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1/q | #8 Taro Fumizono(Product Manager)

領域を問わず、これまでに存在しなかった新しいサービスやプロダクトの開発に取り組むquantumには、非常に多様な専門性と経験を持ったメンバーが在籍しています。 "あらゆる才能を重ね合わせ、まだ世界に存在しないプロダクトをBuildする" このミッションを達成するため奮闘する、quantumメンバーのひとりひとりがそれぞれどんな思いを持ってこの場所に集い、日々を過ごしているのか取材するシリーズがこの1/q(キューブンノイチ)です。
第8回目に登場するのは、Product Managerの文園 太郎です。

文園 太郎 Product Manager
●ふみぞの・たろう 明治学院⼤学⽂学部芸術学科で映像芸術を専攻。その後、プロダクションマネージャーとして映像制作会社でキャリアをスタート。WEB制作、TVCM、映画等を⼿がける。その後、エクスペリエンスディレクターとしてPepper等のロボットのディレクション、AIディレクション、インタラクティブコンテンツの制作を担当。サービスデザイン/ワークショップデザインを学んだ後、quantumにプロダクトマネージャーとして参画。2022年からCreative&Growth部門にて、クリエイティビティをベースとした新規事業開発を担当。プライベートではラッパー、DJ、映画製作、イベント制作、ポッドキャストなど、ボーダレスに活動中。

quantum入社まで、どんな道を歩んできた?

社会人としての最初のキャリアは映像プロダクションです。ウェブコンテンツや映像を制作していました。この会社がquantumの元親会社であるTBWA HAKUHODOと仕事をしていたので、当時在籍されていた現quantum役員の松倉さんとお仕事をご一緒していました。その縁でquantumの立ち上げ期に一緒に仕事をしたことがあります。

映画監督を目指していたため、キャリアの第一歩として映像制作の道を選びました。その選択には、母はコピーライター、父は広告会社のクリエイティブディレクターとして働いていた家庭環境も影響しています。父親が作ったCMの映像を小さい頃から自宅のテレビ見ていて、映像の世界にずっと興味がありました。小学生の頃から自分でも映像作品を作るようになり、大学では映像の評論を学びました。

私が新入社員だった2012年頃はインタラクティブコンテンツの全盛期で、自分も最初は映像制作ではなくインタラクティブコンテンツの制作部署を希望して所属しました。その後、インタラクティブコンテンツのブームが終わりを迎えると、会社は組織改編を行いました。この変化をチャンスと捉えてCM制作部への転属を希望し、映像制作に専念しました。

映像プロダクションの仕事は、やりがいと、貴重な学びがたくさんありました。しかし、キャリアパスを考える中で映像制作以外の領域にもチャレンジしてみたいと考えるようになり、ご縁があってデジタルの制作会社に入社しました。

最初の担当業務は、ロボット用のシステムやアプリケーション開発でした。その会社で、私はVCI(Voice Control Interface)の脚本と演出を手がけ、AI指向のプロジェクトを多く担当しました。また、引き続き映像制作のディレクションも担当したり、テクニカルディレクターとしても活動し、多岐にわたる技術的な課題に取り組みました。最終的には、UXデザインの知見から、サービスデザインやワークショップデザインまで担当し、事業開発の領域に携わりました。さまざまなエンターテインメントコンテンツを創出する環境が整っており、制作のプロフェッショナルに囲まれていたため、この会社はものづくりの現場として非常に刺激的でした。ものづくりが好きな自分にとっても、学びが多い最高の場所でした。

その会社に在籍していた頃、松倉さんからのお声がけで、現在の『BATTEKI!!』 につながるテアトルアカデミーさんとの新規事業開発プロジェクトに事業開発担当として参加することになりました。プロジェクトに関わる中でquantumへのお誘いをいただき、当時、自分自身の興味もコンテンツ制作から、事業で社会課題を解決することへとシフトしていたので、ご縁とタイミングを感じてquantumに入社しました。

quantumでどんな仕事をしてきたのか?

入社当初、『BATTEKI!!』プロジェクトにプロダクトマネージャーとして参加し、プロジェクト全般のマネジメントを担当しました。チームと共にプロジェクトの方向性を定め、各ステージの進行を確実に行いました。

また、UXの向上を目指し、インタビューに基づくリサーチを通じて、ユーザーのニーズと問題点を深く理解しました。このリサーチは、UIの開発方向を指導する貴重なデータを提供しました。プロダクト開発に留まらず、ビジネスモデルの開発にも深く関与しました。広範な業務経験を通じて、複数部門を横断するプロジェクトの推進力として役割を果たす能力を高め、quantumでのキャリアを積極的に形成することができています。

現在は担当領域が増え、プロダクトマネージャーだけではなくプロジェクトオーナーを担当しています。予算管理、企画提案、制作物のクリエイティブコントロールまで、プロジェクトによって様々な役回りを担当しています。

自分が望んで、職域を制限しないスタイルで働かせてもらっています。とはいえ全てを一人でやっているわけではなくて、課題と目的によって、quantumのプロフェッショナルたちに頼ることが多いです。

quantumでの経験を通して、心がけていることがあります。仕事のスタイルとして、自分の考えをしっかり伝えることです。パートナーさんと会議をしていても、間違っていると思ったら「もっとこうした方がいいのではないか」と、自分の意見を提案するようにしています。

ディスカッションで反対意見を言わない方がその場は丸く収まります。しかし、quantumのミッションは「クリエイティビティを軸とした事業開発によって、新しいプロダクトやサービスを創り出す」ことです。企業のプロジェクトに外部から関わっていく立場であればなおさら、違和感を覚えることに対しては「ここはこうした方が良い」と意見を述べることが求められています。いい点も悪い点も客観的な評価を伝えることが、自分たちの価値であると考えています。そういう意識で取り組まないと、課題を解決するプロダクトは作れません。

自分の意見の伝え方も、quantumで学びました。アンケートやインタビュー結果など、ファクトをもとに話すことを特に意識しています。

最近読んだナイキ創業者フィル・ナイトの自伝『SHOE DOG』に記されている社訓、「If we do the right things, we’ll make money damn near automatic.(正しい行いは、おのずから利益を生む)」に深い感銘を受けました。読書が趣味なので、先人の起業家が残した言葉からも学びを得ています。

『SHOE DOG』のほか、文園さんが悩んだ時など折に触れて読み返す本の一部。


働く環境、普段の仕事の様子。ワークスタイルについて聞かせてください。

リモートワークがベースで、必要に応じて会社や現場に行っています。出社するのは全社員が集まる定例会議、プロダクトなどの実物をチェックする必要がある時、あとは対面じゃないとできないミーティングをする時です。

いろいろな意見があると思いますが、私はリモートワークで作業効率が上がっています。出社のための移動時間が無いのが非常にありがたいです。また、リモートの会議の方が参加者に資料を見せやすく、ディスカッションしやすいです。最近、議事録は音声認識を活用して書き起こししているので、クリアに録音もできて便利です。一方で、アイディエーションなど、ホワイトボードを活用したり、ハードなディスカッションをしなければいけない時は、オフラインを選択します。チームでのアイディエーションは絶対に対面のほうがいいです。

リモートで仕事することが前提になったため、家の仕事環境を整えています。直近では、ハードウェア・キャリブレーションができる4KUHDのディスプレイを購入しました。自宅でrec.709やAdobe RGBのカラーコレクションができるので、重宝しています。

一人作業で集中力を維持するため、27インチのディスプレイ1枚というスタイルにたどり着いた。

よっぽど急ぎの案件がなければ、18:00には仕事を終わらせます。料理が趣味なので夕食を作りたいのと、プライベートな時間を有効活用したいためです。とはいえ、業務時間外でも仕事と関連のあることをいつも考えています。自分はプライベートと仕事をしっかり分けることはなく、常日頃から考えていることで良いシナジーが生まれています。

文園さんがquantumで得ているものとは?

世の中の課題を解決する事業を生み出したい。そのために私は、事業開発のプロフェッショナルであることを心がけています。quantumはまさにその成長ができる場所だと感じています。

例えば、広告業界をルーツに持つメンバーとプロジェクトを進めていると、指標やテーマを立てて引っ張っていくのがすごくうまく、学べることがとてもたくさんあります。今議論しているところの一段上の整理をする視座が、プロジェクトをいつもいい方向に進めてくれます。

事業開発をやっていると、実証実験やインタビューの結果に右往左往することが多くあります。指標が立つことで、目的に向かって前に進むことができる、ということを目の前で学んでいます。自分は制作業界がルーツなので、ついつい手を動かすことに引っ張られてしまい、眼の前の事実に引っ張られて、ああでもない、こうでもない、と悩んでしまうことが多くありました。

そういう自分に足りない部分で、実践でしか学べないようなことを、quantumのメンバーと仕事をしているとたくさん学べます。仕事を通して自分も成長出来ていると感じることのできる、この環境に感謝しています。

アフターワーク、オフの日。どんな風に過ごしていますか?

2023年の年末に短編映画を1本撮りました。「映画を作りたい」という思いはずっとありましたが、思い切ってチャレンジしてみました。

きっかけは様々ありますが、quantumの業務でも気付きがありました。新規事業開発のプロセスで実施したインタビューで課題を聞くと「やりたいことがあるが、他のことで忙しくてできない」と話す人が多くいることに気づきました。インタビューを分析する過程で、やりたいことにチャレンジしない理由を、自分の中ではなく外部の状況に委ねているのではないか、忙しさはあとから付いた理由なのではないか、と考えるようになりました。そして、私自身も同じ理由で挑戦を躊躇していたことに気付かされました。なので、自分の気持ちに正直に、やりたいことに素直にチャレンジしています。これは、仕事においても一緒です。

実際に、やりたかった映画制作を小さい規模でも実現出来ました。やってみると、助けてくれる友人がたくさんいることにとても驚きました。やりたいことができる環境なのに、挑戦していないだけだったとわかりました。今は、新しい作品のために、脚本家の通信講座を受講しています。

新しい作品のために、脚本の勉強や、テーマ探しを続けている。

サービスやプロダクトを通して作りたい未来の姿とは?

最近、「優れたプロダクトの機能としての組織」を作るということに興味があります。多くの人が、帰属している会社や組織、チームに対して「ここが駄目だ、でも変わらない」と思っているんじゃないでしょうか。自分もそうでした。だったら、自分が理想とするチーム、組織には何が必要なんだろう、それを作って運用したらどうなるんだろう、と、最近は考えています。

これは日頃の事業開発業務で、事業計画において「組織、チーム」が事業の成功確率に多大な影響を与えると感じることが多いからでもあります。

働く人たちが100%のパフォーマンスを出すことができて、会社としても成果が出る、応用可能な組織メソッドを作れないか、日頃から考えています。
これはquantumにいるからこそ、出てきた発想です。quantumの業務を通して、組織論やチームメイク、座組み、評価、人事評価がビジネスモデルの収益効率と直接的に紐付くことを学びました。

チームメイクもプロダクト開発の一部であり、プロダクト開発において欠かせない要素だと、最近は考えています。

改めて、quantumってどんな会社ですか?

たくさんのチャンスがある会社です。最初はどれがチャンスかわからなかったんですが(笑)、5年在籍していて、やっとわかるようになってきました。例えば、企業の社長や経営層の方と話す機会が多いことも、すごく恵まれたチャンスの一つだと思います。私の日常生活では、絶対に出会えない人たちと、仕事をすることが出来ます。貴重な機会のなかで、多くの気づきも与えてくれます。

また、quantumは自分次第でいろんな仕事の仕方を選ぶことができます。自分がやりたいことと、日頃の業務の間で、壁にぶちあたったときにも「すぐ転職」という選択肢ではなく、仕事の種類や、やり方を変えながらチャレンジすることに、共感してくれる会社です。自分の場合は、仕事内容を極力自分の得意な領域、あるいは好きな領域に繋げています。好きなこと、興味があることに取り組む事が、もっとも力を発揮しやすく、結果的に会社の成果にもつながると考えています。

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Interview and text / Masako Sato・Aki Ogata
Edit / Shunsuke Kimura
Banner design / Rui Kajiwara


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