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街に小さな本屋が無くなる時、それは小さな文化の灯が無くなる時。

街からどんどん小さな本屋さんが無くなっていく。
子どもの頃はボクが住む市内に3,4軒はあった個人経営の本屋さんが今では形を変え2軒ほど。その2軒も通常利用できないような形態になってしまっている。つまり本屋として実質的に利用できるのは市内には0軒だろうか。

何か小説なり探し物をしようとしたり、本屋で書棚を眺めたりするような、そんな本屋での過ごし方をしようと思えば隣町か、いっそのこと電車に乗って大きな街にまで行った方がいいくらいだ。

いつの頃からこうなったのだろうか。
徐々に気が付けばこうなってしまった、というところではないだろうか。
読者の本離れも原因があるだろうし、ネット世界の興隆も原因があるだろう。もちろん大型スーパーの進出による大型書店の出店の影響も大きい。
単純ではない複数の要因が相まっての結果に至っての現状だろう。

むしろ今では、個人経営を続けている店が個性派書店として注目を浴びたり、個性派書店として営業を開始したりするケースもあったりして、それはそれで新しい潮流としてオモシロイ。

でも、個性派書店もここ十数年で人気店が撤退があったりして、経営の難しさを感じさせる。

個性派書店のオリジナリティを本来の選書だけで行っていただきたいのだが、そこは中々難しいのか、飲食がプラスされたり、服やグッズ販売されたりとか、工夫を凝らしている様子がうかがえる。
ボクの好きな京都のサヴァブックスさんは元々が映画館設立と同時に作られた本屋さんなので映画との結びつきが強く、小さいながらも企画力もあるし、選書の眼力がとても素晴らしい。在庫数は本屋としてはとても少ない方だと思うが、それでも自分が知らない本だらけで、魅力的な本ばかり。選書デリバリーサービスも頼んだことがあるが、とても満足がいくものだった。

そこにはきっと信念を持った運営者がいるわけで、思いつきのアイデアが浮んだだけでやっているような素人とはわけが違うのである。
世の中にはこのような企画力や才能を持て余している人がいるはずなのに経済的にバックアップする仕組みがない(告知されていない、知られていない)故に広まらず、加え行政もアイデアもなく、放置状態で何もしようとしない。

もし、街を活性化したいと思うなら、
若者の雇用を広げたいなら、
人の交流を街に広げたいなら、
空き家問題をなんとかしたいなら、
シャッター商店街問題を改善したいなら、

ボクなりの提言
・シャッター商店街、空き家を行政の補助金でキレイに店舗利用化できるようにしよう。
・エリア全体を行政で管理できるような仕組み作りを考え、貸し借りを行う。もう、個人個人の問題にしない。街づくりとして考える。
・個人経営の本屋さん、古本屋さん、CDショップ、服屋さん、古着屋さんなど趣味やライフスタイルに応じた個人個人のセレクトショップでの街作り。
・必ずアウトサイドでの催しができる場所の確保をする。
・過去十数年無計画に街の中で行われていた街作りを今回は行政がある程度率先して計画的に街作りを行うのだが、今後は定期的に市民の意見を取り入れる機会を作っていきながら常に修正を加え、時に時代の変化に応じ行う。

と、まあ、理想論をいいながらも現実の悲しい状況をみながらも思うわけ。
上記引用の記事にもあるように現在の「元」店主は現状が自身が困窮していないのと、政治が問題を先送りしているのと、誰も包括的に解決策に取り組もうとしていないのが何よりも大きな問題なのかもしれない。

個性派書店が生き残っているほとんどは、人が多く住む場所。
誰もが住む町に個性派書店が、或いはCDショップ(昔どの町にもあったように)があるようになってほしい。

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