夢中

3年担任となり、初の4月の学級開きからのスタートで、学級担任向けの本をたくさん買って読み漁って、いろいろ試して、上手くいったり、反応があまりよくなかったものは修正したりして、やっていった。

1人、45分集中するのが難しい落ち着きのない男の子がいた。喧嘩も絶えなかった。
やってはいけないことをわかっていても、やりたい気持ちの方が勝ってしまう、そんな子だった。

だから、なんか友達を叩いてしまったり、友達の新しい定規をめずらしくて触りたくて、割ってしまったり、あらゆることで、指導しなければならないことが多かった。

相手の子に謝らせる、相手と男の子の保護者に報告する、と常にそんなことの繰り返しの毎日だった。

その男の子は児童相談所で発達相談を受けていて、特別支援学級には在籍していないが、配慮を要する児童だった。

でも、結局は担任との関係が大きいので、その子の成長と心中する覚悟(大袈裟だが)を決め、何とか1年を乗り切った。

決して上手くはいかなかったが、一年乗り切ったことは自信になった。

その次は、5年生6年生と持ち上がりで担任をした。初めて卒業をさせた学年だった。2クラスで一緒に組んだのは、正規で採用されてる教員ではなく、常勤講師を数十年続けてきた高学年担任のスペシャリスト(男性)だった。

しかし、その先生はスケジュール管理と会計、パソコンは苦手だったので、その部分は任されたので、責任感持って取り組んだ。結果的に力になった。

そして、引きこもり相談の経験からか、クラスの中心になるような子よりも、遅刻ばかりする子や勉強が全く苦手な子が気になり良く関わった。

でも、それ以外の面、授業や学級経営では、決して上手くはいってなかった。
5年担任で2泊3日の林間学習。6年担任で修学旅行、卒業式を経験した。

そして6年担任の次は、何と!また6年担任となった。最初に1年間3年生で持った子たちだった。

主任は彼らを4年連続担任して、圧倒的存在の方だった。もう1人は、この学校に来るきっかけを作ってくれた、採用試験で出会った彼だった。そして、クラスの子どもたちは、3年で担任した子が割といて、それは嬉しかった。

ただ、5年6年の持ち上がりではなく、いきなり6年、2年連続6年というのは、なかなかやりにくいものがあった。それでも、いろいろと勉強になった。

とにかく、1日1日、1年1年が勝負で、一心不乱に夢中で過ごした時間だった。

その次は、4年担任、しかも学年主任をすることになった。教員経験5年目、採用されて3年目と、年齢的には年相応だが、早いな。もう主任か。と思った。

その時は、まさか3年持ち上がりで担任するとは思いもしなかった。

つづく

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