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Note 81: 間違いだらけのPCパーツ選び(4)グラボ編

素人のパソコンのパーツ選びのシリーズ。
ニワカでいろいろ勉強したのでせっかくだから披露している。
今日はグラフィックボードだ。
内容薄いし、間違ったことを書くかもしれないけど許してね。

選んだのはGeforce RTX 2060

選んだのはこれだ。

グラボ:ZOTAC GAMING GeForce RTX 2060 39981円

前のブログではこう書いた。

今回自作PCを組みたかった第1の理由が機械学習で遊びたかったことなので、グラボは張り込んだ。
ただ、現状ではLinuxでないと機械学習にグラボを使うのは難しいので、あんまり意味はない。
Tensorコアが物理的に実装されているからRTX 2000シリーズにしたいとか、でも2060 Superは高いとか、いろいろ呻吟して中途半端なモデルになっている。

グラボとは何か

グラフィックボードとは、計算のうちビデオ描画に特化した部分を取り出したものだ。
人体の比喩はあんまり通用しないが、脳のうち視覚に特化した野(や)に当たる部分ということだろうか。

今のようにCPUに統合グラフィック機能というのがついて、CPUをマザボにつなげるだけで画面に絵が出るようになったのはわりと最近のことだ。
このようなグラフィックのあり方をオンボードグラフィックとも言う。
昔はグラボが必須で、PCIボードやその全身であるISAボードに挿したりしていた。

オンボードグラフィックがあれば、わざわざグラボを挿さなくてもいいような気がする。
その場合は、IntelでいえばCore i7 9700Fのように、末尾にFがついたCPUを使う。

CPUは数千円安くなるが、I-Oパネルのディスプレイ端子は効かなくなる。
ぼくはこれが気持ち悪いので、数千円余分に払ってディスプレイ付きのCPUを買った。
グラボが故障したらパソコン全体使えなくなるのも不便だとも思った。

グラボはCPUと同じくGPU(Graphic Processing Unit、画像処理装置)というLSIでできている。
PCIバスから電気を供給するが、ハイエンドな機種はさらに補助電源というのを供給しないといけないので、電源ユニットからの線がそれ用に分岐してないとやっかいなことになる。
また、大量の計算を高速で行うと発熱するから、ファンで冷やしている。
このファンも大きくないと風が足りないし、小さいファンをブン回したら高音の騒音が発生する。
大きなファンを搭載するためには筐体が長くなる。
長い筐体をマザボに突き立てるので小さいケースだとつっかえてしまう。
ぼくの場合はミドルタワーのケースだから問題ないが、miniITXなどで小さなPCを組む人はグラボの大きさも要チェックだ。

GPUもCPUと同じで、大量のトランジスター素子がシリコンダイの上に植わっている。
行列の掛け算(?)のような計算を大量に行う。

いまはグラボ人気が復活している。
今回ぼくも17万円のパソコン中、4万円の巨費をパソコンに投じた。
いま自作パソコンを作る多数派であるゲーマーも、グラボには張り込む場合が多い。

なぜか。

ゲーム・CG・動画再生用途

ゲーマーの場合は本来の用途で、精細なグラフィックを高速に描画するためのものだ。
液晶ディスプレイの項に書いたが、そもそもぼくはパソコンの液晶のリフレッシュレート(1秒間に画面を書き換える枚数)なんか60Hz(60fps=frame per secondとも言う)で十分だと思っていたが、それが144Hzとは240Hzというのが出てきている。
画素数(1枚の画面を構成するドット=ピクセルの数)も、フルHD(1920x1080ピクセル。2Kとも)でいいと思っていた。
いま使っているのは24インチのWUXGA(1920x1200、フルHDのちょっと縦長)だが、実績のあるiiyamaのモニターで値段も3万円と手頃だし、しょうじき作業用だとこれで全然不満はない。
作業机で映画を見たり、ゲームをしたりしないからである。
でも、いまや4K(3840x2160)で、次世代は8K(7680x4320)が囁かれている。
ショエー。

2Kの60Hzと、4Kの240Hzを比べると、単純に1枚の画像の画素数が4倍になり、1秒間あたりの書き換え数も4倍になる。
つまり、シシ16倍の性能が要求される。
そしてそれをデュアルディスプレイ、トリプルディスプレイにつなぐので、CPUにおまけで付いているグラフィックチップでは当然おいつかない。
グラボでも、安物を挿したら、急速に性能が足りなくなって画面がカクカクになる。

単に絵がキレイになって嬉しい、というだけではなく、ゲームの場合、殺す相手が遠くにいてもきちんと分かる、ピシッと標的を狙える(エイミング)というのも重要になる。

もう1つ最近話題なのが、リアルタイムレイトレーシングという機能だ。
これは、車のフロントガラスに飛行機が映り込むとか、そういうときに、これまではそれっぽいものを描いてごまかしていたのを、ちゃんと計算してバッチリ表示するそうだ。

これは、ハードウェアの性能だけじゃなくてプログラムの性能も重要になってき、たとえグラボだけリアルタイムレイトレーシングに対応していても、対応していないゲームの場合は映り込んで見えない。
現状ではあんまり対応ゲームはないらしい。

ということで、4Kやそれ以上の高精細モニターを、140Hzやそれ以上のリフレッシュレートで駆動し、さらに複数枚つないだり、リアルタイムレイトレーシングのゲームを楽しんだりするために、高機能なグラボが必要になる。

機械学習用途

不思議なことに、AI、機械学習、ディープラーニングといった分野でもGPUが必要になる。
ぼくなんかも一応コンピューターで飯を食っているのだが、わりと最近まで、GPUと機械学習の関係を知らなかった。

AIも機械学習もディープラーニングも、けっきょくコンピューターに勝手に賢くなってもらうことだ。
たとえば大量の動物の写真を見せて、これは猫ですよ、これは犬ですよ、と教えていると、そのうち適当な写真を見せると「コレハ猫デスネ」と教えてくれるようになる。
これを教師つき学習と言う。
たとえば大量の乗り物のデータを見せると、だんだん「これは自動車だ」「これは自転車だ」「これは歩行者だ」と分類を始める。
これを教師なし学習と言う。
そういうことらしいよ。

で、この機械学習は、大量に単純な計算(行列の掛け算?)を行う必要があり、そのためにはCPUだけじゃなくて、GPUも使った方がいいんじゃないか、という話になった。

もともとゲームや動画を快適に使うために作られたGPUを、機械学習に援用しようというわけだ。
ゲーム人口は多いし、みんな高性能、低価格をシビアに追求しているので、GPUの性能、コスパはどんどん上がっていく。
このパワーを機械学習の分野にも使えればいいんじゃないかという考え方だ。

なお、もう下火になったが、仮想通貨の採掘(ビットコインマイニング)にもGPUを使った。
あれがブームのときは、グラボを何枚も載せたボードが流行っていて、部屋が加熱するから冬も暖房がいらないとかいう騒ぎになった。
グラボの相場が高騰した。
仮想通貨を買うよりもグラボを買い占め転売で儲けたほうが早いんじゃないの。
でもビットコイン会社に信用事故が起こって仮想通貨も一気に下火になり、グラボが投げ売りされて相場が暴落したりした。

GeForceとRadeon

グラボもCPUと同じで、NVIDEAというメーカーのGeForceというブランドと、CPUのRyzenを作っているAMDのRadeon(レイディ・オンが正しいと思うのだが日本のオタクはラデオンと呼びがち)が覇を競っている。
(他にもあるらしいけど省く)

GeForceはIntel Core i同様ポピュラーな人気がある。
いっぽうRadeonは高コスパモデルでGeForceに対抗しているので、こっちもCPUと同じような構図である。

どっちを選ぶか悩むところだが、機械学習用途を考える場合、GeForceに分がある。
というのは、多くの機械学習プログラム、ライブラリーが、NVIDEAが作っているCUDA(クーダ)というプラットフォームを使うからだ。
また、RTX 2000番台のGPUにはTensorコアというものも載っていて、これもPythonから呼び出せるTensor Flowなどで使える。

Radeonも機械学習に力を入れていくということだが、実際には、データサイエンティストが書いた入門書などは、だいたいNVIDEA、CUDA、Tensor Flowが中心に書かれているので、「ちょっとさいきん機械学習とかやってみたいんですよ〜」という人は、まずGeForceを選ぶことになると思う。
CPU選びにおけるIntel Core iとRyzenでもそうだが、ぼくのようなニワカのライトユーザーは勝ち馬に乗るという性質があると思う。
マニアックな選択をして余計な苦労をしたくないので、安全側に倒すのである。
ということで、GeForceを選んだ。

RTX 2060という選択

GeForceはGTX 1000番台と、RTX 2000番台に分かれる。
前者が安くてコスパ優先、後者は性能優先になると思う。

RTX 2000番台はリアルタイムレイトレーシング機能があって、マインクラフトなどの対応ゲームを使えばガラスの表面にオブジェクトが映り込むのが楽しめる。
ゲームをしないとあまり関係ない。

ところが、GTX 1660 Superのような、GTX 1000番台の中でも高性能なモデルは、Tensorコアを省くことになった。
めっちゃ大雑把に言うと、ゲーム性能を取るために機械学習を捨てた形である。
(ただ、物理的にTensorコアを積んでいなくても機械学習はできるらしい)

RTX 2060は、リアルタイムレイトレーシング対応、Tensorコア搭載のRTX 2000番台の中では一番ローエンドな機種にあたる。
CUDAコアが1920基、リアルタイムレイトレーシングに使うRTコアが30基、Tensorコアが240基である。
Core i7やRyzen 7が8コアとか言ってたのに全然数が違う。

このRTX 2060、悲運のグラボであって、発表されてから間もなく、性能的に上のRTX 2060 Superというのが出た。
CUDAコアが2176基、RTコアが34基、Tensorコアが272基。

クーダコアが1920個と、2176個と、どれぐらい性能が違うのか、あんまり分からない。
とりあえず買うなら新しい方を買えばいいんじゃないの。
でも高い。

ぼくが買った2060が4万円で、同じぐらいのSuperモデルが4.5万円なので、5千円違う。
この5千円の差をどう捉えるかだが(買ったときは1万円以上違った気がする……)いろいろ買ってビビっていたので、2060 Superが出て安くなっている2060を買ってみた。
正しい選択かどうか知らない。

RTX 2060がいっぱい?

さて、同じGeForce RTX 2060でも、ぼくが買ったZOTAXC製の他に、玄人志向、MSI、GIGABYTE、その他、いろんなメーカーからRTX 2060が出ている。
前にGeForceはNVIDEA社の製品と書いたが、NVIDEAはチップを供給しているだけであって、ガワは各社がいろいろ工夫して作っている。
カメラの世界におけるカールツァイスレンズみたいなものだろうか。

NVIDEA自身もグラボを出すことがあって、リファレンスモデルと言われるが、一部のモデルはシロッコファンという特殊な形状の排熱装置を備えていて、これがあんまり冷えないという噂だ。

どの2060を選ぶか

値段だけだと玄人志向になると思うが、これは積極的に忌避した。
出力端子がHDMI 1つ、ディスプレイポート 1つ、DVI-D 1つという構成なのだ。
いまさらこのハイエンドグラボをDVI端子でアナログ接続する人、いるんだろうか。
クロートは普通デジタル接続するんじゃないの。
よく知らないけど、そういうことで、玄人志向以外から選ぶことにした。
ちなみに玄人志向というのは、実はバッファローの自作部品ブランドで、ということは実はメルコだそうだ。

MSIは長さを節約するためにファンが1つしかないので忌避した。
ケースをデカくするので大きいやつがいい。

ほか、いろいろ見比べて、なんとなく見た目でZOTAC製品にした。
いいかどうかよく知らない。
8ピンの電源ポートに160Wの補助電源を供給する必要があるので、そこは注意したい。
クラボの選び方としては、バックパネルという板が裏側についているかが重要だそうだが、RTX 2000番台のクラスだとまず付いていると思われる。

総評

まだあんまり激しく使っていないのでよく分からないが、何の問題もない。
DPが3つ、HDMIが1つつなげてハッピーだ。

なお、CUDAコア、Tensorコアをブン回して機械学習、ディープラーニングするには、Linuxを使う必要がある。
(WindowsでDockerやWSLを介してLinuxを使っても、グラボにはアクセスできない)
Windowsでもやってできないことはないらしいが、そういう人は少数派なので、いい用例がWebにない。
だいたいそういう難しいことをWindowsでやろうとするとハマるので、手を出しつかねている。
ということで、本気で機械学習したければ、Linuxマシンをもう1台組む必要がある。

逆に、Windowsでそこそこ高画質が得られればいい、機械学習はそこまで重要じゃないのであれば、GeForceのGTX 1660 Superが人気だ。

これだと2.5万円で、RTX 2060よりさらに1.5万円安い。
2台目を作るときは、Linuxを入れて機械学習用にするが、そこには現在Windows機に挿しているRTX 2060を移植しようと思う。
で、現行のWindows機には、GTX 1660 Superを挿して違いを見たりするのがブロガーっぽいような気がしないでもないのだが、ぼくに違いが分かるか分からないし、2台目を作るときにRTX 2060やRTX 2060 Superの値段がどうなっているか分からない。
メーカーもどれがいいかまだ調べてない(ZOTACはコンパクトモデルでうるさいらしい)ので、現状保留だ。

(この項おわり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA