シェア
怪獣歌会
2018年7月22日 15:32
朝雁よ つがひを群れを得て我はあまたの火事の上を飛びたし /七戸雅人「果樹園の魚《うを》」『羽根と根』創刊号大意を取れば、孤独な〈我〉が地上から朝雁の群れを見上げ、その一員となって自分も空を飛びたいと思う、となろうか。〈朝雁〉〈我〉〈あまた〉〈火事〉など文節の頭に顕われるA音の軽やかさと、〈よ〉〈〜を〜を〉〈〜の〜の〉という文節の末尾に隠されたO音の重たさが、あたたまった空気のような浮遊