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マズロー対決 敗者インタビュー~タントラマンへの道(第70話)
前回の勝者インタビューに続き、今回は敗者にインタビューしてみたいと思います。
--愛犬ええねん♪くんと戦ってみた印象はどうでしたか?
タントラマン(以下TMと略):普段はとても弱虫で、これまでの12年近くの犬生で、まだ一度も喧嘩というものをしたことがないんですよね。
犬同士の戦績は1000戦0勝1000敗(全て不戦敗)くらいでしょう。
彼は、勝ちたい欲求なんか持っていなさそうなのに、今回はなぜだかわからないうちに負けてしまっていた感じです。
まるで、合気道の達人に投げられてしまったみたいな感じとでもいいますか。
--ええねん♪くんは、「なにも考えていない」と言ってましたが、やはりそれが重要ポイントなのでしょうか?
TM:多分、そうでしょうね。彼はどんなことでも瞬時に受け入れてしまうんですよ。例えば、僕が入院した時は、初日こそ二階にある僕の部屋に探しに行ったらしいのですが、翌日からはもう僕のことなんか忘れたかのように振舞っていたそうです。母が入院した時も同様で、すぐに諦めたか忘れたかのようにしか見えません。自分がけがをしたり体調が悪くなったりしたときもじたばたせずにじっとしていて、治るとケロリとしています。
本当に何も考えていないというわけではなく、余計なことに対して心配したり不安を感じたりはしていということなのでしょう。まぁ、普通にうらやましいですよね。
--そもそも、人間と犬とでは同じ土俵で戦うのには無理があるとは思うのですが、今回は人間のルールを採用したにもかかわらず犬に負けてしまったわけで、そのことで何かありますか?
TM:そうですねぇ、ええねん♪だけでなく、人間以外の生命は一つの例外も無いと言っても良いくらいありのままで生きているのですから、彼らにとっては人間のルールなんて知ったこっちゃない。ですから、人間のルールは人間のためにだけあって、人間以外の生命にとっては存在しないも同然なのだと思います。
人間だけがルールに縛られているのだから、ルール無用の者たちに負けるのは当然なのです。
--なんだか、負け惜しみのように聞こえるのですが? それならば、人間もルール無用で戦えば良いのでは?
TM:はい。そうなのですが、もはや人間はルール無用で戦うことが出来なくなってしまっているのです。つまり、ルール無用で生きるというのは、実際にはもっと大きな、大自然、宇宙のルールに従って生きることなのです。
ところが、人間は、人類は、その大きなルールから逸脱するようになってしまったのです。その結果、自然環境を生態系のバランスを崩して崩壊させてしまうほどまでに破壊してしまったり、人類が気付き上げてきた社会システムにもほころびがあちこちに出始めていて、すでに待ったなしというところまで来ていると思われます。
--なぜ、そのようなことになってしまったのでしょうか?
TM:知恵の実を食べてしまったからだと言われていますね。
--あのアダムとイヴが食べたって言う?
TM:はい。あれを食べると知恵がつくらしいんですよ。知らんけど。
--知恵がついてしまったことで、人類が地球環境を破壊することになったというのですか?
TM:はい。最初から完璧な知恵が身に着くハズもないので、最初は中途半端な知恵、浅知恵だったわけです。 今でも完璧からは程遠い。 人類がその浅知恵で余計なことをしなければ、地球はこれほどまでに酷いことにはならなかったでしょう。
--それでは、人類が完璧な知恵を身に着けることは可能なのでしょうか?
そして、できないとしたら、やはり人類は地球を破壊しつくして、他の命も巻き添えにして滅んでしまうのでしょうか?
TM:それはわかりません。そもそも、人類がいくら地球を破壊しそうなくらいに暴れたとしても、それは宇宙というお釈迦様の手のひらの上で飛び跳ねているだけの孫悟空のようなものですし、宇宙からみたら人類の出現も想定通り、計画通りなのでしょうから。
--人類が知恵の実を食べて宇宙のルールから逸脱するのも宇宙の計画だという可能性もあるということですか?
TM:はい。宇宙はいろんなことを実験しているのかもしれないわけです。
人類という種を誕生させ、知恵を与えてみるというのも実験のひとつ。
そして、その実験が失敗に終わったかのように見えても、それは失敗ではなく、新たな実験に必要なデータとなるのです。
なので、宇宙にとっては、人類が暴走して他の命もろとも滅亡することも実験データとしては有用なものになるのです。
--じゃあ、宇宙にとっては、地球が滅ぼうが栄えようがどっちでも良いってことですか?
TM:多分、そうなのでしょう。地球の美しさに憧れてはるばるプレアデスからやってきた僕としては、なんとしても地球の寿命が尽きるまでは美しい星であってほしいのはやまやまなのですが。
--人類が地球を滅亡させてしまうことを回避する方法はないのでしょうか?
TM:あ、それに対するひとつの答えが、「自己超越」なのではないでしょうか?
理論的には、もし人類全員が自己超越したら、素晴らしい世界になるしかないと思いませんか?
生きとし生けるものが全て、個々としてはありのままに生きながらも他の存在に対してなんらかの貢献を果たしている世界。それは、一つ一つの個体が細胞のように各々の役割を果たしながら全体としての大きな命を活かし、自分もまた生かされている世界。
それが、現時点で僕がイメージできる範囲での「ワンネス」なのですが、それを実現するために欠かせない第一歩が自己超越なのだと思うのです。
--なるほど。確かにそのような世界が実現出来たら素晴らしいですね。
TM:まぁ、全体としてはそうだと思います。でも、個々の現象を観た場合には、自己超越しきれていない場合には理不尽としか思えないこともたくさん起きるでしょうね。
例えば、自分にとって大切な人が通り魔に突然殺されてしまうとかしたら・・・なんてことを想像すると・・・。
僕はそんなことになったら到底受け入れらないし、犯人を許すことも絶対に無理だろうし、復讐することしか考えられないのですが、果たして自己超越をした人は、そんな場合どう対処するんだろう? ・・・みたいな感じで全く想像もできない状態なので、まだまだ遠い世界ではあります。
--そうですね。難しそうですね。
人類にとって、最も難しい課題であることは確かですね。なにかこれからでも自己超越に向けて出来ることはありますか?
TM:それについては、また機会を改めて考えるってことでどうですか?
今日は、ええねん♪に完全にノックアウトされてしまい、体力も気力も限界なので。
--わかりました。それでは今回はこれで終わりたいと思います。
ありがとうございました。またお話が聞けるのを楽しみにしていますので今日はゆっくりとお休みくださいね。
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