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養護教諭なのにうつになって

小学校を3校経験したのち、希望して中学校に異動した年に起きたことです。

健康診断を計画通りに終わらせ、その結果をまとめて学校保健委員会という学校医らを含めた会合を持つため日程調整のことで管理職に相談にいくと、「隣の中学校はやってないらしいよ。うちだけやるのはバランスが取れないんじゃない。余計な仕事を増やさないでほしいんだけど。」と言われてしまいました。

当初、労いの言葉をかけられるものと思っていただけに、会合そのものをやらなくていいという発言に私はショックを受けてしまいました。

引き継ぎの際に、前任者から管理職がこの会合を持つことに乗り気ではないが年間計画に入れることはできたという話は聞いてはいたもののそこまでとは思いませんでした。

再度前任者に連絡し管理職の発言を伝えると、彼女も驚きがっかりしていました。管理職が今年で定年退職であること、おそらく医師らとの懇談が得意ではないことなどがそういう発言になったのではないかとのことでした。


どうしたらいいのか毎日考えこむようになりました。

私は採用当初から指導教諭の指示のもと会議資料作成や会議録作成に携わって会合の意義などを実感しているため開催するのは当然のことと受け止めてきました。
その後学校が変わっても管理職が変わっても、特に反対もされず淡々と開催してきた経緯がありました。

なので、会合の意義も含めて丁寧に説明すれば管理職の意識も変わるのではないかと思いました。
また、私の頭のどこかに初めての中学校勤務で成果を出さなければというプレッシャーがあったのかもしれません。

そこで、保健主事や教務主任に相談し、管理職の説得を含めて全面的に協力してもらいどうにか開催することができました。

その後、体に異変が起きました。


まず、胃の痛みがあって食事が摂れなくなりました。
勤務中にも胃の痛みでのたうち回ることもありました。
帰宅度は、グッタリしてすぐ横になることが多く、かといって眠りは浅く、
あの頃の睡眠は細切れ状態でした。
次第に、出勤するのが辛くなり、体のだるさ、頭痛に悩まされます。
ついには、誰もいない保健室で泣き出してしまうようになり、さすがに自分でも
これはヤバイ、でもどうしたらいいか分からないという状況でした。

振り返ると、管理職に投げかけられた言葉をずっと引きずっていて、なぜそんなことを言われたんだろう、私の何がいけなかったんだろうと自問自答の無限ループにはまっていたのだと思います。

学校に週一で来校するスクールカウンセラーに勇気を出して相談しました。
保健室に来てもらって話をするとき、声が震え、体が震えていました。
カウンセラーは、「辛かったね。話してくれてありがとう。」と声をかけてくれました。そして、早めに心療内科を受診した方がいいと言いました。
その時私は全力で拒否しました。
だって、「養護教諭が心の病気になるなんて自己管理不足と思われるし、みんなにそれを知られるのが恥ずかしい。周りからどう思われるか考えただけで恐ろしい。」と思ったのです。

それでも、カウンセラーは私の状況が切羽詰まっていること、抑うつ状態が2週間以上も続いていることから緊急性を感じ、知り合いの心療内科に連絡してすぐに診てもらうことになりました。

受診した日は思い詰めて泣くばかりでした。
医者は優しく「今はゆっくり休んだ方がいいね。あなたの代わりはいくらでもいるし、どうにかなるから心配しなくていいよ。」と言いました。

実際どうにかなりました。
すぐに補充教員が見つかりそれから約2ヶ月休職しました。


始めの3日ほどは泥のように眠りました。
食欲はなくおにぎりも一口かじるだけで吐き気がしました。
座ることができず常に横になっていました。
処方薬の効果か徐々に視界がはっきりするような感覚がありました。

幸いすぐに通院しながら復職できたのは、家族の支えや同僚らの理解があったからです。
仲のいい職員や生徒たちの温かい言葉や態度が身に沁みました。

私がこの経験から学んだことは2つあります。
管理職からの評価を期待しない、困ったら早めに助けを求めるです。
そして、この経験を無駄にせず、どんどん伝えていこうと思いました。


うつは誰でもなる心の病気。
ひどくなる前にできる対策がある。
信頼できる人にまずは相談しよう。


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