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バイデンには聖体拝領させるな!

先週、16〜18日にかけて、アメリカの司教団は総会をやっていて、その中で、人工妊娠中絶に賛成している(プロチョイス)の政治家に聖体拝領をさせないという議案(正確にいうと、<「聖体拝領の意義に関する司教団公式声明」の原稿を教理委員会が作成するのを継続するかどうか>という議題だったようです)が出ていることで、大騒ぎになっていました。つまり、第1の標的は、プロチョイスのバイデン大統領に、聖体拝領をてこに罰を与えようとしているからです。

NCR(National Catholic Reporter)は激しく批判しているようで(「やれるもんならやって見ろ。司教たちは後悔するぞ」的な物言い)、もう少し、穏当なCommonweal は、これを決めたら、傷つくのは司教たちでなく教会、というように、芯をくった発言をしていると思います(https://international.la-croix.com/news/religion/just-do-it-no-please-dont/14480)。

米司教団のサイトに総会の結果がでていて、この議案は可決されたようです(Action Item #7 : https://www.usccb.org/news/2021/us-bishops-approve-action-items-their-agenda-spring-general-assembly)。ただ、議案としては、言ってみれば継続審議になっただけなので、今後その委員会が声明の草案を再度総会に提出して、内容についてけっこう議論されるのだと思います。

バチカンはこの動きを憂慮している発言をしていますし、反対の米司教も多いようです。皆、中絶を認めるかどうか、をここで論じているわけではなく、司教たちがこうしたかたちで、政治を支配しようとするというのがなんか、アナクロだなあと思います。建国以来二百数十年でやっと2人目のカトリック大統領なんですが、だからこそ、言うことを聞かせたいと思う司教が出るのでしょうか???

日大の松本佐保さんが『アメリカを動かす宗教ナショナリズム (ちくま新書)』をことし出されましたが、いまの動きは、この本の続編になって、興味深いところです。どうとらえておられるでしょうか?

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