【中国】売上110億円、純利益44億円の子供向けコンテンツ企業BabyBus
クオン(※)中国支社代表の佐藤です。中国で日本や韓国のキャラクターを展開したり、逆に中国のキャラクターを日本や韓国に展開したりしています。
(※)株式会社クオンは2022年1月に経営統合し、株式会社Mintoとなりました。Mintoはアニメ・漫画などのエンタメビジネスをアップデートするスタートアップです。世界4カ国に拠点を持ち、コンテンツ×広告、越境IPプロデュース、Webtoon、Web3・メタバースの事業を展開しています。
今回は深圳証券取引所へ上場申請を行ったBabyBusを紹介します。
BabyBusは知育アプリをグローバルに展開する中国企業
私がBabyBusを知ったきっかけは、YouTube上で子供向けに展開しているアニメーションを調べている時でした。
BabyBusのYouTubeチャンネルでは、12言語にローカライズされたアニメーションが2日に1回程度更新されており、登録者数が累計1.3億人、日本向けチャンネルの登録者数も400万人と実績もすごいため、グローバルに子供向けアニメーションを展開している会社と理解していましたが、実際は知育アプリを展開している中国企業であることがわかりました。
BabyBusは200もの知育アプリを展開しており、MAUはグローバルで9,900万人です。
BabyBusを運営する宝宝巴士股份有限公司は2009年に設立され、事業転換を行いながら2011年に子供向け知育アプリをリリースしました。
2015年に知育アプリで1億ユーザーを獲得し、このタイミングで本格的にアニメーション事業にも参入しています。
2020年度の売上高は約110億円(6億4,900万元)純利益は約44億円(2億6,100万元)でした。
収益の76%がアプリの広告収入
子供向けアニメーションはなかなか直接収益化につなげるのが難しいのにも関わらず、BabyBusはなぜハイペースで、かつ12ヶ国語にローカライズしたアニメーションを配信し続けることができるのか疑問でしたが、実際の収益は全体の売上の76%がアプリの広告収入によるものでした。
※全体の売上高に対する各事業の売上比率
アニメーションや音声コンテンツによる収益は、全体の20%ほどとなっています。
現在はアニメーションでも収益化できていますが、アニメーションはアプリのプロモーションのためという位置付けの方が配信当初は強かったようです。
また、気になるのはグッズの収益が非常に少ないことです。その他の収益の3%にライセンスを含むグッズの収益が含まれています。
中国でも販売されているグッズの数はまだ少なく、日本でもYouTube登録者数が400万人いるにも関わらずイオンファンタジーさんとのライセンスしか見当たらなかったため、今後中国・海外含め商品化も増えていくことと思います。
拡大する中国コンテンツ企業のグローバル展開
BabyBusに限らず、立ち上げから早い段階からグローバルにチャレンジする中国コンテンツ企業は増えています。
TikTokを中心に縦型ショートアニメーションを通じてキャラクターを展開する中国企業発のドーロベアは、クオンが日本展開を行なっており、日本語にローカライズして日本向けに配信していますが、それ以外にもベトナム語や、ポルトガル語などの言語にもローカライズされており、ブラジル向けTikTokアカウントでは30万弱のフォロワーを抱えており、グッズ販売も順調です。
なかなかアニメーションによる直接のマネタイズは難しくとも、BabyBusはアプリ、ドーロベアはグッズのように、メインの収益へのプロモーションとしてアニメーションを活用しているのが中国企業の特徴です。
コンテンツグローバル展開ならクオンへお任せください!
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