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#斉藤志歩
自由に生きて、自由に死んでくれ
斉藤です。
前回の川野さんからの質問は以下のようなものだった。
『人は自分に向けられる愛や関心からどうやって逃げて、あるいはどうやってそれらと折り合いをつけて生きているのか』
難しい。人のことは知らないから、自分の話をしようと思う。
私は性欲を感じることがあるが、ロマンティックな感情はよくわからない。いわゆる”交際”については、検討することがないわけではない。性的関係を持つにあた
小説みたいに生きたくない
斉藤です。今日は小説の話を書く。
『先週の記事で、斉藤さんは「私は人生に物語を欲していないのかもしれない」と言っていました。
でも斉藤さんは、小説をよく読みますよね。ドストエフスキーとかブロンテとかヘッセとか。ドストエフスキーなんかはすごく「物語」があると思うけど、斉藤さんはそうした物語をどう読んでいますか?』
まず、人生に物語を求めることと、小説に物語を求めることは全く別の問題だ。
見ること、書くこと、その自由
私は志賀直哉が好きだ。
本を読むときに勝手に強化月間を設けることがある。昨年の夏は白樺派強化月間だった。武者小路、有島、里見らの作品を読み進む中で、気に入ったのが志賀だ。本当に面白いと思う。何がそんなに面白いのか、今回の記事で少しでも伝われば嬉しい。
まずは作品から引用する。
『Kさんは勢よく燃え残りの薪を湖水へ遠く抛った。薪は赤い火の粉を散らしながら飛んでいった。それが、水に映って