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中華料理店「民生」で思い出した居場所としての味。

恐らく関西人で知らない人はいないと思われる中華の広東料理の神戸南京町老舗「民生」。
「民生」と言うだけで名物料理を挙げられる人も多いことだろう。
ボクが好きなのは「レタスの肉包み」だ。シンプルだが旨い。いくらでも食えそう。もちろん、シンプルと言っても民生なりの工夫はしているんだろうが。

久しく行ってないのは「民生」が大人気店で食べたい時間に早々入れないからだ。
それがお昼の時間を過ぎた時間に近くをたまたま歩いていたらそんなに混んでなさそうだったので入ってみた。
久しぶりなのでド定番を注文。
やはり、旨い。

そ~言えば、昔は何処の店もレタスの肉包みは真似をしてメニューに入れていたような気がする。
そして、家庭料理でも各家庭なりの「なんちゃって肉包み」をしていたような気もする。

我が家も昔は例年夏前になると新鮮なレタスが産地から届くようになっており、その都度レタスの消化方法の一環としてこの料理が定期的に作られていた覚えがある。

そのことをフト「民生」のレタスの肉包みを食べながら思い出したのである。

馴染みの店や
馴染みの味、
親しみ、回顧、誰かと共有する思い出としての味や場所や時間。
そんなものが最近ボクには少なくなりつつある。

また庶民的な店が近年多く潰れていく傾向がある中、家族で共有する思い出の味が過去のモノとなりつつあり、次の世代へと継承できないのが寂しい。

有名店や高級店、チェーン店ばかりが生き残り、近所の「そこそこの店」の淘汰が激しい。もうボクが昭和脳から逃れられないのかこの事態を由々しきことと思えて仕方がないのだ。

後数十年後には「思い出の味ベスト10」なんてランキングはなりたつのだろうか。


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