優柔不断でとことん嫌になるのよ

今年はどうしてもバンド活動を再開したくて今まで登録してなかったサイトにチャレンジしてみたところ、いくつか引き合いをいただいた。ベースでの募集とキーボードの募集とギターの募集とアコギでの募集、ほぼ僕の演奏可能なすべてに問いあわせがあって、うれしくなって全部引き受けてしまった。これが始まりだった。

仕事をしながら4つかけもちするのは並大抵ではない。このうちキーボードのは10月末にライブがあってそこに向けてのサポートなので一回こっきりで終わるためそれほど問題はないのだが、あとのは月に一回はリハが入ってくるため、それなりに週末などは対応が迫られる。しかもカバーならまだいいがオリジナル曲をやってるバンドのだと、デモだけしかないためお手本になるプレイがなく、自分でそれなりに編み出さないといけないということで時間もかかるし頭も使う。そう簡単ではないのだ。

去年の春、会社を辞めたときに決めたのは「資格をとる」「セカンドキャリアをつくる」「本を読む時間をもっとつくる」「バンドをやる」だった。資格はひとつとった。仕事は相変わらずクリエイティブの仕事をフリーで続けている。本当はまったく別ジャンルにいきたかったのだがこのご時世、そんなに甘いものではなく今までのツテを頼って仕事をもらっている状況。そして最後のバンドについてが今の掛け持ち過多の状況なのだ。正直うれしい悲鳴となっている。さらにそのバンドでお手伝いした方から他のバンドへのお誘いもいただけたりしてすでにパンク状態だ。ここで僕の子どもの頃からのある問題が表面化する。それは。

「頼まれたら断れない」こと。いや、正確に書くと、借金とか無理な仕事とかそういうのが断れないとかではなく、人間関係を自分から絶つことができない、が正しい。たとえば交際したときに「ああ、なんか合わないな」とか思っても自分から「別れよう」とか言えない。ひたすら自然消滅か、相手に振られるまで待つということを繰り返してきた。単に気が弱いのだと思うが、これがビジネス上のタフな交渉とかだと、泣いて頼まれようがドライに割り切れたりするのだが、ことプライベートの人間関係を自分からこわすことができないのだ。それは恋愛だけではなく、こうしたバンドでもそうで、昔からそうなのだが合わないなと思っても自分から「抜けたい」「辞めたい」とか言えないでズルズルつきあってしまうことがある。学生時代は学園祭の即興バンドなんかも入れると最大で同時に5つか6つやってたこともあると思うけど、一度始めたものを切ることがなかなかできない。

あ、思い出した。僕は「友達から借金をしないこと、友達に金を貸さないこと」を決めているのだけど、これも金の貸し借りで友情がこわれるからというのはもちろんあるんだけど、なによりも一度貸しても催促ができないからという理由もあってそのたびに「ええい、なにをちいさなことで悩んでるんだ。もう寄付したと思えばいいじゃん」と自分に言い聞かせて貸してもほったらかしにしてた経験が何度もあったからが大きい。借りない、については忘れっぽくてうっかり返却を忘れてしまったらどうしようと思うからだ。相手の立場になって自分ならきっとそんなときでも催促できないだろうと想像するととても申し訳ないので最初から借りないことを決めている。めんどくさい性格なのです。優柔不断で自分でも嫌になるが。

というわけで、これからもバンドは相手からクビにされない限り、増えていくのかもしれず、それが今は1番心配。そんなことを言うと、普段の仕事上での僕の対人のコミュニケーションのとりかたをよく知ってる人からは「うそでしょ?」と言われるかもしれないけど、まあこんな感じのでくのぼうです。

さて。そろそろレパートリーの練習に戻らなきゃ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?