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”最新のトレンド”とやらに、どこまで喰らいつくべきかを考えてみる

この絶え間ない情報の洪水の中で、私たちはどのトレンドを追いかけ、どれを見過ごすべきなのでしょうか?本noteでは、そのバランスを見つけるための考え方を探ってみます。

ちょうど今しがた『ハイコンセプト』(ダニエル・ピンク)という2006年に発刊された書籍を読んでいます。20年近くも前の書籍ですが、書いてある主張が、現在とそこまで大きく変わらないんですよね。
例えば下記の一節。

情報化社会の花形ビジネスである弁護士や会計士という仕事はコンピュータに取って代わられる
学校教育は暗記だが、「答えのない時代」のいま、知識を持っていることよりも多くの人の意見を聞いて自分の考えをまとめる力、カンニングを上手にした行動力のある人間が求められている

この主張は、今日においてもそのまま通用するものです。2024年の書籍でも同様の主張が見られることでしょう。
”最新のトレンド”というキャッチコピーは毎年、毎月、毎日と更新される中で、これをどこまで追っていくのが良いのでしょうか。


自分の専門性と興味を中心に

私としては、①自分の専門性(守備範囲)や②興味のある範囲に絞って、トレンドをキャッチすることが重要だと思います。
対して、それ以外のトレンドは寝て待っていてもいいと思います。

①自分の専門性(守備範囲)
 自分の専門分野におけるトレンドを追うことは、ビジネスシーンでの競争力を高めます。例えば、人事の研究やHRtechの最新動向を知ることで、顧客に提供できる価値を増やすことができます。

②個人の興味を追求
 興味がある分野であれば、積極的に情報を収集するべきです。
例えば、生成AIに興味がある人は毎日youtubeで[chat GPT プロンプト作成]と検索しているでしょうし、仮想通貨で一儲けしたい人は[ワールドコイン 登録場所]とXで検索し、スクロールことでしょう。
このような個人の探究心は、新しい知識やスキルを身につける原動力となります。

トレンドの罠を避ける

裏を返すと、「専門外・興味外」のトレンドは必要以上に飛びつく必要はないと思うのです。最新とか、トレンドとかって、追い続けると苦しいものです。噴水の下で口を開け続けていても、すぐに嗚咽してします(ToT)
この考え方に至ったのは、『逆・タイムマシン経営論』(楠木建)と『読書を仕事につなげる技術』(山口周)の2冊からの学びが大きいです。
『逆・タイムマシン経営論』は、新しい技術や経営手法を過去から学び、未来の戦略に活かすことの重要性を強調しています。
『読書を仕事につなげる技術』では、重要な2割の本だけを深く読むことの重要性が語られています。つまり、必要以上に最新のトレンドに追われることなく、真に価値のある情報に集中することが求められています。

折角なので、それぞれ要約を紹介し、教訓を整理してみます!

逆・タイムマシン経営論の要約

『逆・タイムマシン経営論』
本書は、「逆・タイムマシン経営論」を通じて、過去の事例から学ぶ思考法を提案する。これは、新しい技術や経営手法を過去から学び、未来の戦略に活かすアプローチである。

同時代性の罠
多くの現代のトレンドや技術は、時代のステレオタイプに侵されがちであり、これを「同時代性の罠」と呼ぶ。この罠に陥ると、現実の意思決定が狂わされる。

歴史からの教訓
歴史的な変化をたどることで、本質的に重要な論理と偽物の言説を見分けることができる。本質はそう簡単には変わらない。

飛び道具トラップとその回避
同時代の人々が新しい技術やビジネスモデルに飛びつく「飛び道具トラップ」について議論する。回避方法として、自社の戦略ストーリーを固め、事例文脈を理解し、本質を把握することが重要である。

激動期トラップ
時代の変化を過剰に捉える「激動期トラップ」を扱い、大きな変化はゆっくりと進むことを指摘する。ビジネスにおいて本質的な変化は「どうやって儲けるか」が変わることにある。

遠近歪曲トラップ
遠近歪曲トラップは、地理的、時間的に遠い事象を美化する傾向にある。しかし、真の革新は、自国や自社の文化に合った形で取り入れられたときにのみ、成果を生む。

構造の固定性
世の中は変化する一方で、多くの構造は固定的である。過去の問題に対する解決策が、時代が変わると新たな問題を生むこともある。構造改革には、脅威を逆手に取り、新たなビジョンを描くことが求められる。

本書の主張を私なりに解釈するとこんな感じです。
✓時代のトレンドに食いつきすぎると痛い目に合う
✓成功している会社には、その会社独自の成長ストーリーや文脈がある。トレンドは手段に過ぎない
✓時代を超えても変わらない真理こそ本質である

トレンドはその時代のステレオタイプが染み込んでいるので、トレンドと呼ばれているものをメモしておいて、ウイスキー並に熟成してから振り返ると、本質的な学びが得られるでしょう!

『読書を仕事につなげる技術』の要約

「1年間に本は何冊発売されているのか」と、ふと気になったことがあります。総務省統計局が出す最新のデータを検索すると、国内の新規出版点数は68,608冊(令和2年度)でした。果たしてこの数が自国の歴史の中で、あるいは他国と比較して多いのか少ないかはわかり兼ねますが、仮に1日1冊読んだとしても、生涯では365日×50年=18,250冊しか読めないことを意味します。限られた時間の中で、多少なりとも人生を豊かにする読書をするには、正しい本の選び方と、正しい読書法を身につけるしかない…!
そんなことをぼんやり考えていた時に手に取ったのが本書です(ホンマカイナ)。

成果を出すための2種類の読書
ビジネスマンが成果を出すための読書は2種類存在する。①ビジネス書で基礎体力をつけ、②個性を形成するリベラルアーツで教養を育む。
ビジネス書は、名著が少ないため、狭く深く読む。最新のビジネス書は名著からの引用が多い。対する教養書は、名著が多岐にわたり、ビジネスに直結しづらいため、広く浅く読む。

効率的読書法~重要な2割だけを読む~
忙しいビジネスマンにとって、本の重要なエッセンスを読み取り、残りを省略することが重要である。読書は時間の投資であり、サンクコストに囚われず、必要な情報だけを選択して取り入れるべきである。情報は記憶ではなく、記録としてデジタル保存することで、後で活用できるようにする。多くの本を浅く読み、中でも価値あるものを繰り返し読む「T型読書」を実践し、複数の本を同時に読むことで、読書の効率と柔軟性を高めることができる。

ビジネス書マンダラを徹底的に読みこなす
筆者はコンサルへの転職時、3年間で経営学関連の書籍200冊を読んだが、今ではその努力を愚策と考えている。パレートの法則に従えば、読書量の2割から9割の効果が得られるという。この考えに基づき、筆者は「ビジネス書マンダラ」を作成し、本当に読むべき71冊とその読むべき順序を図式化した。このリストは、84人のコンサルから推薦を受けた400冊の中から、10名以上に共通して推薦された書籍を抜粋している。筆者は「古典や原典の解説書」が原典の代わりにはならないと指摘し、筆者自身の思考プロセスを追体験することで、読者に知的体力をつけさせようとしている。新刊ビジネス書の大半は不要であり、古典的名著の内容を業界や事例を変えて説明しているに過ぎないと述べている。読書ノートをつけることなく、読んだ内容をそのまま実践することの重要性を強調している。しかし、リベラルアーツ関連の書籍については、いつ役立つかわからないため、読書ノートが必要であるとしている。理解できない本に関しては、読めるようになるまで待つべきであり、マンダラの中心となる入門書を読むことで、さまざまな考え方を知り、自身の人生戦略を描くべきである。人生戦略を描く際には、20年後を見据え、中長期的に成長する産業に身を置くことが勧められる。30代、40代はマンダラの2階層目に踏み込むことが特に推奨されており、組織や財務の知識は全ての人にとって有益である。

『読書を仕事につなげる技術』の要点を加工

本書の主張を私なりに解釈するとこんな感じです。
✓重要な2割の本をしっかり読み込めば良い。最新の本に飛びつき、時間を浪費する必要はない
✓必要なタイミングで、必要な本を読む

主題で掲げる”最新のトレンド”から若干離れていますが、あれもこれもと手を出さす、必要なものを必要なだけ学習するのが得策というエッセンスは抽出できそうです!

賢いトレンドの追求をしていきたい

最新のトレンドに全て対応しようとすると、情報過多による疲弊を招く恐れがあります。「最新のトレンド」という聞こえのいい言葉に翻弄されることなく、自分の専門性や興味に基づいてトレンドを選択し、活用することが重要です。
専門外のトレンドについては、必要以上に追わず、自分の成長と成功に直結する情報に焦点を当てるべきかなと。

何事もバランス力が問われますね~~ひええ

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