無声映画のエンターテイメントを今こそ、アナタも! 浪曲もオモロ!
もしアナタが好奇心旺盛自慢で新しいモノ好きで、最近の生活や日常に刺激を感じていないなら、ここに一発、激を入れられる可能性があるエンターテイメントを紹介しよう。
宇宙を見るより、地球の洞窟やまだ知られていない地球の未知の世界や、知られていない過去の世界を辿ることが意外と刺激的であるように、エンターテイメントの世界も庶民に身近であったはずの世界を取り戻してみることで新鮮に感じることもあるのだ。
それが、活弁(活動弁士)。浪曲だ。
古臭い。
何じゃそれ。(若い人の反応)
だが、急げ。このエンターテイメントは絶滅危惧種かもしれん。今を逃すと今後は見られなくなるかもしれないゾ。
そもそも三味線なんか、新規で習う人なんか若い人でいるの…。
その前に「活弁」とは
十三の第七芸術劇場で伝説的名画(だそう)無声映画「忠次旅日記」を弁士「坂本頼光」さんが三味線を伴奏として公演するとのチラシを見て興味が湧き、観に行くことにした。企画には「風雲赤城山」の浪曲もあり、浪曲士の真山隼人さんがゲストとして来られるとあった。曲師は、先の伴奏も兼ねて沢村さくらさん。
正直言って、作品名、弁士の方の名前、浪曲士、曲師の方と何も知らない状態での参加であった。無声映画は、2度ほど経験があり、ハマりつつある。
浪曲も1度観に行ったことがあり、そのお客さんを引き付けるエンターテイメント性、昔から引き継がれ磨かれてきたであろう文化性、迫力に魅了されたが、その後参加する機会がなく、今回に至っていたわけだ。
「活弁」と「浪曲」は異なるものだろうが、共通するものも多い。
良し悪しは議論しない。
「風雲赤城山」の有名な下りや、国定忠治についてまさに「なんとなく」知っていたが、今回の「浪曲」と「活弁」と組み合わせた企画でかなりの理解が進んで、古の人々が魅了された物語の全貌とまではいわないが、流れを知ることが出来、今回の第七芸術劇場のイベントの参加の価値は高かったと思う。
なんせ国定忠治に纏わる一連の物語は、まず物語自体が一大スペクタル叙事詩であるということだ。
アクションものであり、お涙ものであり、サスペンスあり、旅ものであり、人情もの、人に関わるすべての要素が全部詰まった物語。
その臨場感ある映像に臨場感あふれる弁士の言葉と三味線の伴奏、普段の映画にない緊張感や躍動感、様々な感情を味わうことができる。
新しいエンターテイメント体験!
と言っていいでしょう。未経験の人がこれを経験すれば。
ボクは少なからず「活弁」については経験済みなので、エンターテイメント体験については再認識と言う感じで、むしろ「忠次旅日記」の作品性の方に感銘を受けた方だが。
でも、この調子だと過去作を探っていくともっともっと名作と出会えそう。海外作とも合わせると膨大な量になりそうな予感。
服や家具、最近は何でもリサイクル、アンティークと過去のものがもてはやされる様になってきたが、映画の世界にもその波が来つつあるのか?
最後になるが、三味線の曲師「沢村さくら」さんについて一言。
とてもチャーミングな方で、合いの手の声がまたいい。浪曲や無声映画はライブ(その場対応)の部分も多いかと思うが、ほんとに上手に合わせて臨場感ある三味線を聴かせてくれる。
このような才能ある方に給与はしっかりと払われているのだろうか?
国は補助金制度なりしっかりすべきだろうし、アピールすべきだろう。
合いの手のこともあって、三味線は女性が今後もいいと思うが、是非今後もさくらさんに憧れて次から次へと三味線の路に進む女性が増えてほしい。
また、提言だが、無声映画は伴奏にピアノやオルガンがあるように他の楽器の可能性も試してもいいのでは。
このような素晴らしい企画をする映画館。芸術劇場を我々は心から大切にしなければならない。
文化継承や、そんな高尚な言い方はともかく、オモシロいモノをもっと知ってもらいたい。広めたい。昔のもので忘れてもらいたくないものをもう一度思い出してもらおう。そんな機会を作る場所として第七芸術劇場は、映画に止まらず今後も機能していってほしい。
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