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企業が消費者の心とつながるブランディング〜キャラクターは消費者の態度変容に効く〜

キャラクタースタジオクオン(※)のビジネス推進部瀧口です。

(※)株式会社クオンは2022年1月に経営統合し、株式会社Mintoとなりました。Mintoはアニメ・漫画などのエンタメビジネスをアップデートするスタートアップです。世界4カ国に拠点を持ち、コンテンツ×広告、越境IPプロデュース、Webtoon、Web3・メタバースの事業を展開しています。


ブランディング×キャラクター効果1「ロングタームで統一感があるブランド表現が可能」

前回のnoteでは、2021年3月に経営統合が完了したヤフーとLINEの経営統合でも活用される「キャラクターブランディング」から見るキャラクターのブランディング効果について書きました。

企業キャラクターがデジタルを入り口に、マスメディアやリアル(店舗)まで一気通貫で統合的に展開されるシンボルになることは、メディアを活用したコミュニケーションデザインが複雑化してきている昨今に適した手法と言えます。企業キャラクターは50年以上継続して使い続けられるほど耐久性が高く、柔軟なアップデートや拡張性が高いといったことも、多くの事例を交えてご紹介しました。また自社キャラクターであれば期間限定のタレント契約と異なり、期間を積み重ねていくことで自社資産となり、より価値を高めていくことも大きな企業メリットになります。未読の方はぜひご覧ください!

ブランディング×キャラクター効果2「消費者の心理・態度変容に効く」

2回目のお題は、「キャラクターは消費者の心理・態度変容に効く」ということについてです。

宅配便業社で親しみやすさナンバーワンの「クロネコ」

トライベック・ブランド戦略研究所が行った宅配業者5社(ヤマト運輸/佐川急便/日本通運/日本郵政/西濃運輸)と各社のサービス名についてイメージを調査した事例があります。そういえば宅配業者ってネコ、ペリカン、カンガルーなど動物キャラクターマークや愛称に使っている事業者が多いですよね。

5企業とサービス名についてイメージ9項目(「親しみやすい」「信頼できる」「取り扱いが丁寧だ」「時間に性格だ」「配送が迅速だ」「料金が安い」「サービスが充実」「ビジネス向け」「問合せへの対応が良い」)で分析を行った結果が下記です。

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出展:宅配便業者に関するイメージ調査(トライベック・ブランド戦略研究所)
上記は横軸に「好感度」、縦軸に「利便性」を取り、各企業・サービス名の得点をプロットした図です。利便性や高感度共に最も高いのが「クロネコ」です。「クロネコヤマトの宅急便♪」というCMは国民にとって馴染みがありますよね。

イメージ項目に項目において「ヤマト運輸」という企業名よりも「クロネコ」という商品ブランドの方がより強くイメージに影響度が出ている点も興味深い結果です。(下記図参照)イメージの中でも親しみやすさが最も高くクロネコというキャラクターがブランド構築に強くプラスに働いていることがわかります。

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出展:宅配便業者に関するイメージ調査(トライベック・ブランド戦略研究所)
2021年4月1日には1957年来初のクロネコマークの刷新が行われましたが、子猫を運ぶマークは健在で、現在の「クロネコ」キャラクターによるブランディング資産価値を積み重ねていく企業側の意思を感じます。

キャラクターは消費者にとって「やさしく・うれしい」

キャラクターがいると「理解づらい」「取っ付き難い」内容が入ってきやすいということがありますよね。

例えば「地デジカ」です。
2011年7月に予定されていた地上デジタルテレビ放送(地デジ)完全移行を推進するために制作されたキャンペーン用のキャラクターです。「地デジ化」という消費者からすれば実態がなく概念が理解しづらい物事でも、この鹿のキャラクターが居たことで心理的ハードルがかなり下がったこと考えられます。「地デジカ」発表直後から公式サイトにアクセスが集中しアクセス不能になり、「Yahoo! トレンドサーフィン」で発表された「ゆるキャラランキング」では1年間で検索されたゆるキャラの中で登場からわずか2日後の4月29日の集計ながら「ひこにゃん」や「せんとくん」に続く3位にランクインするなど、検索数の急上昇も見られました。まずはネットを入り口に「地デジ」というものに多くの人が興味を持ち、一気に広めた立役者と言えるでしょう。

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出展:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/0904/27/news107.html

警視庁の「ピーポくん」、郵便貯金の「ユウちゃん・アイちゃん」、マイナンバーの「マイナちゃん」など企業に止まらず国や組織がキャラクターを採用しています。無形物で実態がなく理解しづらい活動、制度移行など多くの人を巻き込まなければいけない活動において、キャラクターがコミュニケーションの間に入り込むことで態度変容を起こす力を持っていると言えます。

企業活動にも関わらず、キャラクターだから愛着を感じて情報を受け取る事が出来るということも多いはずです。

NTTドコモdポイントの「ポインコ」、J:COMのCMでもおなじみのキャラクタ―「ざっくぅ」などはいずれもサービスの普及のために開発されたキャラクターですが、文房具・アパレル ・雑貨など様々なグッズになり通常のキャラクターとして親しまれています。ノベルティーもそっけない企業ロゴが入っているだけのものより、可愛いキャラクターがついていた方がより多くの方が欲しいと思えますよね。

長くなったので今回はここまで!次回も長く愛されるブランド作りにキャラクターがどういう効果をもたらすのかを紹介していきます。

スタジオクオンでは、オリジナルキャラクターの展開のノウハウを元に企業のブランディングやマーケティング活動を支援しております。自社キャラクターの開発や育成について相談だけであれば無料で行っておりますので、お気軽にご連絡ください。

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