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I've always been free

人生で一番、自由だった。
それは、何かから解き放たれて「自由だ!」と叫びたくなるような、そんな映画みたいなものではない。

でも、私にとっては、そんな自由よりもはるかに自由だったと思っている。

言葉にするとその"枠"の中に当て嵌めることになってしまうのがもどかしい。
そういえば誰かが言っていた。
「言葉にしても伝わらないから、物語を書くんだ」
そうだね。
言葉にしても伝わらないから、回りくどく喩えを用いたり、別の何かにそれらを込めたり、言葉を使わずに伝えようとしたりするんだよね。

イメージはすべて私の中にあるから、
それをいつか100%で出力したい。

・・・

前置きはこの辺にします。

モロッコへ行きました。
18の時、腐っていた頃、この世の全てを恨んでいた頃、一枚の写真を見た。
「この場所へ行くまでは死ねないな…」
そう感じた。
あの写真が無ければ、今ほど知らない世界に興味を持っていなかったかもしれない。
いや、多分持っていたけど。

ともあれ、年末に急遽航空券を取り、
情報も無く、準備もできない中でバタバタと飛行機へ乗った。周囲はもちろん、自分さえ笑ってしまうような唐突っぷり。
でも、そんなことをしてしまえる自分が少し好きだったりもする。

一人が大好きなので、一人で出かけることがほとんどの私だけど、海外で最初から最後まで一人なのは初。

何が良かったかって、
どれだけ言葉を連ねても表現しきれないくらい、
あたたかさと美しさ包まれた日々だった。
でも、何か一つ挙げるとしたら、、。

「言語が至らないこと」
そ!がこんなにも幸せだなんて、はじめて知った。
そんなこと、想像もできなかった。

私たち人間さんは言語を使ってコミュニケーションをとっているので、言語が分からないということは、本来とても不便で、時に人間に孤独や恐怖を感じさせることだと思っている。

しかし私がその地で感じたのは、
溢れんばかりのあたたかさだった。

何も知らない東洋人につきっきりで街を案内してくれる人、私が1人の時に親切に話しかけてくれて庭園に誘ってくれた夫婦、朝5時にタクシーを手配して荷物を運んでくれる人、海が見たいと言ったら港へ案内してくれる人、
そして膝で丸くなって眠るネコ。笑

もっともっとたくさんの人に親切にしてもらったけど、これ以上言葉にすると無くなってしまう気がするからこの辺りで打ち止めておく。

ともあれ、そんな彼らとコミュニケーションを交わしていく中で感じたことがある。

伝えようとすること。
分かろうとすること。
そして、恥ずかしいくらいまっすぐ届けること。

これがどれだけ大切か。
そして、その上で分かり合えることがどれほど嬉しいことか。

・・・

なんだろうな。
ここまで書いておいてなんだが、
誰かに分かって欲しいなんて微塵も思わない。
なぜなら、この経験は本当に素晴らしいもので、
今の私ではどうしたって表せず、
持て余してしまっているから。

でも、この抱きしめたくなる思い出を、
いつか表現できたらって思う。

一月、二月経った今も忘れられない。
本当に大切な七日間。

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