ドメイン投票方式を文字通りに社会実装するのはどうかと

ドメイン投票方式「0歳児に選挙権を与える、その親に権利を付与する」を公約にするという政党があるそうで、うーむ…。

本来なら1人1票が原則とは思うけど、いわゆる「シルバー民主主義」で停滞感が漂う昨今、極端に多い団塊の世代が人口割合の一定比率を下回るまでの期間、時限立法的に若い人の票の重みを大きくするのはありだとは思う。

そのための考え方の1つにドメイン投票方式というのがある。僕でさえ知ってる程度には、比較的以前から理論的な議論はある。海外では導入失敗したんじゃなかったかなぁ、その記事までは辿り着けず…。理論の詳細は以下を参照

僕は不勉強なので、学術的な検討として、効果を試算するための仮定として「0歳児に選挙権を与える、その親に権利を付与する」だと思っていた。
でも、その政党は、その仮定の手続きを含めて公約とするようだ。もしそうなら日本の社会課題の解決方針には合致しないと思う。

ネットでも賛否あるようだ。だけど、若い人の票の重みを大きくするのは法の下の平等とか考えたら本来あまり良くないとはいえ、シルバー民主主義への対抗策として他に有効な方法が無ければ、永続的な政策としない前提で僕は賛同できる。
離婚した時にどうなるかは知らないけど、両親に0.5票単位で分割するのも良い。自身の能動的な選択で結婚しない子供がいない人も良い。

ドメイン投票方式をそのまま取り入れると、結婚できた、子供を持てた人の意見だけ重みをつけて取り入れ易く、持てない人の意見を取り入れ難くする。そこが僕が賛同できない理由だ。
働いても貧しくて、給料アップしないけど物価は上がる中で、そもそも結婚を、子供を持つことを諦めてる人たちがいるのが、現代の大きな問題の1つ、少子化の原因の1つではないか。持てない人を持てるようにする政策は検討もされない?それは少子化対策になる?
そこまで考えて、救う人の優先順位もつけて上ドメイン投票方式を公約にしたのかなぁ…。

繰り返すけど、僕はドメイン投票方式の学術的な意義は否定しないし、時限立法的に若い人の票の重みを大きくするのはありだと思う。
但し、その社会実装で文字通り、0歳児に選挙権を与える、その親に権利を付与するのは、日本が解決すべき課題に悪影響と思う。余命投票とか年齢別選挙区の方がマシだけど、それらもそのまま適用するならどれも一長一短。
ビジョンや戦略を描いて(そこから公理的特徴づけをして)必要な投票方式とかメカニズムを設計・開発すれば良いのだけど、日本の政治家はビジョンや戦略の無い、ワンイシューポリティクスの合算に見える…、そのレイヤで戦うと優秀な役人には絶対勝てないww

実務家(政党政治家を含む)は、学術理論の知見は積極的に活用すべきだけど、それを社会に実装する専門家として、世間と乖離した理論そのままを振り回さず、社会で役立つように使いましょう、という自戒として。

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