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夢破れて山河あり~タントラマンへの道(第117話)

蘭:じゃあ、ホントにれいこさんは戻ってこなかったのね?
それで? それからはどうしたの?

TM:その土地に移住してからは、トラブルが立て続けに発生していたんだよ。れいこに起きた異常な現象以外にもね。
まず、僕が脚を骨折してしまって農作業が困難になってしまったのを皮切りに、実家では両親がある事件に巻き込まれて経済的に大打撃を受けたり、れいこが出ていく間際にやらかしたことが知人との間の金銭トラブルに発展してしまったり、・・・といった具合にね。

蘭:なにか祟られてるみたいじゃない? れいこさんに起きた現象とは関係あるのかしら?

TM:この世で起きる出来事で無関係なものは無いからね。深いところでは何かしら繋がっているんだから。
なので、関係あったと考えた方が良いだろうね。
そして、ついに、その土地を離れるという決断を下さざるを得なくなってしまったんだ。
と言うのは、実家で父が要介護状態になってしまったんだけど、母による老々介護は限界に近づいていたからね。

なので、既に土地を購入し家も新築したばかりだったのを売却して、その土地から引き上げることにしたんだ。

蘭:その話は以前聞いたことあったかもしれないけど、裏にはそんな事情があったのね。
でも、せっかく新天地で理想に燃えて新しいことを始められることになって、新居も建てて、恋人とも同棲をはじめた矢先にそんなことになってしまうだなんて。運が悪いにも程があるわ。普段の行いがよっぽど悪かったのね。

TM:そんなに悪いことした覚えはないんだけどなぁ。

蘭:覚えて無いからと言っても、やってないとは限らないわよ。
むしろ、無意識のうちに悪いこと、特に、他人の恨みを買うようなことをしてたのかもしれないわね。

TM:そうだとしても、いつだれから恨みを買ったのか自覚がないんだから、これからは他人に恨まれるようなことはしないように十分気を付けるしかないよな。 

蘭:そうね。終わってしまったことにくよくよしててもろくなことはないわ。どっちみち全部幻なんだもの!

TM:そうだね。実際、ヴィパッサナーを学んでいなかったとしたら、もっと深刻に悩んで辛い思いをして心身ともに病んでしまったとしても不思議ではなかっただろね。
でも、学んでいたおかげで、事態を冷静にとらえることができていたのでそこまで大変だとは感じなかったんだと思う。視点を変えてみれば、観ようと思えばプラスの面だって観えてくるしね。

それでも、移住期間中には、僕の不動産売却赤字も含めて家族全体では金銭面だけでもウン千万円の損失を被ってしまったので経済的なダメージという点では大きかったよ。

蘭:その損切の甲斐あって、事態は好転したのなら良いのだけど、どうだったの?

TM:経済的には僕がトレーダーだったこともあって、まだ十分に挽回できるハズだと思える余裕はあったんだ。でも、介護に関しては、気持ちの持ち方次第だってことは分かってるつもりなんだけど、初めての介護はやっぱり重苦しい雰囲気だったな~。
前にも話したことあったけど、父は頭はハッキリしてるのに寝たきりで胃ろうになってて、しゃべることもできない生き地獄を味わわされててさぁ。
それがいつまで続くのかわからない、先が見えないっていうのが介護の辛いところなんだ。

蘭:そうよね。人生100年時代とか言うけれど、要介護状態のまま100歳まで生きられたとしてもだれも嬉しくないよね。介護保険制度の裏でうまい汁を吸ってる人たち以外は。

親と子の年齢差が25歳だとしたら、もし親が85歳で要介護になって100歳まで延命治療で生かされてしまったとすると、子は60歳から75歳まで親の介護に明け暮れることになるのよね。
それって、どうなの?
サラリーマンだったりしたら、定年後はずっと介護に追われて、親を見送った時には自分が後期高齢者になってしまってるのよ。
老後は悠々自適に生きるなんてことが出来たのは、自分が引退する頃には親はもういないのが普通だった時代のことよね。
それに、今は一人っ子も多いし、子供がいない人も多いじゃない?
だから今よりもっと大変なことになるのは確実よね。

TM:僕は子供がいないので、少子高齢化を招いた責任の一端を担っていることになるんだよな。
なので、自分自身に対しては、自分は子育てをしてこなかったくせに老後には若い世代のお世話になるなんてのは自己中過ぎると思ってるんだ。
他の面で社会貢献と言えるほどのことも成し遂げてこなかったのでなおさらだよね。

なので、老後に介護で誰かの世話になるくらいなら、安楽死を認めて欲しいと思ってるよ。
どっちみち今の社会保障システムを維持するはどう考えても無理なんだから、希望者には安楽死を認めるしかなくなるんじゃないのかな?

高齢者に限定したとしても、安楽死希望者はものすごくたくさんいると思うよ、なかなか口に出して言えて無いだけでさ。
その実態は見ないようにして、本心では安楽死を希望している人に対して医療や介護のサービスを提供するためのリソースを割くのは無駄過ぎるよ。
そのリソースを、例えば、食糧自給率を上げるために農業部門等に回すとか、自然環境を蘇生させる事業に回すとかした方が、ずっと住みやすくて良い世の中になるんじゃないかな。

でも、僕自身は安楽死で最期を迎えたくはないんだ。
なんだかんだ言っても、他人に殺されるわけだから。
なので、僕は理想的な死に方が出来るように日々鍛錬をしているんだよ。

蘭:自分の意思で肉体を離れることのことね!
マハーサマーディ!

TM:しかも、僕はツインレイと合体した状態で彼女と一緒にマハーサマーディを達成するという理想を掲げているんだ。

蘭:わたしもそれが良いな~。
無駄に長生きするよりは、美と健康が衰える前に思いっきり性を探求して、マハーサマーディを迎えるための準備をしておくの!
出来るかどうかはわかんないけど、チャレンジする価値はあり過ぎるほどあると思ってるの。

TM:蘭ちゃんみたいな若い人たちの間にも、そんな死生観、人生観が広まってメジャーになってきたら、絶対に世の中変わるよね。
なので、蘭ちゃんにはみんなの良いお手本、憧れの存在として活躍してもらいたいな。

蘭:うん! じゃあ、善は急げよ!
今からまた、リトリート行きましょ!(笑)

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