統計検定準1級(CBT方式)に受かったので感想を書く
統計検定準1級(CBT方式)に2021年9月27日、一発合格しました。
感想や今までに勉強したことをここにまとめます。参考になれば幸いです。
プロフィール
・統計検定2級所有(2020年9月)
・最終学歴は専門学校卒
・高校は進学校理系で数III・Cまで経験済み
・27歳(高校卒業~統計検定2級勉強開始まで数学はほとんど触れてない)
・仕事は自社アプリの効果検証/データ集計・抽出/BIツール開発 等
受験した感想
■内容について
問題はいずれも、「統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック」の内容に沿っているな と思いました。
「202107版」のCBT準1級対策としては、上記参考書をひたすら覚えるのが合格へ近づく鍵かなと思います。
2021年の統計検定準1級PBTの難易度が、2019/2018年とくらべて難しすぎるという話を聞いてだいぶ恐れていましたが、2021年CBTはそこまでではなかったです。
勉強した参考書やWebサイト
勉強期間は2021年10月~2021年9月までの1年間です。
「統計検定準1級」に絡んだもののみ紹介しています。
32章を除き8割方の章は例題に対して慣れるまで繰り返しました。
また、試験日2か月前から暗記カードを作成し、暇なときはこれをみて覚えていました。
かなり広い範囲で紹介されていて、この本だけでCBT準1級についての網羅はできるのですが、軽い説明のような形で終わっていることが多いので、統計学について纏まっている本や、後半の章の内容であればそれぞれの専門書を買っておいた方がいいと思いました。
■日本統計学会公式認定 統計検定 1級・準1級 公式問題集[2018~2019年]
準1級部分をほぼ完璧に理解できるレベルまで繰り返し勉強しました。
1級部分は興味で見る程度でしっかり行ってはいないです。
分からない部分は統計学実践ワークブックで確認した形です。
2021年6月PBTの問題についても印刷して勉強しました。初見ではめちゃくちゃ難しかったです。ですがその結果焦りが生まれたので、多分やらなかったら合格してなかった気がします。
各分布のモーメント母関数導出やフィッシャー情報量の導出等で用いる微分積分理解の為に勉強しました。1~6章くらいまでをサラっと行い、都度見ていく形です。
3章/4章を一番よく参照したと思います。
統計検定2級の勉強の時から用いています。6割程度の章は読み込んで理解していると思います。
準1級での勉強としてはあまり用いた気がしませんが、昔から読み込んでいるからだと思います。統計学実践ワークブックしか持っていない方はお供として持っておいても良いと思います。
こちらも統計検定2級の勉強の時から用いています。
勉強の為というより興味で読み込んだ本です。こちらも、まんべんなく6割程度の章は読み込んでいますが、そこまで理解はしていないです。
統計学入門同様、2020年後半あたりに読み込んだ為、準1級の為に勉強したという感はあまり無いですが、持っておいても損はないと思います。
が、分散共分散行列を用いた主成分分析やフィッシャーの線形判別については内容が無いので、そこはカバーできません。
時系列データに興味があり、2020年後半に購入しほとんど読み込みました。
準1級範囲である時系列の内容ももちろん網羅していますし、状態空間モデルの説明もあります。おすすめの本です。
「Rによる」とありますが、Rでの時系列分析に使えるライブラリの紹介のようなもので、ほとんどが数式ベースの内容です。
が、しっかり理解するにはRやPythonで実際にそのようになるか実装してみるのが良いと思いました。
2021年PBTの選択問25では、この本の91pに記載されている「ユールウォーカー方程式」を用いることで答えを出すことができます。統計学実践ワークブックには載っていません。
脱線しますが状態空間モデル・カルマンフィルタについてはこの記事がめっちゃ分かりやすいです。
2021年の4月あたりに購入し、3章まで読みました。
統計検定1級での参考書としてよく用いられているみたいです。
各分布モーメント母関数の導出も 「なぜそう至ったのか」の説明が詳しく分かりやすい&問題の数が多い のでこの先も読んでいきたい本です。
変数変換についても詳しく載っています。統計学実践ワークブックを経て深堀したい人にはいいと思います。
主成分分析/線形判別で用いる固有値と固有ベクトルの導出や抑々の行列計算思い出しのために用いました。
「なぜ」部分までかなり分かりやすいので、行列計算を忘れてしまった人にもめちゃくちゃおススメです。索引が無い事だけちょっと残念です。
PythonのPyMCライブラリを用いてベイズ推論を試せる本です。
統計検定2級勉強時の興味で購入していますが、MCMCや事前共役分布によるベイズ推定などのぼんやりとした「感覚」はこの本のおかげで分かった感じです。その後参考書でベイズについて勉強しました。
事象例と共に楽しく勉強するならおススメかな~と思います。Python3版はGithubに公開されています。
各分布のモーメント母関数導出や時系列分析、ベイズについて分からない時はとりあえず参考にしてました。利用頻度としては高めです。
どのページかは忘れましたがy0he1さんの解説が分かりやすすぎて個人的に圧倒的な信頼を勝手に置いています。
■ 統計WEB
統計検定2級の内容を中心に掛かれているのですが、準1級勉強時でも内容を分かりやすく理解したいとき、このページはおススメです。
分散分析の手計算や決定係数、点推定などの理解に使っていました。
微分積分の計算方法思い出し、対数の計算方法や行列について等、計算系で分からない時に使っていました。というより分からない時に検索して良くヒットして利用していました。
感動したので紹介します。
統計学実践ワークブック308pの「負の二項分布と呼ばれる分布である」の式変換に「は?」となっている人は上記ページを見れば絶対に分かります。
■ そのほか準1級繋がりで買ったけど使用していない参考書
・マルコフ連鎖モンテカルロ法
・生存時間解析
・サポートベクトルマシン
・異常検知と変化検知
「準1級に合格する」目的であれば、各分析手法についての専門書は、序盤だけ理解すればよくこれらの本はあまり必要なかったです。
もちろん興味があればもっと先に進んでいけるので、持っていても損はないと思います。自分は時系列が一番興味があったので、Rによる 時系列モデリング入門をまず先に読み、これらはそこまで着手できていませんでした。
最後に
繰り返しになりますが、2021年統計検定準1級CBTは「統計学実践ワークブックを覚える」をベースに勉強したほうが良いと思いました。
難易度としてはそこまで難しい印象はなく、統計学実践ワークブックの例題を少しだけ改変したものも割とありました。
実は、当日電卓を忘れて急いでコンビニで購入し、√計算ができない電卓で挑んだのですが、√計算自体も用いるのが2・3回程度で、「計算力」というよりも「覚えているかどうか」が主軸な気がしました。
CBTなので、記述も答えに累乗が入るようなものはまずないんじゃないかと思っています。指定された分布についてのモーメント母関数や最尤推定量、フィッシャー情報量の導出はあまり網羅しなくてもいいのかもしれません。
今後ですが、統計検定1級は一旦目指さずに、方向性を変えて
・kaggleやsignateなどのコンペ
・これらの分析を実装し組み込むプログラミング能力
・発信力を高めるための活動
に注力していきたいと思います。
ここまで閲覧していただきありがとうございます。
準1級合格を目指している方の助けになれば幸いです。
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