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逃がした●●●は大きい!~タントラマンへの道(第39話)
ピロリ菌注意報発令
あなたは何か大きな収穫が目の前に合って、あとは手を少し伸ばすだけでものにすることができる!
と思った次の瞬間に全てを失ってしまった経験はありますか?
私は、今朝、それを体験してしまいまいした。
始まりは、毎年受診している市の特別検診に胃がん検査をオプション追加したことでした。
結果は、「ピロリ菌の抗体反応が10段階中の4」。
3までならセーフなのですが、4以上は精密検査をした方が良いとのことでした。
しかし、「胃の検査=バリウムを飲む」と思い込んでいたので、気が進みませんでした。バリウムは体に悪いという信念に近いものがあったからです。
なので、これまでただの一度たりともバリウムを飲んだことはなかったのです。
ところが、よくよく訊いてみるとバリウムを飲む必要はないとのこと。
あれはレントゲン撮影に必要なもののようでして、今回、勧められているのは胃カメラ。
なので、バリウムは使用されないとのことでした。
それなら大丈夫かな? と思い、胃カメラ検査を受ける気になったのです。
ピロリ菌がいると癌になるリスクが高まるらしいし、父親にもピロリ菌が居た実績があったからです。
ちなみに父は既に亡くなっているのですが、癌は発症しませんでした。
胃カメラ初体験
さっそく胃カメラ検査を予約。
検査日の前日の夕飯は20時までに軽めに済ませておくこと、
翌朝は検査終了までは、朝一番にコップ1杯の水以外の飲食は禁止、
との指示を厳守して、いよいよ人生初の胃カメラ検査に臨みました。
最初に医師からピロリ菌や検査に関する話があり、続いて内臓(腹部)のエコー検査。
こちらは特に異常はないとのこと。(こんな簡単な検査で異常が見つかるようなら大変!)
次は、胃カメラ検査のための準備。
私がまだ子供の頃、両親が「胃カメラを飲む」と話をしていて、文字通りカメラを口から飲み込んでいたのだそうです。
そして、それがなんとも苦痛なんだとか。
私は、バリウムさえ飲まなくても良いのなら胃カメラくらい大丈夫だろうと思うことにしました。
何と言っても、冠動脈バイパス手術とハードなリハビリを乗り越えられたのだから!
でも、そんな覚悟は不要でした。
医療技術の進歩で、胃カメラを「飲み込む」時代は終わっていたのです。
飲む代わりに鼻からカメラを挿入する方式に変わっていました。
(鼻から入れにくい人は、相変わらず飲み込み方式を採用するらしいですが)
鼻と喉だけに効く部分麻酔をしたり、カメラを挿入しやすくする薬品を流し込んだりする準備が完了し、いよいよ胃カメラ本番です。
診察台に横たわりながら、体内が映し出されるモニターを観られるようになっていました。
カメラはスルスルと体内に入り、映像が映し出される様子は、トンネルの中を探検しながら生命活動の神秘も垣間見ることができて面白かったです。
「ピロリ菌、いないみたいですよ~」と言うのが担当医の見立てでした。
血液検査で陽性になった理由はわからないとのことでしたが、もしかしたら本当に以前はいたピロリ菌がなんらかの理由でいなくなったのかもしれません。
去年入院していた期間中、毎日抗生物質を点滴されていたのでその時に駆除されたのかも? と推測したのですが、いずれにせよ、一安心しました。
後は、検便をして確認する必要があるとのことでしたので、便採取キットを受け取って帰宅しました。
ビックベン
胃カメラ検査は土曜日に受けたので、検便提出は早くて月曜日、すなわち今日に照準を合わせることにしました。
起床後間もなく、順調に排便警報発令です。
早速、説明書通りに手順をすすめました。
様式トイレの場合、通常とは逆向きに座るようにとのことでしたので、
便器にトイレットペーパーを敷いて、指示通りに座ってみたのですが
どうも、着衣が邪魔になって脚を開きにくかったので、下半身裸になって座り直しました。
安産でした。健康そうなビッグベンがトイレットペーパーの上で採取してもらうのを待っていました。
「よっしゃ! 完璧や!」と思い、採取キットに手を伸ばそうとした次の瞬間!
「ピッ!!」という電子音が響くと同時に
「あっ! しまった! 忘れてた!」と後悔しました。
収穫を目の前にしていたビッグベンは、便器の奥に吸い込まれて行き、姿が見えなくなってしまったのでした。
我が家のトイレは1階と2階にあり、1階は母が、2階は私が使うのが通常です。
しかし、今日は、愛犬の散歩に行こうと玄関に降り立った瞬間に便意を催したため、普段はあまり使わない1階のトイレを使ったのです。
そして、このトイレは「自動洗浄」に設定されていたのでした。
実は、「自動洗浄」に設定されているのを知らなかったのではありません。
実際、2カ月前に受診した市の健康診断の際の検便の際には、
ちゃんと自動洗浄を解除してから臨んでいました。
あぁ、それなのに!
丹精込めて育てた作物が、収穫を目の前にして台風で全滅させられてしまったり、トレードで利が乗っているポジションの利益確定をしようと思っていた矢先に反転して利益を取り損ねてしまった時に比べればどうってことないけれど、今日中に検便を提出するという目論見は失敗に終わってしまいました。
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