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植田寿乃連載『令和を活きる、未来を拓く』第29回 未来が見えない時こそ、視点を上げ俯瞰しよう! ~悲劇のヒロインから脱出するために~

「もっと視点を上げてみましょう。高い視点から今悩んでいる問題を見つめてみてください。何か気づくことはありませんか?」私が経営職や管理職の方々のライフコーチングの場でよく伝える投げかけです。この『視点を上げて見る』ということが、実は幸せな人生を送っていくために、仕事でもプライベートでも重要だということに、皆さんは気づいているでしょうか?

私たちは日々、いろいろな問題やトラブルに向き合い悩みます。会社でチームメンバーを持つような立場になれば、仕事での問題は増え、悩みは複雑化していきます。

・あるメンバーが同じようなトラブルを何度も起こして後始末をしなくてはならない・・・
・他部署の人達との連携をしたくても、言葉だけで動いてくれない・・・
・異動した部署で周囲の目が気になり、上手く溶け込めない・・・
・自分がイメージしたように組織やチームを動いてくれない・・・
・メンバーが会社を辞めたいと言ってきた・・・

どの悩みのテーマも、自己完結できない相手があるものです。そのため、何カ月も悩み続けてしまうこともあるでしょう。

★集中し過ぎると、視点が固まり狭まる

 目の前にトラブルや問題が起きたときに、私たちはそれをどうにか解決しようとします。それが論理的思考で、事務的に解決できるような簡単なものだったらいいのですが、実生活ではそんなシンプルなトラブルは少なく、人が絡んできて、問題自体も複合的で深刻な場合が多い。だからこそ、私たちは深く悩み始めます。悩むこと自体は、心が柔軟な証拠ですから悪いことではないのですが、悩み続けて解決できずに、どんどん気持ちが落ち込んでいきます。

私たちは早く解決したいと思えば思うほど、意識が集中していきます。真面目な方ほど、その集中力が高い。しかし、集中すれば集中するほど煮詰まっていきます。そういう時、私たちの視野は集中するがゆえに狭まり、また目線は一歩踏み出したいために足元を見ています。つまり視点が下がっている状態です。この視点が下がった状態に固定されていると、進みたい未来の風景は全く見ることができません。足元を見ている視点がどんどん下がり、まさに地下に潜っていくように、モチベーションも下がっていきます。そして、何もできない自分に、無力感を感じて自信が失われ、うずくまっている状態です。

★キョロキョロ状態では悲劇のヒロインになりがち

 足元から視線をあげて、周りを見回せば、いろいろなことに気づきます。しかし、自分を中心にして周りを見た時に視界に入ってくるものは、表面的なことばかりです。問題が起きている状態、周りや相手の表情や態度や言葉は見えますが、その出来事の背景や相手の気持ちにまでは見えず、意識が向くことはありません。主人公である自分を中心に、悩んでいる状態から抜け出そうと、周りの壁を壊そうとします。しかし、そうやって何かすることはその場しのぎの対応となり、本質的な解決にならないことが多いのです。また、周りを見回して、解決の糸口が見つからないと、高い壁に囲まれたような孤立感を感じ、なんで私がこんな目にあわなくてはならないのかと、悲劇のヒロイン、ヒーローモードに陥ります。悩みを抱えながら、悲壮感を漂わせつつも、高いモチベーションで仕事を頑張っているリーダーに見かける姿です。そんな生き方、働き方では本当の充実感を味わうことはできません。ストレスが溜っていくばかりです。

★俯瞰すると見えてくるもの
 
 だからこそ、視点を上げまししょう。上から目線になれという意味ではありません。イメージは、自分を幽体離脱させたようにふっと宙に浮かせた状態になって、空から自分や周り(チーム、仕事、人)を見下ろす、俯瞰するのです。これは、単に客観的に見るというのではありません。高い視点から俯瞰すると、その出来事の背景や関係性、本質が見えてきます。大きなトラブルも、実は偶然ではなく、必然であることに気づき、目の前のトラブルの応急処置ではなく、根本的に何をすればいいかに気づくことができます。
 俯瞰して見るということは、特に人間関係でとても重要です。何度ミスを注意しても同じミスをするメンバー、チームの輪を乱すメンバー、その部下をどうしたらいいかと近視眼的に見て注意の仕方を考えるのではなく、俯瞰して、メンバーと自分、メンバーとチームの人間関係を見つめることで、自分自身のリーダーシップの問題点、メンバーとのコミュニケーションや信頼関係の構築の必要性など、多くのことに気づくことができるはずです。
 また、自分のキャリアの転機などでも、俯瞰することは大きく役立ちます。重大な決断や、公私でショックな出来事が起きた時など、俯瞰して自分の人生を見つめてみると、頑張ってきた自分自身への誇りと自信、そして自分が進んでいきたい未来が見えるはずです。

実は、この「視点を上げて、俯瞰する」というのは、昔々私が33歳で管理職になったばかりで、会社やチームメンバーに対して不満たらたら状態の時に、尊敬するメンターから言われたことでした。
「自分が正しくて周りが間違っていると思っているようだが、2つ上のポジションに立つ自分を想像して、君の仕事と自分自身を見てごらん、高い視点にたった時、どう見える?」
自分自身の浅はかさに、大きく気づいた瞬間でした。その時から今に至って、私はこの俯瞰する高い視点を忘れたことがありません。毎日、窓から見える富士山と向き合いながら、自分に問いかけます。「もっと高い視点で自分や自分の仕事を見てごらん!何が見える?」

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