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創作童話 5

次の休みの日に、『奇跡の砂時計』いや『奇跡のすなどぅけい』を持って出掛けたカケルはワクワクしながら街を歩いていました。

「何に使おっかな〜。この『すなどぅけい』があればパン屋さんの菓子パンコーナーと惣菜パンコーナーを入れ替える事もできるし、魚屋のおっちゃんのセンター分けを七三分けにする事だってできちゃうんだもんな〜。」

あれこれと想像を膨らましながら歩いていると、道の向こうから声がしました。

「オーイ!カケルの旦那ぁー!」

そこには、真冬にも関わらずゆるゆるのタンクトップを着てソフトクリームを持ったガブリエル吉崎がいました。

「よーうガブちゃん!おれ良いもん貰ったんだ。一緒に遊ぼうよ!」

カケルが呼びかけるとガブリエルは周りも見ずに道を渡ろうと走り出しました。

その時です。道に飛び出したガブリエルに、向こうの方から走ってきたトラックが危うくぶつかりそうになります。

「ガブちゃん!危ない!」

カケルは咄嗟に持っていた『すなどぅけい』をひっくり返しました。トラックはガブリエルに衝突する寸前でぴたりと止まりました。ガブリエルも無邪気に笑いながら固まっています。

カケルは急いでガブリエルの体を押して道からどけようとします。しかし、ガブリエルの体は重くなかなか動きません。いくら運動自慢のカケルといえどやはり、小学生にしてハンマー投げの大会の一般の部で3連覇しているガブリエルの巨体は手に負えないようです。

「だめだ、このままだと1分経って2人とも轢かれてしまう。」

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