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オンライン演劇を見たら悪寒がした

私は演劇が好きだ。ここ何年かはお金がないので舞台を見いくことは年に数回だが、以前は自分でも舞台に立ったりしていた。

しかし、今年は舞台を見に行けないかもしれない。パンデミックのせいで楽しみにしていた舞台も中止だ。演劇には最低でも1ヶ月の稽古期間が必要なので、年の暮れには演劇をやる人たちが動き出していて欲しい。しかし、秋冬は寒くなって「密」が増えるため、感染者がまた増加するのではないかと言う分析もある。とういうことで劇場に行って演劇鑑賞するのは当分先になりそうだ。

そこで、オンライン演劇というものを視聴してみることにした。とある人気俳優たちがオンライン上で劇をする。もちろん、俳優同士も会えないので、脚本の設定は全てビデオ通話で行うことにつじつまが合わせられている。これが新しい時代の演劇かあと期待、若干の寂しさを覚えながら再生ボタンを押した。

…。

寒…。

10分も見られずに閉じた。コメント欄には面白かった!というコメントが溢れている。私は全く面白さを感じなかった。

理由としては、なんかリアルなのに演技っぽいのがすごい癪にさわることだ。他人のビデオ通話を見ているようで、それぞれの俳優が全く違う場所で違うテンションでいることがわかる。もちろん台本があるので話していることのつじつまは合っている。しかし、それだけだ。朗読劇にすれば良かったのに、なんで映像も混みにしたのか理由を聞きたい。朗読劇の方が効果的だったと思うよ!私は!

そうはいっても、演劇を続けようと努力している彼らには感謝している。彼らも何かしたくて、知識を集めて、考えて、稽古をして、今回のこのオンライン演劇という形になったのだと思うし。こんなことを言うのは悲しくて、胸が張り裂けそうだが、演劇は今や風前の灯火だ。そこにこの状況でアクションを起こしてくれた彼らは勇敢だと言える。

新しい生活様式の中に果たして演劇は含まれているのだろうか?私たちの価値観や生き方が問われている。