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1/q | #6 Satoru Nakamura(quantum Venture Architect)

領域を問わず、これまでに存在しなかった新しいサービスやプロダクトの開発に取り組むquantumには、非常に多様な専門性と経験を持ったメンバーが在籍しています。 "あらゆる才能を重ね合わせ、まだ世界に存在しないプロダクトをBuildする" このミッションを達成するため奮闘する、quantumメンバーのひとりひとりがそれぞれどんな思いを持ってこの場所に集い、日々を過ごしているのか取材するシリーズがこの1/q(キューブンノイチ)です。
第6回目に登場するのは、Venture Architectの中村 覚です。

中村 覚 Venture Architect Senior Manager
●なかむら・さとる 博報堂およびTBWA/HAKUHODOでのストラテジックプランニング職を経て、quantumに参加。これまでに、観光客の行動履歴データを活用したナビゲーションシステムの開発、流通の購買体験を拡張する食のプラットフォーム事業の設計、AIを活用した予測サービスの立ち上げなどの新規事業開発に従事。また企業内起業家を育成するスタートアッププログラムの設計と実施にも携わる。quantumと朝日インテックが共同で立ち上げた100年歩ける身体を作る「walkey」の開発においては、プロジェクト全体のリードを担当した。


quantum入社まで、どんな道を歩んできた?

社会人としての最初のキャリアは、博報堂のマーケティングの部署にいて、ビールやトイレタリー、車といった、いわゆる大手企業をクライアントとする、王道のマーケティング業務を担当してきました。

ただ、成熟市場のマーケティングはポジショニング争いやマインドシェアの奪い合いがほとんどで、それよりも今はまだ存在しない新しい市場や新しい未来を作ることのほうに魅力を感じるようになり、新規事業開発に興味を持つようになりました。同時に、これまで培ってきた「生活者発想」の考え方は、スタートアップの手助けになるという確信もありました。

そうした想いが徐々に強くなっていったこともあって、博報堂関西支社に所属していたころ、「事業の上流にさかのぼるべきだ」という趣旨の上申書を書いて上司に提出したことがありました。実はその頃上司も同じようなことを考えていたらしく、このことがきっかけで社内に“HACKTS”というチームが発足したんです。

博報堂関西支社は産学連携に力を入れていたので、たとえば関西の大学の技術と、広告会社発のマーケティングスキルを組み合わせて世の中になにか打って出ることはできないか、などと試行錯誤していました。

quantumに入ったきっかけは?

“HACKTS”の活動も含め、引き続き関西支社でいろいろとチャレンジを続けていたのですが、2018年頃からquantumの話が頻繁に僕の耳にも入ってくるようになりました。

正直なところ、quantumの話を聞くたびにショックを受けていました(笑)。様々なプロジェクトが具体的に動いているし、企業との共同案件も増えてきていて、すごくキラキラ輝いて見えました。quantumが開発に関わって実際にすでに稼働しているサービスもあるし、エンジニアやデザイナーといった多彩な人材が社内に揃っているということにも驚きました。

それで、関西から東京に異動になるタイミングでquantumに入りたいという希望を出して、それから紆余曲折はあったのですが最終的にジョインすることができて、今に至ります。

中村が参加した頃のquantumオフィス。このスペースで様々なワークショップやイベントを実施。

働く環境や普段の仕事の様子。ワークスタイルについて聞かせてください。

定期的に関西に出張に行ったり、開発中の事業に関連して現場に行ったりというのはありますが、quantumのオフィスに出社するのは今は月に1回くらいですかね。それ以外は自宅でリモートワークを行っています。

リモートメインで仕事をしていると、移動時間すらなくミーティングの予定でギチギチになってしまうことがあるのですが、一人でしっかり考える時間がなく打ち合わせだけしても良い議論にならないと思うので、週に1日はミーティングを入れずに、思考を深める時間を確保するようにしています。

新規事業開発はスピードを求められることが多いからこそ、あえて意識的にしっかり考える時間を持つことが大切だと思っています。自分はリード的な立場でプロジェクトに関わることが多いので、俯瞰して先のことまで考えるようにするためにも、日常のミーティングから切り離して落ち着いて考える時間をとることが必要なんです。

アフターワーク、オフの日。どんな風に過ごしていますか?

週末はどちらか1日は外に出て、もう1日は家にいる、というのがいつのまにか我が家のルールになっています。外出する日は美術館に行ったり、買い物をしたりして過ごしています。東京にいると、やっぱり自然に触れることも少ないので、生き物として大切なものが失われる気がしていて(笑)、現在都外への引っ越しを予定しています。日常的に自然に触れ合うことで五感を開きたいですね。

実は博報堂関西支社に居た時は格闘技をやっていたんです。はじめたきっかけは、周りがアメフト部ばかりでみんな体格がすごく良くて、このままではいけない、と思ったので(笑)。普段は頭ばかり使っているので、体の感覚がバチッとハマる気がしてすごくよかったんです。怪我をして辞めてしまったんですが、それから自分の中でバランスが崩れたなあとも思っていて、何か体を使う趣味を始めようかと模索しています。引っ越したらそれこそ農業でもやろうかなと思っています。

家にいるときは本を読んでいることが多いです。今は自分の中で「仏教」がブームで、仏教に関連する本ばかり読んでいます。もともと日本文化や日本美術は好きだったのですが、それらには根底に仏教があるので、避けて通れないなと思って興味を持ったのがきっかけです。仏教は宗教の中でも最もロジカルな部類のものだと感じていて、お釈迦様が説いた内容というよりも、真理にいきつくまでのプロセスや構造化などに興味があります。

最近のおすすめは『ゆかいな仏教』という本です。入門書としてはわかり難いところもあるかもしれませんが、自分の疑問解消のためには良著でした。

中村が所有する仏教関連の書籍の一部。

サービスやプロダクトを通して作りたい未来の姿とは?

世の中どうしても、声の大きい人やいわゆる有名人の存在感が大きくなりがちですが、そうした人だけが素晴らしいわけではない、という風に考えていて「普通に過ごしている人、みんなが素晴らしい」ということを伝えていくような取り組みができたらと常々考えています。「無名な人/普通の人」の持っている価値を発掘するようなことをやっていきたい。

実は個人的に本棚共有アプリをつくっていて、まだ試作段階なのですが、これもそんな想いから作りました。

お互いの持っている本、思い入れのある本などを共有して、
本を通じてコミュニケーションを図るサービス「WONDER RACK」※試作中

もう一つは、優劣で人を判断しない世界にしたい、ということですね。たとえば、健常者と障がい者という考え方であったり…目に見えなくても誰にでも何かしら欠落している部分があるじゃないですか。仕事をしていても、それぞれが違った得意分野があり、苦手な部分もあり、それらが掛け合わさって一つのものができていくのを実感するんです。「優劣ではなく、違いを認め、お互いリスペクトし合える、そんな世の中がいいよね」というメッセージを発信できる事業を作れたらいいなと思っています。

改めて、quantumってどんな会社ですか?

前の話にも繋がるのですが、みんな得意不得意がバラバラで、同じプロジェクトに向き合っていても、自分と違うアプローチの仕方をしていたり、自分には無い能力を持っている人と働くので学ぶことがすごく多いです。

そういう個性を尊重して、お互い向き合えるquantumで働いているこの時間がすごく幸せだと思いますね。

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Interview and text / Masako Sato・Aki Ogata
Edit / Shunsuke Kimura
Banner design / Tomomi Koseki


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