夢がわからなくなる

わたしの夢は、自分にとって泣くほど大切なことを「大切なんだ」って形にすること。
そして、誰かに「一人じゃない」って思ってもらうことだ。

これまで何度か口にしてきたけど、
やっぱり少し恥ずかしいし、
口に出す瞬間はいつも怖い。

この夢は、私が幾度となく救われてきた"表現"に対する憧れであり、
自分が感じていることを上手く伝えることがてきない孤独感に起因する渇望である。

・・・

でも最近、わからなくなってきた。

いや、自分が感じていること、自分にとって大切なことを表現したいという欲求はある。
なんなら持て余している。

ただ、その手段がなんなのかわからなくなってきた。

この夢に対して私が選んだ手段は、広告プランナーになることだ。
そして、自分の意志を載せて、一度だけ"大切"を形にしたい。
そう思っていた。

でも、その広告が曲者だった。
私たちは提案する中で、
様々なトレンド、あらゆるコンテンツ、そして人々の想いを"つかう"のである。

広告は売ることが目的なので、
たくさんの人、もしくはターゲットに見てもらわなきゃいけない。興味を持ってもらわなくちゃいけない。
そのためには商材の力だけでは足りないから、時代の流れやコンテンツの力を借りて、魅力をスピンさせる。
もちろんこれだけではなくて、様々な企画性やクリエイティブ、マーケティングの力も活用している。

でも、その企画性やクリエイティブ、マーケティングのタネになるのは、トレンドやコンテンツだ。
そしてそのトレンドやコンテンツを生み出しているのは、紛れもない人々の想いだ。

何かを形にしようと真摯に向き合った人たちだ。

広告企画を考えるたびに、そのことが頭をよぎる。
素敵な表現、視点を目にするたびに、
「つかえるかも」と思ってしまう自分に吐き気がする。

これが本当に望んだことなのか。
わたしの夢を叶えるために、そんなことを続けるのは矛盾ではないのか。

そう感じ始めて、かなりの時間が経った。
最近、毎日が分からない。

心の調子が悪いだけかもしれないと思い、
精神を安定させるためにジムへ行くことにした。

それで気が晴れるわけ、ないのだけれど。

※もしこの広告に対する考え方ややり方が間違っている、やりがちだけど本当は違うんだ、なんて思う方がいたら、どうか教えてください…。