見出し画像

百貨店のベテラン販売員さんが教えてくれた薄紙の袋

私は物を作って販売するお仕事をしています。

先日参加した百貨店の催しで、売場で色々教えてくださったベテランの販売員さんが「これ使ってね」と大小サイズの違う紙の束を渡してくれました。

その紙は封筒型に折られており、お客様が購入した商品を入れるための袋でした。

「薄紙(うすし)」と呼ばれる、よくラッピングに使われる薄~い紙を、手の空いた時に一つ一つ折って作り置きするのだそうです。

しかも、その百貨店によって折り方や紙のツルツルした面を表にするor裏にするなどルールも違うそうなのです。

もしかしたらご存知の方もたくさんいらっしゃるのかもしれませんが、今まで透明フィルムの袋を使ってきた私にとってはそれが当たり前だと思っておりましたし、業界の常識でもありましたので、もうそれはそれは驚きだったのです。

私はすぐにこの折り方を教えてもらいました。

「ここの部分に商品を入れるのよ」
「こっち側に入れちゃうと商品が落ちちゃうから注意してね」
と、入れ方のポイントも教えてもらいました。

昔はフィルムの袋が簡単に手に入らない時代だったのでこうするしかなかったそうですが、柔らかい紙の方が商品を傷付けず優しく包める点は断然優れています。

フィルムの袋が手に入る時代になっても薄紙で作った袋でお客様にお渡ししたいという気持ちに、丁寧さやプロ意識を感じました。

しかし、ブランドのお店などではそこで決まったラッピングがありますし、若い百貨店の社員さんはこの薄紙袋の存在すら知らない人もいるそうです。
実際私も初めて見ましたし…

こういう手間のかかるものって、代わりのものが手軽で便利であるほど失くなっていくものだと思うのですが、

効率を良くするだけでは得られないような温かさや、相手に喜んでもらいたいという気持ちまで失くなっていくのは寂しいなぁと感じました。

この袋の存在を教えてくれたベテラン販売員さんに出逢えて良かったです。

これからは自分でも折って使っていこうと思います。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?