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【株式投資】太陽光×蓄電池に金のなる木が眠っている

こんにちは。MAKOです。
先日エネチェンジが狙う蓄電池ビジネスについて記事を書きました。

Twitterやnoteにてそれなりに反響があったため、今回は太陽光×蓄電池という観点でさらに深掘りしてみたいと思います。

蓄電池を制するものが再エネを制する

皆さん以下グラフが何かわかりますか?

2022年10月20日JEPXスポット価格

これはJEPXスポット市場における24時間システムプライスと言われるもので、発電設備を持たない電力小売業者はここで電気を仕入れています。見てわかる通り、kWhあたりの価格が10:00-14:00は0円なのに対して17:00頃は30円を超えています。

なぜこのようなことになるかと言うと、昼間は太陽光により電気が余る一方で、夕方の太陽が沈む帰宅ラッシュ時に電力需要が増加して電力不足に陥るためです。

「じゃあ昼間に余った電気を蓄電池に貯めて夕方売電すれば儲かるんじゃない?」

はい、その通りです。昼間の余った太陽光の発電エネルギーを低コストで大量に蓄電することが出来れば巨万の富を得ることが出来るだけでなく、再エネのベースロード電源化というブレイクスルーにより脱炭素を一気に加速することができます。

蓄電池の価格が下がってくれば‥

しかし蓄電池の価格がまだ高いため、本格的な普及には至っていません。現在の1kWhあたりの価格はおよそ150ドル(約2万円)です。

100MWのメガソーラー1時間分の電力を貯める蓄電池費用はおよそ20億円かかります。もし蓄電した電気を20円/kWhで売電できた場合、2万円÷20円≒1000時間で投資回収出来る計算のため、150時間/年とすれば6年程度で投資回収出来る見込みです。
今後、蓄電池価格がさらに1/2〜1/3程度まで下がれば採算が合うかもしれませんが、まだもう少しかかりそうです。

大本命はEVの蓄電池

「じゃあ今後普及が見込まれるEVの蓄電池に太陽光の電気を貯めるのはどうだろう?EVの蓄電池を一時的に借りることができれば何十億もの投資もいらないはず」

そうです。今蓄電池で最も有望とされているのがEVなのです。自動車(EV)の99%は駐車場に停まっている状態と言われており、それらEVが全て充電器と接続されていれば、それは巨大な蓄電池とみなすことが出来ます。
エネチェンジを含む海外の複数企業がEV充電事業に力を入れている理由がお分かり頂けたでしょうか。

想定されるビジネスモデル

駐車場にEV充電器が常設される未来においては、停車中のEVは分散型蓄電池として活用されるのが当たり前となるはずです。もしかしたら分散型蓄電池として協力する代わりにお金が貰えて、EVの充電が実質無料となっている可能性もあります。

少し先の未来を見てみましょう。

203X年のとある日

部長「あいつどこいるんだー??」

部下「お待たせしました!さあ、客先へ向かいましょう」

部長「おう、ありがとう。これが君の新しいEVかい?」

部下「そうです。トヨタの最新モデルですよ。部長はまだあのガソリン車に乗ってるんですか?」

部長「ああ、なんだか愛着があってな。でもガソリンスタンドがどんどん減ってるから不便でならんよ。いよいよ俺もEVに乗り換える日が来たのかもな‥」

部下「EVは便利ですよー。一度乗ったらもうガソリン車には戻れません。もうすぐ到着です。えーっとEV充電器のある駐車場はー、あったあった」

部長「バッテリーは満タンだから充電しなくてもいいんじゃないか?」

部下「デマンドレスポンスに協力してポイントを貰うんですよ。今日は電力不足警報があったからポイント稼げそうです」

部長「何言ってるのかさっぱりわからん」

部下「充電器に接続したEVの蓄電池から電気を放出して一時的な電力の受給ギャップ解消に役立てるんですよ。僕はその時貰えるポイントでEV充電代が毎月ほぼタダになってます」

部長「え、じゃあ車の維持費は全然かかってないの?」

部下「元々私はEV充電を昼間の太陽光の電力が余っている電気代の安い時間帯に行っていますし、維持費はほとんどかかってないですね。EVの蓄電池を使ったデマンドレスポンス事業は再エネ普及の切り札と言われてます。EVと蓄電池が普及して太陽光で発電した電力は24時間安定して使えるようになりましたからね。先日設置したうちの太陽光と蓄電池のデマンドレスポンスは利益を出してますよ」

部長「へえー、でも結構面倒なんじゃない?」

部下「全然。太陽光と蓄電池を設置するまでは面倒ですけどそれ以降はスマホのアプリで通知が来るだけで何もしなくていいんです」

部長「24時間使える太陽光っていうキャッチフレーズはそういう意味だったのか」

部下「日本にあるEVだけで日本の電力数時間は供給出来るみたいです。脱炭素へ貢献するためにも部長もEV乗り換え検討してみてはどうですか?」

部下「そうだなぁ。真剣に考えてみるか‥」

まとめ

将来の電力インフラにおいてEV(蓄電池)がいかに重要なのかおわかり頂けたでしょうか。蓄電池が普及すれば「昼間しか発電できない太陽光」が「低コストで発電できる再エネ」という扱いに変わるでしょう。
再エネのベースロード電源化というブレイクスルーが楽しみです。
今日は以上です。

補足記事

今回の話を聞いた上で以下の記事を読めばより理解が深まります。

実は最近レノバは太陽光発電所の開発を加速させています。もしかしたら蓄電池普及を睨んでのことなのかもしれません。

蓄電池が普及すると相対的なバイオマス発電の価値は下がります。

P.S.
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