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Note 83: 間違いだらけのPCパーツ選び(6)電源編

素人のパソコンのパーツ選びのシリーズ。
ニワカでいろいろ勉強したのでせっかくだから披露している。
今日は電源だ。

選んだのは玄人志向

電源:玄人志向 80 PLUS GOLD認証 550W フルプラグインATX電源 8864円

前のブログではこう書いた。

これもちょっと謎の選択。
550Wはi7+RTX 2060という構成に対してはギリギリで、もうちょっと余裕を持たせても良かった。
今回いろいろ部品構成を考えながら、複数日に渡ってアマゾンのカートに足していって、部品が揃ったら一気に注文するというやり方を取ったのだが、そのとき、最初はi5で考えていたのを、変えるのを忘れていたのだ。
まあ、550Wでも十分である。
フルプラグインタイプで、必要なぶんだけ配線すればいいので、その点は良かった。

玄人志向は、実はバッファロー(ということは実はメルコ)の自作部品ブランドで、簡素な製品パッケージと無愛想なサポートだが安い、みたいなコンセプトの商品だが、だんだんフツーのメーカーになってきた。

ぼくはシロートなのであまりいいイメージがない。

とくにグラボは、玄人志向のくせにアナログ出力端子があったりして(そのぶんデジタルが削られている)選定から外した。一部のグラボのファンに

玄人
志向

などという漢字のシールをあしらっていて、あまりにもダサいのでYouTuberのとモヤシさんに剥がされたりしていた。とモヤシさんの動画は面白いからおすすめ。

話がそれたが、玄人志向の電源はブラックで、モジュラーで、特に塗りたくなるほどダサくはなかった。

電源とは何か

電源、というと、コンセントでしょ、と多くの人が言うと思う。
その通りだ。
パソコン用に電源ユニットを買いました、と言っても、どうせ原子力発電システムが入っているわけでも、太陽電池モジュールがついているわけでもない。
水力発電機がついていて、川辺の家でないと使えないわけでもない。

いわゆるコンセント、家庭用の電灯線は、日本の場合100V交流だ。
ところが、パソコンの部品はより低電圧の直流で動く。
ということで、それ用に変換する。
電源モジュールとか、電源ユニットとかの呼び名もある。
分かりやすく呼べば整流変圧機と言うことか。

電流を変換するときに、大量の熱を出す。
だから、ファンで冷やしている。
パソコンが出す騒音の、半分は電源から、半分はCPUクーラーから出ている。

CPUクーラー同様、パソコン用電源ユニットもファンレスというのがある。

520Wで3万円。
静粛性を重視する人はこれを買ってもいいんじゃないだろうか。

なお、ノートパソコンについているACアダプターも電源ユニットである。
あれを使ってファンレスPCを作る人もいるが、静粛性を獲得するために、CPUの性能を押さえることになるだろう。

三すくみ状態のトレードオフ

高性能静粛性、そして小型化は、キレイにXYZ軸の3次元のトレードオフ関係になっている。

高性能を追求すればCPUのコア数、スレッド数、クロック周波数を上げることになるから、排熱が大きくなり、冷却性能を上げる必要になる。

冷却性能を
上げるためには、ファンをブン回す必要がある。ファンは大きなファンなら低回転数でも冷えるが、小さなファンだと高速回転させる必要があり、特有の高音の雑音が生じる。

小型化を追求するためには、小さなケースには小さなファンやクーラーしかつかないから、うるさくなる。

高性能なパソコンを静かに運用するにはケースを大きくしなければならない。
小さなパソコンを静かに運用するためには性能を落とさなければならない。
高性能なパソコンを小さなケースに収めるとファンがうるさくなる。

こういう関係だ。
だから、どれぐらい性能を出すのか、どれぐらい巨大なパソコンが家にいるとイヤか、どれぐらいの騒音に耐えられるか、各家庭の事情を勘案して決めることになる。

私見では、ケースの大きさを妥協するのが手っ取り早い。
新しく作ったパソコンは、そこそこハイエンドな仕様だが、ミドルタワーのケースに入れて、CPUクーラーもファン口径120mmとそこそこ大きいのにしたから、ふだん使いではほぼ「無音」である。

モバイル機器なら大きさは重要だが、固定して使うデスクトップパソコンだと、別に、そこまで大きさはシビアではないのではなかろうか。
まあ家庭の事情もいろいろだろうから、そこは深入りしない。
ぼくの場合ミドルタワーでハッピーだ。

はじめての電源ユニット

思い出話になる。
はじめて自分用に買ったパソコンがeMachinesのミニタワーで、たしかCPUはCeleronだったと思う。
とにかく、電源が轟音だったので驚いた。
重低音が、寝ていても響いてきて、泣きそうになったものである。
それで、Seasonicという会社の電源を買った。
海の音という、いかにも静かそうなメーカーだ。
これがほぼ無音でビックリした。
これが、パソコンを開けて部品を交換した初めての経験で、深く印象に残った。

そのときビックリしたのが、電源というのはさまざまな部品に電源を供給するために、ヤマタノオロチのような見にくい電線がとぐろを巻いていることだ。
この配線を取り回す印象があって、PCの改造、自作というのはとにかく面倒くさいイメージがあった。

電源ユニットの性能

電源ユニットの性能は、以下のように分かれる。

電力

電圧×電流のことで、W(ワット)で表す。
どれぐらいのワット数の電源ユニットを買えばいいかは、パソコンの仕様で変わる。
この計算に用いる、めっちゃ便利なサイトがあって、DOS/Vパラダイスが提供している電源計算ページだ。

ぼくのパソコンで計算してみた。

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オススメは552Wということである。
買ったのが550Wだから、ギリッギリだ。
メモリなんか買い足しそうだから、それだと突破してしまう。
もっとも、じっさい使う電力が276Wで、余裕みてその倍で計算するから552Wということなので、まあ合格点か。
下でも550Wの製品が推薦されている。
お金に余裕があるからといって、むやみに大きくすると、うるさくなってしまう。

プラグインか

上に書いたが、安い電源はケーブルがぶっとい1本にまとめられている。
使用しないからと言ってぶった切るわけにもいかないので、ケースの中がとかくゴチャゴチャする。
この救世主となるのがプラグイン形式(モジュラー方式)というもので、必要な機器のぶんだけケーブルを挿して配線すればいいことになっている。
PCケースに裏配線スペースがあるか(マザーボードの裏に回り込んでケーブルを配線できるか)と、電源がプラグインかで、かなり配線の美しさが異なる。
もっとも、PCの配線なんか美しくしたところで、蓋をしてしまえば見えないし、だいたい誰も気にしない。

でも、ケースをスケスケにして、CPUファンやメモリーなどをRGB対応LEDをピカピカ光らせる場合は、配線もスッキリ美しくした方がいい。
美にこだわらない場合であっても、プラグインにするとしないでは、工作性が全然違うので、少し奮発してプラグインにした方がいい。
アマゾンなどの宣伝写真で、プラグインの製品はこれみよがしに手前にプラグインのジャックを見せているが、プラグインでない製品は反対側を向いているので区別がつきやすい。

80 PLUS認証

電源は変換効率という指標がある。
変換効率が低いほど排熱が多く、多くのパワーを熱として空気中に捨てることになるし、冷やすためにファンをブン回す必要がある。
変換効率の尺度が、業界規格の80 PLUS認証といい、Bronze(銅)、Silver(銀)、Gold(金)、Plutinum(プラチナ)、Titanium(チタン)という等級がある。
なんでタイタニウムが最高なんだろ。
詳しくないが、なんとなくGoldなら安心かと思ってそれを選んだ。

ファンコントローラー

安い電源は、ファンコントローラーがついていなくて、常に最高性能でぶん回している。
ある程度ちゃんとした電源は、ファンコントローラーというのがついていて、アイドル時や、ブログ書いたりとかしていない最小負荷時は、ファンが回らないようになっている。
この機能があるかどうか調べたほうがいい。
まあ、プラグインで80 PLUS Gold認証を取るぐらいの電源だったら、ファンコンもついてるんじゃないだろうか。

あと、安い電源は塗装してなくて銀色で見た目がわるい。
この点もブラックであるかどうか確認した。

あとは、出力の本数。ちゃんと必要な部品に電源が供給できるかどうか。
ぼくはHDDも外付けSSDも付けないので、電源からはマザボと(手電源とCPU補助電源)と、グラボの補助電源、もう1つ光学ドライブ(SATA)に線を伸ばしただけなので、プラグインだから極小のコード本数で済んだ。
(それでも初心者には大変だったけど……)
小容量で安いものは電源の本数が足りないものもあるのでチェックされたい。

総評

本品には特に不満がない。
フツーだ。
ほとんどパソコンに負荷を書けないので、無音である。
こういうのって、高性能なほど感謝が分かないんだよなあ。
最初に買ったパソコンの、うるさい音を思い出すと、しみじみ技術の進歩に感じ入るけれども。

(この項終わり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA