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Note 119: 「静かな時間」3日目+ライブ、凄かった!

先週土曜、7月11日も、四谷三丁目CON TON TON VIVOに、コロナ禍におけるアングラ劇団、月蝕歌劇団の日々を描いたドキュメンタリー映画「静かな時間」の先行上映会を見に行った。
3daysの最終日。
上映後にライブがあると言うことで、狭いライブカフェにたくさんお客さんが詰め掛けて盛り上がった。

映画は2回目。2回見ると、より細かい流れが分かる。
Note 116でも紹介したOm. Art Gallaryの店主である真夢さんの絵が挿入されているところも、あらためてじっくり見られた。
コロナ禍で、みんな息を潜めているけど、オリンピックのアスリート以外にも、輝く才能を抱いたまま雌伏している人がいっぱいいるのだ。

上映後にライブ「猫が星になる深夜」を見た。

出演は、ドキュメンタリーの主役の1人伊藤若菜さん、ぼくが月蝕を見始めた頃のトップ女優だった倉敷あみさん、ひさしぶりの白川沙夜さん、イタリアの人形みたいに可愛い小林夢二くん、3年前に1回だけ月蝕に出演した南條みずほさん、そしてこの日が初舞台という星歌(せいか)さんという新人。

脚本、演出は真夢さん。
なんとなく月蝕演劇の抜粋的な内容を勝手に予想していたのだが、まさかの超・濃厚な新作脚本でビックリ。
かつての大炭鉱であった旧満州・阜新市を舞台にした関東軍の侵攻と運命に翻弄される少年の話と、猫に扮した女優さんの詩/踊りが絡む。
この日一回限りの台本にするには贅沢すぎるというかもったいない内容。
真夢さんの、月蝕俳優たちの、才能の底知れなさに改めて衝撃を受けた。

後半に、3年ぶりの倉敷あみさんが登場し、寺山演劇のおなじみの台詞を朗唱する。
声を聞くだけで全身に電流が走る。
白川沙夜さん(今日は男性役じゃなくて和服美女でドキドキした)と並んだ姿を見ると、昔見ていた、あの月蝕歌劇団がよみがえって、心が震える。
月蝕歌劇団は常に進化を重ねていて、そっちも当然すごく楽しみにしているけど、自分がはじめて月蝕を見たときのメンバーが並ぶと、やっぱり、感動する。
終わりはお馴染みストーンズの「黒く塗れ」が流れ、マッチを擦るアジテーションだ。

新鮮な脚本と、懐かしいメンバーが火花を散らすライブだった。

終演後に役者さんとお話した。
久しぶりといえば南條みずほさん。この人は2018年12月、稽古期間中に急逝された高取英さんの追悼公演となってしまった「五瓣の椿」と「ドグラ・マグラ」のヒロインをやった人で、ギリギリに高取さんに演出を付けてもらった、ある意味、高取さん最後のヒロイン女優みたいな人。そのときの詩劇ライブで、荒井由美の「ひこうき雲」を歌ったのが妙に上手くてびっくりした、という話を上演後本人にしたら「よく覚えてますねえ〜」みたいに言われた。
覚えてるんだよ!

他にもいろいろな聞けて楽しかった。
楽しくて、グズグズ長居をしていると、女優さんが舞台に落ちたロウソクの蝋をはがす作業を始めたので、時間に気づいておいとました。

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外に出ると、夢二くんが入り口のポスターを剥がしていた。

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(この項終わり)

会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA