わってみれば13勝2敗7分でWEリーグの”定位置”となりつつある3位で今季を終えたベレーザ。 決して平坦ではなかった今シーズン、またしてもリーグ優勝を逃したベレーザはどこへ向かうのだろうか。'23-'24シーズンのベレーザを振り返る。 前期と後期 変わったもの、変わらないものWEリーグの行く末を占うリーグカップでは、一時はグループリーグ首位に立ちながらも最後の2試合でまさかの大敗を喫し敗退。 WEリーグ開幕戦はホームで勝利

        JFA U-18 女子サッカーファイナルズ 藤枝順心高等学校対日テレ・東京ヴェルディメニーナ

          関HCで松田ベレーザは何が変わった?

          3勝1敗3分の4位。 今季より指揮を取る松田岳夫監督の下、新たなスタートを切ったベレーザはリーグ前期7試合を終え4位に低迷していた。 負け試合こそ1試合のみであるものの、引き分けの3試合は勝ち点6を逃したことを意味し、一敗分の勝ち点を合わせた計9点の損失は3敗に等しく、”3強”で優勝を争うWEリーグにおいてはタイトルレースから引き離される厳しい結果を意味していた。 低迷するベレーザは、前期日程終了後の中断期に下部リーグにあたるなでしこリーグから得点王 神谷千菜、MVP鈴木

          関HCで松田ベレーザは何が変わった?

          Positionismはサッカーから自由を殺すのか? 〜Relationismからの批判とその考察〜

          約1年ほど前から英語圏のサッカー戦術議論で話題になっているPositionism / Positional PlayとRelationism / Functional Playの対立が、新たな盛り上がりを見せている。 後に著者の中からドルトムントやリーズ・ユナイテッドでコーチを務め活躍するレネ・マリッチ等を輩出したことにより、戦術ブログの中ではおそらく最も世界的に有名なSpielverlagerung.deにPositionismとRelationismに関する新たな記事が

          Positionismはサッカーから自由を殺すのか? 〜Relationismからの批判とその考察〜

          良いゴール?悪いゴール? ’23-'24 WEリーグ第1節 ベレーザ対パルセイロレディース

          良いゴールとはどんなゴールなのだろうか? FIFAが制定するその年に得点されたゴールの中で最も優れたゴールに送られるプスカシュ賞の2023年の候補を見ると、そこには様々なゴールが候補に挙げられている。 個人の素晴らしいスキルにより生まれたゴールからチーム全体の美しい連携により生まれたゴールまで受賞候補は幅広く、「良いゴール」を判断する基準には様々な要因が含まれることを示唆している。 ダブルピヴォットが生んだ芸術的ゴール2023年11月12日、3年目となる日本女子サッカー

          良いゴール?悪いゴール? ’23-'24 WEリーグ第1節 ベレーザ対パルセイロレディース

          日本女子サッカー界のシャビ・アロンソ?柳井監督率いる大宮アルディージャVENTUSの新たな船出

          2021年のWEリーグ発足を契機に、大宮アルディージャがFC十文字VENTUSを継承する形で誕生した大宮アルディージャVENTUS。 2023年6月30日、クラブは現役時代INAC神戸レオネッサ等で活躍した柳井里奈監督の就任を発表した。 リーグ成績はこれまで9位(2021−22)、6位(2022−23)と”中位クラブ”といって差し支えない成績を収めてきたチームが、今、新監督の下で大きな変革の時を迎えている。 VENTUSの主力選手現在の大宮アルディージャVENTUSのメ

          日本女子サッカー界のシャビ・アロンソ?柳井監督率いる大宮アルディージャVENTUSの新たな船出

          【永田HC勇退に寄せて】 10試合で振り返る永田ベレーザ栄光と苦難の軌跡

          2023年7月18日、新シーズンへ向け新たな活動をスタートしたベレーザの指導陣から見慣れた名前がなくなっていた。 6年間5シーズンに渡りチームを指揮した永田雅人氏の退任およびアカデミーコーチへの就任が発表されたのであった。 本noteはベレーザが永田氏とともに歩んだ栄光と苦難の5シーズンを10試合で振り返る。 ①2018 プレナスなでしこリーグ1部 第1節 vs セレッソ大阪堺レディース(H) ◯3−12018年、森栄次監督(当時)の下リーグ3連覇を達成したベレーザは彼

          【永田HC勇退に寄せて】 10試合で振り返る永田ベレーザ栄光と苦難の軌跡

          デゼルビメソッド 〜三笘薫所属ブライトン監督に学ぶビルドアップの極意〜

          (本noteは2020年にAIAC イタリアサッカー指導者協会の主催で行われたウェビナーの内容を基にまとめたもので筆者の解釈を含みます) なぜビルドアップをするのか?”ビルドアップ”を理解し、実践するためには、指導する側が「なぜビルドアップをするのか?」について明確な答えを持っていなければならない。 デゼルビは自身のチームがビルドアップをする理由について以下の3つを挙げている (主導権を握って)主体的に”アドバンテージ”を作る ”運”の要素を減らす 指導者の”キャラ

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          デゼルビメソッド 〜三笘薫所属ブライトン監督に学ぶビルドアップの極意〜

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          '22-'23 日テレ・東京ヴェルディベレーザ シーズンレビュー 後編

          (前編はこちら) 替えが効かない選手の代わりを担った天才2018年、永田雅人監督(当時)就任に伴い、ベレーザはこれまでの即興的な動きを中心に攻撃を組み立てる戦いから、各選手がボールに直接関わらないところでもポジショニングを正しく取ることで優位性を作る戦いに変更した。 そのような戦い方を実現する中で特に重要になるのは、360°の視界を常に確認し絶えずボールに関わらない所で位置取りを修正する必要があるアンカーのポジションである。 当時その役割を託されたのは3年連続リーグMV

          '22-'23 日テレ・東京ヴェルディベレーザ シーズンレビュー 後編

          '22-'23 日テレ・東京ヴェルディベレーザ シーズンレビュー 前編

          清水梨紗の移籍と育成の伝統昨季WEリーグ初年度を3位で終え、巻き返しを図るベレーザの2022−23シーズンはアメリカ遠征と共に始まった。 一部のトップクラブを除いて、コンタクトに強く縦に速いスタイルが主流の女子サッカーにおいて、ベレーザがここまで積み上げてきたポゼッション志向のスキルフルなサッカーがどこまで通用するか楽しみなThe Women’s Cup参戦であったが、ACミランとの一戦ではその縦に速いカウンター攻撃から3失点し敗戦。続く5−6位決定戦ではトッテナム・ホット

          '22-'23 日テレ・東京ヴェルディベレーザ シーズンレビュー 前編

          ’22-’23WEリーグ第22節 アルビレックスレディース対ベレーザ

          2023年6月10日 アルビレックス新潟レディース 2-3 日テレ・東京ヴェルディベレーザ ローブロックを圧倒する2−3−5前節既に監督の退任が決まっているAC長野パルセイロレディース相手に引き分け、ホーム最終戦を勝利で飾ることが出来なかったベレーザは、同じく既に監督の退任が決まっているアルビレックス新潟レディースとアウェーでの今季最終戦に臨んだ。 今節の前に引退を発表した羽座を最終ラインに起用した新潟は5−4−1のローブロックを敷き、ベレーザの攻撃に対応する。 一方の

          ’22-’23WEリーグ第22節 アルビレックスレディース対ベレーザ

          ’22-’23WEリーグ第21節 ベレーザ対パルセイロレディース

          2023年6月3日 日テレ・東京ヴェルディベレーザ 3-3 AC長野パルセイロ・レディース ホーム最終戦に表出した今季の課題前節2位の座を争うINAC神戸との一戦を引き分けたベレーザは、最後の望みを賭け前節首位浦和を破ったAC長野パルセイロレディースとの今シーズンホーム最終戦を迎えた。 首位浦和を破り勢いに乗る長野は立ち上がりから積極的な前線からの守備を見せる。 最終ラインに今季これまでチームを牽引した主将 村松を欠くベレーザは左CBに宇津木を起用。積極的にポゼッション

          ’22-’23WEリーグ第21節 ベレーザ対パルセイロレディース

          ’22-’23WEリーグ第20節 INAC神戸対ベレーザ

          2023年5月28日 INAC神戸レオネッサ 2-2 日テレ・東京ヴェルディベレーザ ベレーザの4-2-3-1と山下のキック力首位浦和との直接対決を引き分けて以降、3バックの布陣に変え2連勝を飾ったベレーザは、2位と3位の"Six-Pointer"となるINAC神戸レオネッサとの一戦を迎えた。 前々節怪我で途中交代した村松が先発復帰したベレーザは非ポゼッション時レフトバックに北村が入り4バックを形成 前線には1トップの植木の後ろに左から松永、小林、藤野が並び、ダブルピヴ

          ’22-’23WEリーグ第20節 INAC神戸対ベレーザ

          ’22-’23WEリーグ第19節 ベレーザ対ノジマステラ

          2023年5月20日 日テレ・東京ヴェルディベレーザ 3-0 ノジマステラ神奈川相模原 9番、10番、9.5番前節ちふれASエルフェン埼玉に9−0の大勝を記録したベレーザは、ホーム連戦となる第19節ノジマステラ神奈川相模原との一戦を迎えた。 前節に続き、ポゼッション時は3バックの前に6番の選手が2枚並ぶベレーザであったが、 前線の5枚は、これまでの植木が9番の位置に、小林と藤野がFree Eightの役割を担う形とは異なり、今節では植木と藤野の2トップの後ろで小林が10

          ’22-’23WEリーグ第19節 ベレーザ対ノジマステラ