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一人で20人マネジメントしてわかったこと

はじめに

こんにちは、合同会社QUESTのスティーブンです。

今回は私が前職で2年間行ってきたマネジメントについて色々書いてみようと思います。

私の前職は高齢者介護用の福祉用具レンタル・販売事業所で、その中で私が所属していたのは自社商材のメンテナンスを行う部署になります。
タイトルにもある通り、当時私が所属していたチームは正社員だけで20名弱、パートスタッフを含めると30名近くの人数にもなっておりましたが、彼らを直轄する上司は私一人だけという中々にロックな環境の職場でした。

一般的に、一人の管理者が適切に管理できる部下の人数のことを「スパン・オブ・コントロール」というそうですが、その適性人数は5~8人程度とされているそうです。その3倍近い人数を一人で見るのは無理ゲーでは?と自分自身思っていましたし、周りもきっとそう思っていたに違いありません。

ですが「私には無理ですできません」と泣きを入れたところでなんとかなる状況でもないので、私なりに無い知恵を絞ってどうにかこの組織がうまくいく方法を考えて実践していきました。

結果としては、私が管理職になった初年度から2年連続で生産目標を達成することができました。
自社商材のメンテナンス業務がメインであるため、全社的な仕事量(=利用者の増減)によって絶対的な作業量は左右されるという性質の部署ではありますが、営業部などの他の部署を見ても2年連続で目標達成を果たしているところはなかったことをみるに、この結果はメンテナンス部内での取り組みが功を奏したと言ってもいいと思います。

では、私がどのようなマネジメントを心がけて実践してきたか、最も重要だと思う2点を挙げてみようと思います。


上司に協力をあおいで、仕事を一部任せる

いきなり人だよりかよと思うかもしれません。そうです、全力で頼ります。

上でも書いた通り、そもそも一人で20人から見るのは無理がある(というか目が届かない)ので、上司でもなんでも使って部署全体を管理できるようにします。

私の直属の上司は課長ポジションで、本来なら現場にはもう入らない立場にありましたが、どちらかというと皆と一緒になって作業したりする方が好きなタイプでした。一方、私は単独行動と事務作業の方が好きだったため、現場の管理は上司に任せて、それ以外の細々した事務作業については私が一手に担うという形で運営を行っておりました。

もちろん私が現場のスタッフと没交渉だったというわけではなく、全スタッフと月1で1on1を実施したり、現場に穴が空いたときには率先してサポートに入るなどして、できる限り現場の情報を取るということはしておりました。

一見、上司と私の立場が逆転しているように見えるかもしれませんが、適材適所という面ではこれが理にかなっていると判断して、このような形で採用しておりました。(というよりも自然とこうなったという方が正しいかもしれませんが)


部内をグループ分けし、それぞれにリーダーを置いて任せる

また人だよりかよと思うかもしれません。そうです、全力で頼ります。

この部署の最も大きな問題の一つに、次期責任者候補の育成がありました。
実際、部下の中にも何人かは将来的に責任者を任せてもよいと思える人材はおりました。
しかし、その彼らを育て上げるには、単に社歴を積ませるだけでもなければ、社内外の研修を受けさせるだけでは足りないと思いました。

そこで、部を3つのグループに分け、それぞれに責任者候補をグループリーダーとして任命しました。業績管理や残業判断などはリーダーに一任する形とし、自分のグループの業績を上げるためにはどのようにすればいいかを自分たちで考えて実践できるような環境を用意しました。

もちろん、すべてをリーダーに任せて私は我関せずでは単なる仕事の丸投げと責任放棄になってしまいますので、リーダーたちには会社・部署の方針となぜ彼らをリーダーに据えたのかということを理解してもらうのに多くの時間を割いて説明を行いました。

また、リーダーだけでなく、各スタッフが自身の業務において効果があると思ったこと、やりたいと思えることは全面的にチャレンジしてもらい、その上で何かトラブルが発生したとしても責任はすべて上司(=私)が取るというスタンスを貫き通しました。

実は、この点こそ私のマネジメントで最も大事にしてきた部分です。

単なるトップダウンの業務指示ではなく、かといってすべて自己責任で取り組めということでもない、私なりの覚悟を示したといえる部分であると思っています。
そのため、彼らが提示してきたアイデアに対しては私も真剣に受け止め、会社や部の考え方と異なっていないか、もし異なっているならその理由と改善すべき点を一緒になって考えるということは欠かしませんでした。

このスタンスを2年間通してきた結果、いわゆる指示待ち人間が多かった部署の姿が一変し、彼らが提案したアイデアの中には部署外にも波及して全社的な取り組みとなったケースもありました。
私がマネジメントを行うようになってから最も大きく変化したのは、各スタッフの自身の仕事に対する取組姿勢であると言えるかもしれません。


おわりに

いかがでしたでしょうか?

最初に大層なことを言った割には、別に専門的な知識やスキルが必要なことは一切行っておりませんし、そもそもほとんどが人任せで他力本願じゃないかと思われたかと思います。

しかし、この「任せる」ということがマネジメントにおいて最も重要な要素の一つであると私は考えております。
もしすべてのスタッフや業務を自分のコントロール下に置いて、自分の考える通りに動かそうとしていたら、私自身とてももたないでしょうし、部署としても業績を上げることはできていなかったと思います。

もちろん、この記事で書いたことがすべて正解だとは当然思っておりませんし、私はこのように取り組んだという一事例としてご紹介しているに過ぎません。
ですが、部下のマネジメントについてお悩みの方がこの記事を読み、少しでも参考になる部分が見つけられるとすれば、これほど嬉しいことはありません。

記事の内容についてのご意見や、詳しい話を聞きたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントで教えていただけると幸いです。

それでは、ここまでご覧いただきありがとうございました。


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