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きらめいた言葉たち:人間をエンパワーする、思考のツールとしてのデータビジュアライゼーション

データビジュアライゼーションのAward「QUICK Data Design Challenge 2023」についての対談記事が公開されました!
審査員長を務めたTakram代表取締役の田川欣哉さん、企画運営を行ったロフトワーク代表取締役の諏訪光洋さん、QUICK常務執行役員の山口芳久の3人が、データ活用の現状と未来について語っています!

この記事では、ボリュームのある対談記事の中から、印象に残った言葉を抜粋して紹介しつつ、QUICKデザインチームとしての業務中にメモをコメントしていきたいと思います。


当日はロフトワークさんのオフィスにうかがいました。

色々な発想が生まれそうな、おもちゃ箱のようなLWさんのオフィス。弊社にもこんなエリアが欲しい…

印象に残った言葉

昨日と同じ明日では駄目だ

QUICK常務執行役員の山口さん

今回のアワードを「QUICK Data Design Challenge 2023(以下、QDDC2023)」と名づけたのは、単にデータを提供するだけではない、デザインの力を組み合わせた新しい取り組みへの姿勢をアピールしていきたいという想いを込めたからです。アワードの活動を通してQUICKのメッセージを社会に発信すると同時に、応募していただくクリエイターの方たちとのつながりが、社員にとっての新たな気づきとなり、「昨日と同じ明日では駄目だ」ということを問いかけるきっかけにもなればと思っています。

「変化」というのは受け取り手によって意味が変わる不思議な言葉です。
堅実な風土のなかで聞けば、なぜか攻撃的な雰囲気をはらんで聞こえそうですし、常に変化のなかにいると、背中を押してくれる波のように思うこともあります。
現代は技術もトレンドの変化もめまぐるしくて、毎日なにかしら変化していくものですから、その流れを拒まなければ、自然と「昨日とは違う明日」になるはずです。
いい意味で流れに身を任せるように、その、身を任せられるような「流れ」を社内に作ることができるように頑張っていきたいと思っています!

可能性を開くデザイン

Takram代表取締役の田川さん

金融のプロフェッショナルたちにとっても、デザインが入ることで新たな可能性が開かれるのではないかと感じています。普段からデータに触れているプロフェッショナルの方々の中には、いつも定型の作業だけをしていることも多いですよね。先輩から代々口承で伝わってきている秘伝のレシピのような(笑)、独自のルーティンでデータを使っている方も少なくないはずです。今後ヒューマナイゼーションによって、データを扱うツールを人間の側に引き寄せることができれば、専門家にとっても、これまでとは異なる新しい視点やインサイトを導き出せるようになるんじゃないかなと思います。

ヒューマナイゼーションとは?
Takramでは「ヒューマナイゼーション(humanization)」という言葉を使っているのですが、テクノロジーはそのままの状態だと難解で使いにくいので、エンジニアやデザイナーといったプロフェッショナルが、より人間に近いインターフェースをデザインする必要があり、そうすることではじめてツールとして世の中に浸透することができます。

QUICKのプロダクトは、ありがたいことに、金融のプロの方にながくご愛顧いただいています。

始動したてのデザインチームとして、業務の中で感じているのは、「変化」って「不便」をもたらすと思われているのかも?という点です。
実際は、人間にフィットして設計されたものは、みんなにとって使いやすいはずなんですよね。
たとえばゲーミングチェア。最近はゲームをする人だけのためのものではなくなってきています。
何故なら長時間座り続けやすいからで、長時間座る職業の人はたくさんいるし、短時間座る人が座り心地のよさを追求したっていい。

プロダクトに限らず、体制や工程についてもそうです。
まさに記事中では「秘伝のレシピ」と表現されていますが、いま社内では様々な分野で秘伝のレシピがたくさん存在しています。
しかし、デザイン領域に限らず、クリエイティブ制作やプロトタイピングツールとしてFigma、notion、Canvaやprottなど、「便利」にするための工程を担う「オープンレシピ」なツールはどんどん増えてきています。

「変化」は短期的には不便をもたらすかもしれませんが、「慣れ」のあとに結構素敵な未来がやってきます。それを言語化できるように。そして実際、素敵な未来がやってくるようなデザインをしたいと日々考えています。

伝えるためのエモーショナル

ロフトワーク代表取締役の諏訪さん

ここ数年ロフトワークでは環境への取り組みについて企業から相談を受けることが増えてきているんですね。東証プライムにおける情報開示のルールが整備され、数字として出さなくてはいけないことが厳密になってきていることがその背景にありますが、環境への取り組みを企業が推進していたとしても、なかなか評価されていない現状があります。
その理由は、ただフォーマットに則ってデータを出しているだけでは伝わっていないからだと思うんです。これまではプロの投資家だけに数字を示していればよかったものの、より多くの人が企業の社会的な取り組みに関心を持つようになったことで、定量情報としての数字だけではなく、もっとエモーショナルな表現を求められるようになったのではないかと。それはQUICKさんがデザインに力を入れていくことにもつながっていますよね。

情報の「わかりやすい」は、いかにたくさんの人によりそう情報設計ができるかにかかっているかもしれません。
日常のワークの中に組み込まれた業務ツールは特に、「遊び心」とか「エモーショナル」という点は「余計だ」として切り捨てられる印象にあります。もちろん、業務ツールは、余計な情報を排除し、操作のストレスとノイズをゼロに近づけることがユーザーにとって親切な設計です。
しかし、「遊び心」とか「エモーショナル」の言葉と、実際のUI上のあしらいは、ステークホルダーが受ける印象と乖離しがちかも?と感じています。
ふだん、ささやかな雰囲気やあしらいを丁寧に言語化する文化にふれていないと、「遊び心」というと……虹色のポップな画面がキャラクターと一緒に踊っているような…シンプルさよりも派手さや装飾が勝ってしまうような…そんな極端な印象を受けてしまうのかもと感じました。

たとえばページ遷移時のインタラクションとか、サポートチャットへの誘導バナーに顔があるとか。
もちろんそれぞれに実装のねらいはありますが、
メモ帳の右下にパラパラ漫画があるレベルの「ストレスの緩和」や
設計者のエゴではなく、「ユーザーのための体験の設計」のよりそいなのだという点をうまく説明していきたいなと感じています。

今後のQDDCについて

データ×デザインの力でデータに新しい価値を見出す挑戦のためのAward、
QDDC(QUICK Data Design Challenge)2024年開催にむけて、12月にはイベントの開催も予定しています。

告知できるのを楽しみにしつつ、ぜひ一人でも多くの、クリエイター、データ表現に関心を持つ方にご参加いただけることを願っています!

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