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独、マルクス枢機卿 改革へ邁進

6月1日付の記事となった、ドイツ・ミュンヘンのマルクス枢機卿の辞任届ですが、「教皇はこれを拒否」、さらに「同枢機卿が提唱する教会改革を支持」というニュースが先週出ましたね。

何だかこれ、ある意味、出来レース(悪い表現ですが)みたいな雰囲気もあります(以下の辞任届を5/21に提出した際の写真も、なんだか“にこやか”です)。マルクス辞任と聞いて、教皇の右腕の一人の枢機卿がいなくなったらどうなるのかと大騒ぎになりましたし、「実はこのあとマルクス枢機卿の教区から出てくる虐待報告の先手を打って辞めるのでは」といった妙な憶測記事も現地では出ていたようです。しかし、教皇がその辞任届を退けたことで、マルクス枢機卿らが進める教会改革に教皇がGoサインを出した、ということになるようです。

さてマルクス枢機卿の辞任届の中には、確かに、児童性虐待によって「教会は袋小路にある」と書かれていますが、「それは教会の転換点となりうるもので、これがわたしの復活の希望」であると前向きにとらえています。また「性虐待のカタストロフの責任をシェアすることが重要」と述べており、聖職者だけで解決するのではない姿勢が表れています。

ドイツのカトリック教会は、国の諸問題を考える、2年間の「シノドス会議」中で(230人くらいのメンバー中94人の信徒が参加。「教会内権力」「司祭独身制」「女性の地位」「性道徳」が4テーマ)、この動きも軸の一つとなって、マルクス枢機卿が考える「改革」は進められるのかと思います。今後の進展が注目されます。日本も参考にできるか。

Pope Francis endorses Cardinal Marx and his "manifesto" for Church reform (La Croix June 11, 2021)

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