見出し画像

ある日を境に見える世界が変わることはある

前職は中途入社した当初だけいわゆるヒラのメンバーだったけど年齢も上の方だったこともありわりと早く管理職に昇進した。とはいえ当時の実態は管理するメンバーがいない無任所でいわば肩書きと報酬だけの管理職だったけど自分としては特にミッションではないものの他の部署の若手にアドバイスしたり、相談にのったり、時々食事に誘って本音や悩みを聞いたりなどそれなりに自覚をもって働いていた。

そんなこんなで2年位経った頃、社長に「ちょっと話がある」とカフェに誘われ、その席上「実はマネジャー職からはずそうと思ってるので了承してもらえないか」と言われた。「なんで俺が!?」と驚き、その理由を尋ねると新たに転職してきた人をマネジャーとして迎え入れたい事とそれに伴いそもそも部署もないのに管理職ばかり増やしても意味がないのでその新しいマネジャーを入れても今3人いるマネジャーから一人はずして全体の構図が変わらないようにしたいということだった。

結局はヒラであろうがやる仕事内容は従来とそれほど変わらないのだけど何がキツかったというと「あの人、マネジャーだったよね。なにかやらかしたのかな」みたいにメンバーから思われてるのではないかと疑心暗鬼になったり、引き継ぎがうまくなされておらず、マネジャー会議に招集されて「僕いまマネジャーじゃないんですけど」と事務局に伝えたら「あー、そうでした。こちらのミスです。すみません」と言われて取り消されたりとかそういうどうでもいいことにいちいち心がささくれだってしまう日々が当初続いた。

なんとなく一度管理職になればそのまま出世していくものだと思い込んでたけど元々がベンチャー企業だった会社なのでそういう「年功序列」とか「右肩上がり」とか一般企業みたいな概念は薄いこともあり、僕が勝手に安定志向を決め込んでただっただけなのだが単なるこちらの思い込みとはいえ、今日からあなたは平社員ですよ、は実際キツかったな。ちなみに社長に宣告された場で最後は「他のマネジャーではなく僕だけ降格するということは他のマネジャーの方が優秀だと判断されたということなのでそれはもう僕の力不足だと素直に思います。また出直しますよ」と大人の余裕を気取って笑って答えたが、内心はそこまで割り切れてはなかった。

それはさておき。

全員選抜を貫いていた日向坂46が選抜制度を導入してしばらく経った。正源司をセンターに置いた新曲も好評で、アンダーである「ひなた坂46」の曲も発表された。高橋未来虹をセンターに据えた異色の感じの曲だ。MVは「グリーン・ディスティニー」(古いな)のようなワイヤーアクションでこれまた異色な感じ。エンディングのメイキングシーンでメンバーが楽しそうに演じていることにホッとする。

もう日向坂はアンダーとかBACKSとかと同じ「階層を分ける」という道を選んだわけでこれが本当にグループのためになるのであればおひさまの一人としては見守るしかない。個人的には「ひなた坂」のこのMVがいい感じだったので余計に「それなら今まで同様ユニット曲でいいじゃん。いろんな組み合わせも見られるしさ」と思わないでもないのだがまあそれはそれ。確かに「僕に続け」のように一期から四期まで全員出て横一列になってると誰が誰だか小さすぎてよくわからんということもあるので。昔、紅白で乃木坂みてたときもそう思ったし人数が多いとどうしてもそうなる。なのでテレビ的には現実的なのはこれしかないのだろうとは思う。
また乃木坂などはアンダーライブがむしろ盛り上がったり櫻坂も同じで、先輩チームはすでに選抜制が確立していることはよくわかる。



ただ、よくSNS上で見かけたコメントとして「ゆるかったチームに選抜制を持ち込むと競争意識や緊張感が生まれるという効果がある」というものがあるけど、これに関してだけはこれまたあくまで個人的な見解としてなのだが「日向坂46になんの競争意識も緊張感も求めていない」僕のようなおひさまも(マイノリティだとは思うけど)少しはいるはずだよとだけは言及しておきたいと思った。

1つの疑似家族のような仲良しグループだから箱推ししてきたわけで、キャプテンやみーぱんやかとしには母性すら感じるし、おたけやめいめいやまなふぃーにはお姉ちゃんのような親しみやすさを感じ、二期生以降四期になるともう部活の先輩後輩のような感じを持っていた。
牧歌的な時代は終わったと以前書いた。「昔はよかった」を言うのは年寄りであり行き過ぎれば老害である。それはわかっている。実際もう年寄りだしな。
4期生を「まだ前に出るのは早い」なんていう気はもちろん全くない。それくらい彼女たちは新鮮で新しい風をグループに持ち込んでくれた。センターの正源司だけではなくどの4期生も「面白くてかわいくて親しみやすい」という日向坂の伝統を受け継いでいる。山下や平尾先生は何を言ってもやっても変てこだし、清水や小西には上の世代にはない「表にあらわになる闘志」すら感じる。離脱したけど岸くんの個性も捨てがたかった。この世代への期待は大きいのだ。だからこそ選別ではなく融合という形で進めてほしかったなという想いが捨てきれずいつまでもグダグタ書いてしまう。ああもう今度こそこれでやめよう。


僕自身の話でいうと実はヒラ社員に降格したあと1年でまた管理職に戻った。それは僕の代わりにマネジャーになった中途採用の人がまたすぐ辞めちゃったことと、当時社長が僕より優秀だと判断したはずの他のマネジャーが結果としては思うような成果を出せなかったことがある。「またマネジャーをやってくれないか」と社長に言われた時に「何をいまさら」とも「当然だろ」ともなんとも思わなかった。
1年間、立場を変えて組織をみたことで僕自身が成長できたという実感があったからだ。あのまま自動的に昇進していたら僕はもう何も変化できないおじさんになってたかもしれない。ヒラになったことでまたがむしゃらに働いた結果を評価されたということなのであの期間は僕にとっては自分を見つめ直すいい時間になった。

見る角度を変えることで気付くこともある。ひなた坂の皆さんも今回の経験を今後の活動において何かに生かしてもらえればいいなと思う。

なにもメディア露出の多さだけが大事な活動ではないのだから。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?