【嬉しかったこと・10.09.2020】
リシケシに始めて来た時に、観光案内の本を見て、訪れたレストランがある。
そこは、ラクシュマンジューラ橋のすぐ近く。
店に入ると、ガンジス川に面した半屋外に、靴を脱いでくつろげる「お座敷」がある。
インヨガで使うボルスターみたいなクッションが転がしてあり、天気がいい日には、そこでWi-Fiを使ったり、本を読んだり、書き物したりしながら、ゴロゴロできる。
いつもとても親切にしてもらっていたのも手伝って、居心地が良過ぎて長居してしまうお店の一つだった。
インドのロックダウン以来、ずっと閉まっていて、近くを通るたびに寂しくて、「他のお店は開いてるのに、まだ開かないってことは、もう開かないのかなぁ・・」とハラハラしてた。
ところが、昨日、その先にある店に行こうと、橋を渡っていると・・明かりがついてる!!!!
ずっと片付けてあった、敷物やクッションが並んでる!
当然予定変更。
レストランに駆け込み
『ナマステ!」
懐かしい笑顔が迎えてくれた。
「もう心配したのよ!ウエルカムバック!!!」
「サンキュー!」と
手を取り合って喜びの再会だった。
さて、今日も時間ができたので、そのレストランへ。
でも、朝からちょっと食べ過ぎてしまって、売り上げ協力でオーダーしたいのにお腹が空いていない。というか満腹で入りそうにない。
とりあえず、いつもより高いABCジュースを頼んで、のんびりしていたら、天気が良くて気持ちよくて、いつの間にか眠ってしまった(笑)。
ガンジス川の流れを見ながらぼーっとしていると、心が静かになって、周りのBGMや人の話し声も遠くに聞こえる。
お客さんも少しずつ入ってきていた。
日が暮れていく。
何かオーダーしたいけど、まだ満腹。
動いてないから当たり前か。
レジに行くと、店主が座ってた。
「ありがとう。とても居心地がよかった。」
「オンリー150ルピー!」
「あ、ごめんね。何か食べようと思ったけど、朝食べ過ぎてお腹いっぱいで。」
「いやいや、いいんだよ。いつでもおいで。君が座っててくれると、橋を渡る人に店が開いていることがわかるからさ。」
「あ!私ね、今日はそう思ってきたの!」
「ありがとう!だからいつでもおいで。そして座ってて。」
「わー、そんな風に言われると、嬉しい。
うふふ。知ってる?日本語でね、これを『サクラ』っていうのよ。『サクラ』は日本の代表的な美しい花なんだけどね、綺麗な花が見えると人が寄ってくるでしょ。最初に人がその場所やサービスを見つける目印みたいな役割の人のこと。」
「『サクラ』か・・いいね!君は一日中座っていいよ!」
「あはは。ありがとう^^ 帰る前にトイレ借りていい?」
「もちろん!」
トイレから出てくると、店主がまた話しかけてきた。
「うちの店はね、君が思ってるより広いんだ。
君の気に入っている席だけではなくて、奥にも屋上にもたくさん席がある。だから、オーダーしなくても来て、君の好きな場所に座っていていいんだよ。
客が増えても気にせず座っていいんだよ。毎日来ていいよ。」
彼は、ロックダウンで長く滞在している私を、お金がなくてオーダーできないのだと思ったのかもしれなかった。
実際にそんな人もたくさんいるのかもしれない。
そんな理由で店に来なくなるようなことがないように、声をかけてくれたんだ。
「ありがとう!また来るよ!」
と、言って外に出た。
この店では、5年前にもたくさんの優しさをもらった。
その話はまた書くとして・・
きっと彼は私だけではなく、多くの人に同じ優しさを配ってきたんだろうな。従業員の顔ぶれが長い間変わらないのも、うなづけたりする。
店主の思いはとても優しく私の心を包んだ。
ラクシュマンジューラ橋を渡りながら、ガンジス川と店の明かりを振り返って、手を合わせた。
インドリシケシ「ガンガー・ビーチ レストラン」にて。
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