音楽に救われる
先日、職場の人が書類を取りに来てくれて、それを渡したついでにしばらく立ち話をした。「体調どうですか」と聞かれると「なんと言えばいいのだろう」といつも思う。「少しずつ良くなっていると思います」とか当たり障りないことを言った気がする。実際、そんな気もしているし、何も変わっていないような気もする。
家にいるぶんには、出来ることが増えてきたというのは事実だ。最初は昼ごろまで布団から出れず、ようやく出ても台所で座り、髪をぶちぶち引っこ抜いていると夕方になっていたというのが平日は繰り返された。「せっかく休みなのだし有意義に」などと考えると「何かしようとしても出来ない」ということが積み重なって逆効果になった。僕は本が好きだし本屋も好きだけど、今までで一番強いめまいと動悸は本屋で起こった。「はよ帰れ」と言われている気がした。ぜえぜえ言いながらちゃっかり3冊くらい選び、すぐ帰った。
それでも気分や体調にはちゃんと波があり、調子がよければ服薬しながらでも制作が出来たり、運動が出来たり、家事が出来たりする。ただ、調子に乗りすぎた後に落ちるのが一番きつい。これが本当に一番辛い。よくヒップホップ聞いてると「調子に乗るな」と言われるが、マジで調子に乗ってはいけない。彼らは怖い顔で正しいことを言っている。優しい奴らなのだ。
最初の話に戻ると、立ち話が終わって職場の人と別れた後、しばらく横になることになった。ある程度、自分を「躁状態」に持っていかないと、人と話すことが怖い。その後、自分が落ちると分かっていても、である。自分の臆病さがこんなに邪魔になると思わなかった。一般的にみんなある程度人当たりよくするためにやっているし、自分もやっていたことが出来なくなっている。別に悲しいとか辛いとか今更思わない。ただ、それが事実として目の前にあるだけだ。悲しくて辛くて自暴自棄になったり八つ当たりする人は多いらしい。自分もそうなれたなら、まだマシだったかもしれない。解離しているからこうなったのだと思う。
上記のようなことがあると、調子が悪くなったりする訳だけど、この時間が割と退屈である。過ごし方を検索してみると「音楽を聴く」というのがあった。音楽を聴くのはやっぱりいいらしい。試しにヒーリングミュージックを流してみた。これがびっくりするほど落ち着かない。youtubeでそういった音楽を検索すると「BGMとして流すだけで運気が上がる」とかいろんなことが書いてある動画がある。何を言っているのだろう、と思う。いっそのことsystem of a down聴いてる方がマシである。ちなみにシステムは好きである。本当に聞いてみたら、かっこいいけど全く気が休まらない。
結果、FLOATING POINTS, PHAROAH SANDERS & THE LONDON SYMPHONY ORCHESTRA『Promises』という今年の3月に出たアルバムに落ち着いた。名盤だと思う。再生している間は、このアルバムの中に居れる感覚があって本当にちょうど良い。一音一音が気持ちいいし、ずっと聴いていられる。アンビエントの感覚で聴いている。僕は音楽理論とか分からないし、正しくこのアルバムを云々出来ないが、僕はこのアルバムに随分救われている。自分も誰かにとってそういう音楽を作れたら幸せだと思う。
自分のサイトのブログでラジオを何度かやってみた。リハビリのつもりで話している。映画の話は好きだし、話したい気持ちはあるけれど、まだ難しいかなと思うことも多い。昨日試しに録ってみたけど、何かうまくいかなくて結局書くところに戻ってきた。