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延江浩『松本隆 言葉の教室』にて(瑠璃色の地球)

ポール・ヴァレリーの記事をどう書くか悩んでいるときに、近所の本屋で、何となく気になり、この書物を手に取りました。パラパラとめくって、「あとがき」を覗くと、ヴァレリーの名が出てきました。買うでしょ?

 人間は頭が良くなっちゃって、コミュニケーションがとりにくくなってるでしょ。動物だと、ライオンが来たぞって空気でわかってピッと耳が立つけど。人間はそうした本能が薄くなっちゃったから、努力しないとコミュニケーションがとれない。とくに都会では隣に誰が住んでるかもわからないし。それは困った問題で。そういうのを歌で埋められないかなってことは考えていた。コミュニケーションだよね。言葉と歌でコミュニケーションをとりたい。そう思ってやってきて、いま、作品が歌い継がれているのを見ると、ぼくのやり方はそう間違ってなかったと思えます。

――p.9 はじめに

この書物は、松本隆さんが話したことを延江浩のぶえひろしさんが文章にしています。

「瑠璃色の地球」はいろいろなところで話していることだけど、ちょうどこれから母親になろうとしている(松田)聖子さんに書いたもので、「大きな愛の歌を」という思いがありました。世界的にも自然保護のことが言われるようになった時期で、地球とか星とか宇宙とか、そういうスケールの大きなほうに向かっていった詞です。「青い地球」でも「蒼い地球」でもなくて、「瑠璃色の地球」。
 瑠璃は宝石でいうとラピスラズリだね。クレオパトラが使ったともいわれている。紫がかった濃紺で、透き通っている。魔力が強い。
 2020年のコロナ禍では、「『瑠璃色の地球』をみんなで歌おう」という話になって。たくさんの人が参加してくれて、歌の力を改めて感じました。
 
 
    瑠璃色の地球
 
  夜明けの来ない夜は無いさ
  あなたがポツリ言う
  燈台の立つ岬で
  暗い海を見ていた
 
  悩んだ日もある 哀しみに
  くじけそうな時も
  あなたがそこにいたから
  生きて来られた
 
  朝陽が水平線から
  光の矢を放ち
  二人を包んでゆくの
  瑠璃色の地球
 
  泣き顔が微笑みに変わる
  瞬間の涙を
  世界中の人たちに
  そっとわけてあげたい
 
  争って傷つけあったり
  人は弱いものね
  だけど愛する力も
  きっとあるはず
 
  ガラスの海の向こうには
  広がりゆく銀河
  地球という名の船の
  誰もが旅人
 
  ひとつしかない
  私たちの星を守りたい
 
  朝陽が水平線から
  光の矢を放ち
  二人を包んでゆくの
  瑠璃色の地球
  瑠璃色の地球

――pp.99-103 レッスン5「リズムとバランスと美意識」

今朝、オラクルカード(daily crystal inspiration)をシャッフルすると、ラピスラズリ(lapis lazuli)が飛び出しました。記事にするでしょ?

以上、言語学的制約から自由になるために。